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字母】保/己左起遠安良曾比才学越多天/
翻刻】ほ/こさきをあらそひ、才学をたて/
本文】矛先を争ひ、才学をたて/
古文】矛先を争ひ、才学をたて
字母】候末部八以徒連可是以川禮可非/
翻刻】候まへは、いづれか是いづれか非、/
※「候ふまへ」の部分、久松潜一氏(日本古典文学大系)に拠ると、「末」は「衍字=誤って付け加えた余計な字」(つまり原文は「候へば」)または「宇」の誤り(つまり原文は「候ふ上は」)ではないかとの指摘あり。小川剛生氏(歌論歌学集成)は「候末部」はそのまま「候ふ前」と解釈。今回は小川氏の説を採った。
本文】候ふ前は、いづれか是いづれか非、/
古文】候ふ前は、いづれか是いづれか非、
字母】志利可多起爾似候部止毛此三知八/
翻刻】しりがたきに似候へども此みちは/
本文】知りがたきに似候へども、此道は/
古文】知りがたきに似候へども、この道は
字母】安左幾爾似天不可久也春幾爾ゝ/
翻刻】あさきに似てふかくやすきにゝ/
本文】浅きに似て深く、易きに似/
古文】浅きに似て深く、易きに似
字母】天加多久佛法止毛比止部爾候/
翻刻】てかたく、佛法ともひとへに候/
※久松氏(大系)に拠ると「ひとへ」が「ひとつ」の誤写の可能性があるとのこと。時雨亭文庫本では明らかに「徒」であることから、時雨亭文庫本に拠って訂すこととする。
本文】て難く、佛法ともひとへに候ふ/
古文】て難く、仏法ともひとつに候ふ
字母】奈禮者邪正遠多川禰幾八女良/
翻刻】なれば、邪正をたづねきはめら/
本文】なれば、邪正をたづね極めら/
古文】なれば、邪正をたづね極めら
字母】連候八无時八私安良武止己呂八/
翻刻】れ候はん時は、私あらむところは/
本文】れ候はん時は、私あらむところは/
古文】れ候はん時は、私あらむところは
字母】可奈者寸也候八无春良武左禮者/
翻刻】かなはずや候はんずらむ。されば/
本文】叶はずや候はんずらむ。されば/
古文】叶はずや候はんずらむ。されば
字母】和漢乃字爾與里候天可良哥也/末止
翻刻】和漢の字により候て、からの哥・や/まと
本文】和漢の字により候ひて、唐の哥・や/まと
古文】和漢の字により候ひて、唐の歌・やまと
字母】也/末止哥止波申候部止毛宇知仁/
翻刻】や/まと哥とは申候へども、うちに/
本文】や/まと哥とは申し候へども、うちに/
古文】やまと歌とは申し候へども、うちに




