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字母】志良須多ゝ木乃者止己曾三由連下/
翻刻】しらず、ただ木のはとこそみゆれ、下/
本文】知らず、ただ木の葉とこそ見ゆれ、下/
古文】知らず、ただ木の葉とこそ見ゆれ、下
字母】葉止以部者哥能躰久多久類奈利/
翻刻】葉といへば哥の躰、くだくるなり、/
本文】葉と言へば哥の躰、砕くるなり、/
古文】葉と言へば歌の体、砕くるなり、
字母】太ゝ左天阿留部幾與之申天病爾/
翻刻】たださてあるべきよし、申て、病に/
本文】たださてあるべき由、申して、病に/
古文】たださてあるべき由、申して、病に
字母】天八侍也又曾乃心爾八於知為春之天/
翻刻】ては侍也。又その心にはおちゐずして、/
本文】てははべるなり。またその心には落ちゐずして、/
古文】てははべるなり。またその心には落ちゐずして、
字母】宇者部八可利越末奈比天和左止先/
翻刻】うはべばかりをまなびて、わざと先/
本文】上辺ばかりを学びて、わざと先/
古文】上辺ばかりを学びて、わざと先
字母】達乃讀奴詞遠與美同事遠毛/
翻刻】達の讀ぬ詞をよみ、同事をも/
本文】達の讀まぬ詞を詠み、同じことをも/
古文】達の読まぬ詞を詠み、同じことをも
字母】與末无八返々無其詮以末也宇乃/
翻刻】よまんは、返々無其詮。いまやうの/
※「無其詮」は「無シ其ノ詮」、つまり「其の詮無し」を漢文体で表したもの。
※「以末也宇乃」の部分、時雨亭文庫本では「今可也宇乃」であることから、時雨亭文庫本に拠って訂すこととする。
本文】詠まんは、返す返すその詮なし。今〔か〕やうの/
古文】詠まんは、返す返すその詮なし。今かやうの
字母】御沙汰爾川幾天不留幾躰毛心得/
翻刻】御沙汰につきて、ふるき躰も心得/
本文】御沙汰につきて、古き躰も心得
古文】御沙汰につきて、古き体も心得
字母】於保世奴止毛加良毛王川可仁末奈比/
翻刻】おほせぬともがらもわづかにまなび/
本文】おほせぬ輩もわづかに学び/
古文】おほせぬ輩も、わづかに学び
字母】讀事安禮八是越安奈久利毛止/
翻刻】讀事あれば、是をあなぐりもと/
本文】讀むことあれば、これを探り求/
古文】読むことあれば、これを探り求




