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字母】 遠乃川可良曾女奴己乃葉越不幾末世天/
翻刻】「をのづからそめぬこの葉をふきまぜて/
※本文の仮名遣い(定家仮名遣い)は「をのづから」だが、「自ら」の歴史的仮名遣いは「おのづから」。
本文】「をのづから染めぬ木の葉を吹きまぜて/
古文】「おのづから染めぬ木の葉を吹きまぜて
字母】 以呂ゝゝ爾由久木可良之能可世/
翻刻】 いろいろにゆく木がらしのかぜ」/
本文】 色々にゆく木枯らしの風」/
古文】 色々にゆく木枯らしの風」
字母】止與三多留越八人々木乃字二安里/
翻刻】とよみたるをば、人々、「木の字二あり。/
本文】と詠みたるをば、人々、「木の字二つあり。/
古文】と詠みたるをば、人々、「木の字二つあり。
字母】三句遠曾女奴之太葉止八奈止侍良/
翻刻】三句を『そめぬした葉』とは、など侍ら/
※「三句」の部分、時雨亭文庫本では「上句」とあることから、時雨亭文庫本に拠って訂すこととする。
本文】三の句を『染めぬ下葉』とは、などはべら/
古文】上の句を『染めぬ下葉』とは、などはべら
字母】奴曾止申計留爾毛満己止爾志多葉/
翻刻】ぬぞ」と申けるにも、まことにした葉/
本文】ぬぞ」と申しけるにも、まことに下葉/
古文】ぬぞ」と申しけるにも、まことに下葉
字母】止以比天八曾女乃己須心毛思入/
翻刻】といひては、そめのこす心も思入/
本文】と言ひては、染め残す心も思ひ入れ/
古文】と言ひては、染め残す心も思ひ入れ
字母】多類左満爾天病遠毛左禮八可多ゝゝ/
翻刻】たるさまにて、病をもされば、かたがた/
本文】たるさまにて、病をも去れば、方々/
古文】たるさまにて、病をも去れば、方々
字母】曾乃以者禮安留可多八侍連止毛風/
翻刻】そのいはれある方は侍れども、風/
本文】その謂れある方ははべれども、風/
古文】その謂れある方ははべれども、風
字母】爾志多可比天止遠留木乃者爾武幾/
翻刻】にしたがひてとをる木の葉に向き/
※本文の仮名遣い(定家仮名遣い)は「とをる」だが、「通る」の意であった場合の歴史的仮名遣いは「とほる」。
本文】に随ひて通る木の葉に向き/
古文】に随ひて通る木の葉に向き
字母】天八下葉也良无宇八葉也良无計爾者/
翻刻】ては、下葉やらん、上葉やらん、げには/
本文】ては、下葉やらん、上葉やらん、げには/
古文】ては、下葉やらん、上葉やらん、げには




