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古文】「おのづから染めぬ木の葉を吹きまぜて/
語釈】
※おのづから染めぬ木の葉を吹きまぜて色々にゆく木枯らしの風=自然と、まだ色を染めない木の葉を(紅葉と一緒に)吹き混ぜて、色色とりどりに吹き過ぎて行く風よ。【玉葉和歌集・巻六・冬・八六一番歌】
訳文】「自然と、まだ色を染めない木の葉を(紅葉と一緒に)吹き混ぜて、
古文】 色々にゆく木枯らしの風」/
語釈】
※おのづから染めぬ木の葉を吹きまぜて色々にゆく木枯らしの風=自然と、まだ色を染めない木の葉を(紅葉と一緒に)吹き混ぜて、色色とりどりに吹き過ぎて行く風よ。【玉葉和歌集・巻六・冬・八六一番歌】
訳文】 色色とりどりに吹き過ぎて行く風よ」
古文】と詠みたるをば、人々、「木の字二つあり。/
語釈】
訳文】と詠んだのを、人々、「(この歌には)木の字が二つある。
古文】上の句を『染めぬ下葉』とは、などはべら/
語釈】
訳文】上の句(の第三句)を『染めぬ下葉』とは、どうしてしないの
古文】ぬぞ」と申しけるにも、まことに下葉/
語釈】
※ぞ=(疑問の語を伴い文末にある場合)〔問いただす〕~か。
※まことに=本当に・まったく。
訳文】ですか」と申したのにも、本当に「下の方の葉」
古文】と言ひては、染め残す心も思ひ入れ/
語釈】
訳文】と言えば、(時雨は上の方の葉から染めて行くので)染め残す(という)心も(歌に)込め
古文】たるさまにて、病をも去れば、方々/
語釈】
※病=①病気。②欠点・短所。詩歌・文章を作る上での修辞上の欠陥。③苦・苦労の種・気がかり。
※方々=①あちらこちら。②(「人々」の尊敬語)方々③あれこれ・いろいろ。④あなた方
訳文】ている様子となって、(木の字を二度使うという)歌の修辞上の欠陥もなくなるので、人々(の中には)
古文】その謂れある方ははべれども、風/
語釈】
※謂れ=原因・由来。
訳文】そういう由来のある方はいらっしゃるでしょうけれども、(吹き混ぜる)風
古文】に随ひて通る木の葉に向き/
語釈】
訳文】に従って(目の前を)通り過ぎる木の葉に向かっ
古文】ては、下葉やらん、上葉やらん、げには/
語釈】
※下葉=草木の下の方にある葉。
※上葉=草木の上の方の葉。
※やらん=①(疑問をこめた推量の意)~だろうか・~のだろうか。②(不確かなこととして言う)~とかいうことだ。③(不確実な事柄を列挙する)~か。
※げには=本当のところは・実際は。
訳文】ては、(どれが)木の下の方の葉だろうか、上の方の葉だろうか、実際には




