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頁003

字母】動心

翻刻】((うごく))心をほかにあらはして紙にかき/

本文】((うご))()心をほかにあらはして紙に()き/

古文】動く心をほかにあらはして紙に書き



字母】候事候/

翻刻】((さうらふ))事は、さらにかはるところなく((さうらふ))

本文】((さうら))()こと()は、さらに()はるところなく((さうら))()

古文】候ふことは、さらに変はるところなく候ふ



字母】申候候/

翻刻】にや。文と((まうし))((さうらふ))もひとつことばに((さうらふ))

本文】にや。文と((まう))()((さうら))()もひとつことばに((さうら))()

古文】にや。文と申し候ふもひとつことばに候ふ



字母】弘法大師御旨趣委/

翻刻】よしは、弘法大師の御旨趣にも((くはしく))

本文】よしは、弘法大師の御旨趣((おほんしいしゅ))にも((くは))()()

古文】由は、弘法大師のおほん旨趣しいしゅにもくはしく



字母】見心/

翻刻】((みえ))((さうらふ))にこそ。境に((したがひ))てをこる心/

※本文の仮名遣い(定家仮名遣い)は「をこる」だが、「起こる」の歴史的仮名遣いは「おこる」。

本文】((み))()((さうら))()にこそ。((さかひ))((したが))()()こる心/

古文】見えて候ふにこそ。境にしたがひて起こる心



字母】候事

翻刻】を聲にいだし((さうらふ))事は、花になく/

本文】を聲に()だし((さうら))()こと()は、花に()く/

古文】を声に出だし候ふことは、花に鳴く



字母】鶯水一切生/

翻刻】鶯、水にすむかはづ、すべて一切生/

本文】鶯、水に()((かはづ))、すべて一切((いっさい))((しゃう))

古文】鴬、水に棲むかはづ、すべて一切生

※「一切」を「いっせつ」と読めば副詞となるが、ここでは『六祖壇経ろくそだんきょう』に言う四字熟語(名詞)として取り、「いっさいしょうるい」と読むこととする。



字母】類

翻刻】類みなおなじことに候へば、「いきとし/

本文】類みな(おな)じことに((さうら))へば、「()きとし/

古文】類みな同じことに候へば、「生きとし



字母】

翻刻】いけるもの、いづれか哥をよまざ/

本文】()けるもの、いづれか哥を()まざ/

古文】生けるもの、いづれか歌を詠まざ



字母】乃至草木

翻刻】りける」ともいひ、乃至草木を/

本文】りける」とも()ひ、乃至((ないし))草木((さうもく))を/

古文】りける」とも言ひ、乃至ないし草木さうもく

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