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字母】津久利寛平乃御時孫姫喜撰加/散
翻刻】つくり、寛平の御時、孫姫・喜撰カ/サ
※ここから急にカタカナ交じり文になったので、字母もカタカナのものを使うこととする。
本文】作り、寛平の御時、孫姫・喜撰重
古文】作り、寛平の御時、孫姫・喜撰重
字母】加/散禰天式乎川久利、哥乃病遠左多/
翻刻】カ/サネテ式ヲツクリ、哥ノ病をさだ/
本文】重ネテ式ヲ作リ、哥ノ病を定/
古文】重ねて式を作り、歌の病を定
字母】女同事不多ゝ比八與武末之幾/
翻刻】め、同事ふたたびはよむまじき/
本文】め、同じこと再びは詠むまじき/
古文】め、同じこと再びは詠むまじき
字母】事爾奈利心毛遠己良奴輩毛題止/
翻刻】事になり、心もをこらぬ輩も、題と/
※本文の仮名遣い(定家仮名遣い)は「をこる」だが、「起こる」の歴史的仮名遣いは「おこる」。
本文】ことになり、心も起こらぬ輩も、題と/
古文】ことになり、心も起こらぬ輩も、題と
字母】以不事左可利爾成天折句沓冠奈/
翻刻】いふ事さかりに成て、折句・沓冠な/
本文】いふこと盛りになりて、折句・沓冠な/
古文】いふこと盛りになりて、折句・沓冠な
字母】止末天毛人乃能爾之天與武/
翻刻】どまでも人の能にしてよむ/
本文】どまでも人の能にして詠む/
古文】どまでも人の能にして詠む
字母】春可多乃寛平與利左可利仁奈禮利/
翻刻】すがたの、寛平よりさかりになれり。/
本文】姿の、寛平より盛りになれり。/
古文】姿の、寛平より盛りになれり。
字母】己禮遠久多之天寛平以往止八/
翻刻】これをくたして寛平以往とは/
本文】これを腐して寛平以往とは/
古文】これを腐して寛平以往とは
字母】云也古今爾毛假名眞名序止毛/
翻刻】云也。古今にも假名・真名序とも/
本文】云ふなり。古今にも假名・真名序とも/
古文】言ふなり。古今にも仮名・真名序とも
字母】爾哥也宇ゝゝ久多禮留己止遠以部利/
翻刻】に哥やうやうくだれることをいへり。/
本文】に哥やうやう下れることを言へり。/
古文】に歌やうやう下れることを言へり。




