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字母】部之下左満乃好事乃中仁不審/
翻刻】べし。下ざまの好事の中に、不審/
本文】べし。下様の好事の中に、不審/
古文】べし。下様の好事の中に、不審
字母】越以多之才学遠多川留人毛/
翻刻】をいだし才学をたつる人も、/
本文】を出だし才学をたつる人も、/
古文】を出だし才学をたつる人も、
字母】久方乃空止八何止天以不曾阿良/
翻刻】「久方の空」とは何とていふぞ、「あら/
本文】「久方の空」とは何とて言ふぞ、「あら/
古文】「ひさかたの空」とは何とて言ふぞ、「あら
字母】可禰乃津知止八以可奈留心爾以比/
翻刻】かねのつち」とはいかなる心にいひ/
本文】かねの土」とはいかなる心に言ひ/
古文】かねの土」とはいかなる心に言ひ
字母】曾女太曾奈止以不事越乃三問多留/
翻刻】そめたぞ、など言ふ事をのみ問たる/
※今回の翻刻で「そめたぞ」と読んだ部分は、久松氏(大系)に拠ると「そめたるぞ」の「る」が抜け落ちた上で「ぞ」を「う」と誤写して「そめたう」となっているとのこと。陽明文庫本・時雨亭文庫本では明らかに「楚」であることから、今回は「る」を補った上で、時雨亭文庫本に拠って訂すこととする。
本文】初めた〔る〕ぞ、など言ふことをのみ問ひたる/
古文】初めたるぞ、など言ふことをのみ問ひたる
字母】越以三之起己止ゝ世利是毛満己止仁/
翻刻】を、いみじきこととせり。是もまことに/
本文】を、いみじきこととせり。これもまことに/
古文】を、いみじきこととせり。これもまことに
字母】安留部幾事奈連止加也宇乃事/
翻刻】あるべき事なれど、かやうの事/
本文】あるべきことなれど、かやうのこと/
古文】あるべきことなれど、かやうのこと
字母】八太ゝ左止志類者可利爾天於保幾/
翻刻】はたださとしるばかりにて、おほき/
本文】はたださと知るばかりにて、大き/
古文】はたださと知るばかりにて、大き
字母】奈留得分奈之哥者以可奈留物曾/
翻刻】なる得分なし。哥はいかなる物ぞ、/
本文】なる得分なし。哥はいかなるものぞ、/
古文】なる得分なし。歌はいかなるものぞ、
字母】以可爾止武幾天以可爾止與武部幾曾/
翻刻】いかにとむきて、いかにとよむべきぞ、/
本文】いかにと向きて、いかにと詠むべきぞ、/
古文】いかにと向きて、いかにと詠むべきぞ、




