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字母】風吹天枝越奈良春毛柯八哥也/
翻刻】風吹て枝をならすも「柯は哥也」/
※「柯八哥也」の部分、久松氏(大系)は「柯」を「何」と見て「何は哥なり」と翻刻したようだが、「亻」にしては明らかに不要な書き足しが多く、「木」と言われた方が納得がいく。また、時雨亭本では「柯八哥也」としか読めないことから、時雨亭文庫本に拠って訂すこととする。
本文】風吹きて枝を鳴らすも「柯は哥なり」/
古文】風吹きて枝を鳴らすも「柯は歌なり」
字母】止天曾禮末天毛哥奈留與之/
翻刻】とて、それまでも哥なるよし、/
本文】とて、それまでも哥なる由、/
古文】とて、それまでも歌なる由、
字母】樸揚大師毛見世良禮天候登/
翻刻】樸揚大師も見せられて候と/
※「見せられて」の部分、陽明文庫本・時雨亭文庫本ともに「尺せられて」であることから、時雨亭文庫本に拠って訂すこととする。
本文】樸揚大師も見せられて候ふと/
古文】樸揚大師も尺せられて候ふと
字母】可也左禮者天地遠宇己可之鬼神/
翻刻】かや。されば、天地をうごかし、鬼神/
本文】かや。されば、天地を動かし、鬼神/
古文】かや。されば、天地を動かし、鬼神
字母】遠毛感世之女治世美知止毛奈里/
翻刻】をも感ぜしめ、治世みちともなり、/
※「治世」は「治ムル世ヲ」、つまり「世を治むる」を漢文体で表したもの。
本文】をも感ぜしめ、世を治むる道ともなり、/
古文】をも感ぜしめ、世を治むる道ともなり、
字母】群徳之祖、百福之宗也止毛左/太
翻刻】「群徳之祖、百福之宗也」ともさ/だ
本文】「群徳の祖、百福の宗なり」とも定/
古文】「群徳の祖、百福の宗なり」とも定
字母】左/太女良連邪正越多ゝ須事是與/
翻刻】さ/だめられ、「邪正をたゞす事|是よ/
本文】定められ、「邪正をたゞすこと、これよ/
古文】定められ、「邪正をただすこと、これよ
字母】里知可幾八奈之那止候爾也凡一切/
翻刻】りちかきはなし」など候にや。凡一切/
本文】り近きはなし」など候ふにや。凡そ一切/
古文】り近きはなし」など候ふにや。凡そ一切
字母】乃己止成就春留爾者相應越左/
翻刻】のこと成就するには、相應をさ/
本文】のこと成就するには、相應をさ/
古文】のこと成就するには、相応をさ
字母】幾止之候奈禮八爾也伊勢太神/
翻刻】きとし候なればにや、伊勢太神/
※伊勢神宮の内宮を意味する「だいじんぐう」または「たいじんぐう」は古文では「太」とも「大」とも書かれるが、現代では「大神宮」と書くため、今回はそちらに合わせることとする。
本文】きとし候ふなればにや、伊勢太神/
古文】きとし候ふなればにや、伊勢大神




