頁009
字母】才学越古之三義越案之毛知/
翻刻】才学をこのみ、義を案じもち/
本文】才学を好み、義を案じもち/
古文】才学を好み、義を案じもち
字母】天者可利問答遠春留時古人乃/
翻刻】てばかり問答をする時、古人の/
本文】てばかり問答をする時、古人の/
古文】てばかり問答をする時、古人の
字母】詞遠毛我可多之遠毛武幾爾乃三/
翻刻】詞をも我かたのをもむきにのみ/
※本文の仮名遣い(定家仮名遣い)は「をもむき」だが、「趣」の歴史的仮名遣いは「おもむき」。
本文】詞をも我が方の趣にのみ/
古文】詞をも我が方の趣にのみ
字母】止利奈之心八以連天比可左満爾己止/八利
翻刻】とりなし、心はいれでひがざまにこと/はり、
※本文の仮名遣い(定家仮名遣い)は「ことはる」だが、「理る」の歴史的仮名遣いは「ことわる」。
本文】とりなし、心は入れで僻様に理り、
古文】とりなし、心は入れで僻様に理り、
字母】己止/八利我物爾得止己呂毛奈之無所/得
翻刻】こと/|はり、我物に得ところもなし。無所/得
※「無所得」は「無シ所得ル」、つまり「得る所無し」を漢文体で表したもの。手短に書けるために採用されたものと思われる。
本文】理り、我が物に得るところもなし。得るところなし
古文】理り、我が物に得るところもなし。得るところなし
字母】無所/得八春ゝ武己止奈之與三以多寸不无/
翻刻】無所/得はすすむことなし。よみいだすぶん/
本文】得るところなしは進むことなし。詠み出だす分/
古文】得るところなしは進むことなし。詠み出だす分
字母】毛不審越安久留幾八毛月輪乃/
翻刻】も不審をあぐるきはも、|月輪の/
※「月輪」の部分、時雨亭文庫本では「同輪」としか読めないことから、時雨亭文庫本に拠って訂すこととする。
本文】も不審を挙ぐる際も、月輪の/
古文】も不審を挙ぐる際も、同じ輪の
字母】宇知越以川留事奈幾與之沙汰候也。/
翻刻】うちをいづる事なきよし、沙汰候也。/
本文】うちを出づることなき由、沙汰し候ふなり。/
古文】うちを出づることなき由、沙汰し候ふなり。
字母】左禮者年来乃好事是遠乃三多/之奈
翻刻】されば年来の好事、是をのみた/しな
本文】されば年来の好事、是をのみ嗜
古文】されば年来の好事、これをのみ嗜
字母】多/之奈武與之奈留毛古人乃左本止/
翻刻】た/しなむよしなるも、古人のさほど/
本文】嗜む由なるも、古人のさほど/
古文】嗜む由なるも、古人のさほど




