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字母】太之奈武止也聞衣左利計留毛/
翻刻】たしなむとや聞えざりけるも、/
本文】嗜むとや聞こえざりけるも、/
古文】嗜むとや聞こえざりけるも、
字母】與女留哥乃左末者類可爾部多/
翻刻】よめる哥のさま、はるかにへだ/
本文】詠める哥のさま、遥かに隔/
古文】詠める歌のさま、遥かに隔
字母】天ゝ遠與不事奈之京極入道中納言/
翻刻】ててをよぶ事なし。京極入道中納言/
※本文の仮名遣い(定家仮名遣い)は「をよぶ」だが、「及ぶ」の歴史的仮名遣いは「およぶ」。
本文】てて及ぶことなし。京極入道中納言/
古文】てて及ぶことなし。京極入道中納言
字母】定家千首越與三天送留人乃返事/
翻刻】定家、千首をよみて送る人の返事/
※「返事」を「かへりごと」と濁って読むようになるのは近世以降。
本文】定家、千首を詠みて送る人の返り事/
古文】定家、千首を詠みて送る人の返り事
字母】爾可計留己止久哥八可奈良須千首/
翻刻】にかけるごとく、「哥はかならず千首/
本文】に書けるごとく、「哥は必ず千首/
古文】に書けるごとく、「歌は必ず千首
字母】万首越與武爾毛與良寸曾乃/
翻刻】万首をよむにもよらず。その/
本文】万首を詠むにもよらず。その/
古文】万首を詠むにもよらず。その
字母】美知遠心得天與武人八十首廿首/
翻刻】みちを心得てよむ人は、十首廿首/
本文】道を心得て詠む人は、十首廿首/
古文】道を心得て詠む人は、十首二十首
字母】與利三由部之左連八古禮保止乃/
翻刻】よりみゆべし。さればこれほどの/
本文】より見ゆべし。さればこれほどの/
古文】より見ゆべし。さればこれほどの
字母】心左之奈良八哥乃也宇遠問聞天/
翻刻】心ざしならば、哥のやうを問聞て/
本文】心ざしならば、哥のやうを問ひ聞きて/
古文】心ざしならば、歌のやうを問ひ聞きて
字母】曾讀部幾登以部類肝要奈留/
翻刻】ぞ讀べき」といへる、肝要なる/
本文】ぞ讀むべき」と言へる、肝要なる/
古文】ぞ読むべき」と言へる、肝要なる




