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字母】動心越本可爾阿良八之天紙爾加幾/
翻刻】動心をほかにあらはして紙にかき/
本文】動く心をほかにあらはして紙に書き/
古文】動く心をほかにあらはして紙に書き
字母】候事八佐良爾可八留止己呂奈久候/
翻刻】候事は、さらにかはるところなく候/
本文】候ふことは、さらに変はるところなく候ふ/
古文】候ふことは、さらに変はるところなく候ふ
字母】爾也文止申候毛比止川己止八爾候/
翻刻】にや。文と申候もひとつことばに候/
本文】にや。文と申し候ふもひとつことばに候ふ/
古文】にや。文と申し候ふもひとつことばに候ふ
字母】良之八弘法大師乃御旨趣爾毛委/
翻刻】よしは、弘法大師の御旨趣にも委/
本文】由は、弘法大師の御旨趣にも委しく/
古文】由は、弘法大師の御旨趣にも委しく
字母】見天候爾己曾境爾随天遠己留心/
翻刻】見て候にこそ。境に随てをこる心/
※本文の仮名遣い(定家仮名遣い)は「をこる」だが、「起こる」の歴史的仮名遣いは「おこる」。
本文】見えて候ふにこそ。境に随ひて起こる心/
古文】見えて候ふにこそ。境に随ひて起こる心
字母】越聲仁以多之候事八花爾奈久/
翻刻】を聲にいだし候事は、花になく/
本文】を聲に出だし候ふことは、花に鳴く/
古文】を声に出だし候ふことは、花に鳴く
字母】鶯水爾春武可八川春部天一切生/
翻刻】鶯、水にすむかはづ、すべて一切生/
本文】鶯、水に棲む蛙、すべて一切生/
古文】鴬、水に棲む蛙、すべて一切生
※「一切」を「いっせつ」と読めば副詞となるが、ここでは『六祖壇経』に言う四字熟語(名詞)として取り、「いっさいしょうるい」と読むこととする。
字母】類見奈於奈之己止仁候部者以幾止之/
翻刻】類みなおなじことに候へば、「いきとし/
本文】類みな同じことに候へば、「生きとし/
古文】類みな同じことに候へば、「生きとし
字母】以計留毛乃以川連可哥遠與満左/
翻刻】いけるもの、いづれか哥をよまざ/
本文】生けるもの、いづれか哥を詠まざ/
古文】生けるもの、いづれか歌を詠まざ
字母】里介留止毛以比乃至草木越/
翻刻】りける」ともいひ、乃至草木を/
本文】りける」とも言ひ、乃至草木を/
古文】りける」とも言ひ、乃至草木を




