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字母】新古今爾毛加也宇乃沙汰末天以天/
翻刻】新古今にもかやうの沙汰までいで/
本文】新古今にもかやうの沙汰まで出で/
古文】新古今にもかやうの沙汰まで出で
字母】幾多留志留之仁古人乃哥奈良天/
翻刻】きたるしるしに、古人の哥ならで、/
本文】来たるしるしに、古人の哥ならで、/
古文】来たるしるしに、古人の歌ならで、
字母】當世乃人乃中爾與美多利止毛與/
翻刻】當世の人の中によみたりとも、よ/
本文】當世の人の中に詠みたりとも、よ/
古文】当世の人の中に詠みたりとも、よ
字母】可良武遠八王左止入流部幾與之被/
翻刻】からむをば、わざと入るべきよし、被/仰下
※「被仰下」は「被仰セ下サ」、つまり「仰せ下さる」を漢文体で表したもの。手短に書けるために採用されたものと思われる。
本文】からむをば、わざと入るるべき由、仰せ下され
古文】からむをば、わざと入るるべき由、仰せ下され
字母】被/仰下天安末多入宇知家隆卿/
翻刻】被/仰下て、あまた入うち、家隆卿、/
本文】仰せ下されて、あまた入るうち、家隆卿、/
古文】仰せ下されて、あまた入るうち、家隆卿、
字母】 安不止三天己止曾登毛奈久安計爾介利/
翻刻】「あふとみてことぞともなくあけにけり/
本文】「逢ふと見てことぞともなく明けにけり/
古文】「逢ふと見てことぞともなく明けにけり
字母】 者可奈乃夢能王春禮可多三也/
翻刻】 はかなの夢のわすれがたみや」/
本文】 はかなの夢の忘れがたみや」/
古文】 はかなの夢の忘れがたみや」
字母】奈之止云事二所阿連止乃世良留/
翻刻】「なし」と云事二所あれど、のせらる。/
本文】「なし」といふこと二所あれど、載せらる。/
古文】「なし」といふこと二所あれど、載せらる。
字母】京極中納言入道哥爾毛己能春可多毛/
翻刻】京極中納言入道哥にも、このすがたも/
本文】京極中納言入道の哥にも、この姿も/
古文】京極中納言入道の歌にも、この姿も
字母】同事與女禮止我心爾安不哥遠者/
翻刻】同事よめれど、我心にあふ哥をば、/
※「同事與女」の部分、時雨亭文庫本では「同事爾與女」とあることから、時雨亭文庫本に拠って補うこととする。
本文】同じこと〔に〕詠めれど、我が心に合ふ哥をば、/
古文】同じことに詠めれど、我が心に合ふ歌をば、




