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頁012

古文】良しとはいかなるを言ひ、()しとはいか/なる

語釈】

※良し=上手だ。

※いかなる=どのような。

()し=下手だ。

訳文】上手とはどのような(歌)を言い、下手とはどのような(歌)



古文】を知るべきぞ、昔今(むかしいま)の変はれ/

語釈】

※知る=理解する。

※ぞ=(疑問の語を伴い文末にある場合)〔問いただす〕~か。

※昔今=昔と今。

訳文】を(言うのかを)理解するべきか、昔と今の(歌の詠みぶりが)変わっ



古文】るはいづくか変はれるぞとも、いか/に

語釈】

※いづく=どこ。

※ぞ=(疑問の語を伴い文末にある場合)〔問いただす〕~か。

※いかにして=①(疑問)どのようにして・どうして。②(願望)どうにかして・なんとかして。

訳文】たのはどこが変わってしまったのか、どのように



古文】して人の(さか)し愚かなるをも/

語釈】

※いかにして=①(疑問)どのようにして・どうして。②(願望)どうにかして・なんとかして。

※人=この場合は歌人。

(さか)し=気が利いている。巧みだ。

※愚かなる(愚かなり)=劣っている。下手だ。

訳文】すれば(その)歌人が巧みである(とか)劣っている(とか)をも



古文】知り、我も人となり進むべきなどは、/

語釈】

※知り(知る)=理解する。

※人=この場合は歌人。

※進む=上達する。

訳文】理解する(ことができるのか)、(どのようすれば)自分も歌人となって上達することができる(のか)などは、



古文】まづはじめの一重なる不審にも/

語釈】

※まづ=初めに。真っ先に。第一に。

※一重なる=ひたすらの。

※不審=漢語。①納得できないこと。疑点。疑問点。②疑念。③疑問・質問。

訳文】真っ先に(抱くべき)ひたすらの疑問点にも



古文】せられぬべきを、さは皆向かは/

語釈】

※さは=そうは。そのようには。

※向かは(向かふ)=①向き合う。②出向く。

訳文】きっとされるべきであるのに、そのようには皆(歌に)向き合わ



古文】ずして、()られぬ道より()らむと/

語釈】

※道=①道・道路・通路・航路。②途中・途上・道中。③道のり・行程。④方面。⑤専門の道・専門の方面。⑥方法・手だて。⑦道理・条理・人としてのあり方・正しい生き方。

訳文】ずに、入れない方面から(歌の道に)入ろうと



古文】し、及ばれぬ(かた)より昔にも/

語釈】

※及ば(及ぶ)=①届く・達する。②なる・至る。③(打消の語を伴って)同じ程度になる・匹敵する・かなう。④目標に届くようにする・のしかかるようにする。

※方=手段・方法。

訳文】し、叶わない方法によって昔(の歌人)にも



古文】及ばんなどのみする(ともがら)、我が暗/き

語釈】

※及ば(及ぶ)=①届く・達する。②なる・至る。③(打消の語を伴って)同じ程度になる・匹敵する・かなう。④目標に届くようにする・のしかかるようにする。

※のみ=だけ。ばかり。すっかりずっと。

(ともがら)=①同類・仲間。②連中・やから。

※暗く(暗し)=①暗い。②分からない。はっきりしない。③愚かだ。

訳文】匹敵しようなどとばかりする連中(は)、自分の愚かさ

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