皇帝の許嫁作戦!!
自分、だんだん追い詰められてるような気がしますが、今日も頑張って、彼らに接触することなく、逃げ回りながら過ごしています。
そんなことしても平気な自分の状況に、少々ホッとしながらも……いや、コレ絶対に正常じゃないから!
自分の、平穏な、世界をーぷりーず!!
えっと、前回は四人一遍にというのが、やはり難しいんだと思う。
ならば……二人のフラグを折っていこう。
そう、二人ずつなら、なんとなる……ハズ!!
今回注目したのは、女子達。
なんとかならないかなー?
「どうかしたのか?」
珍しく父が声をかけてきた。
「言い寄ってくる子が居てね、困ってるんだ。少し」
本当は大分なんだけどな!
「お前には、許嫁がいるんだから、それを伝えてみたらどうだ?」
え? それ、初耳なんですがぁあああああ!?
自分、許嫁いたんですか、マジで!?
それが本当なら、もしかしたら、一気に女子連中を黙らせることが出来るかも!!
「初耳なんですけど、父上!!」
「父上なんていうのが、初耳なんだが……前にも言ったぞ。お前には許嫁がいるって」
自分はつんのめるように父上にくっつきながら、尋ねる。
「で、相手は、誰、ですかっ!!」
「ほら、お前も覚えているだろ? 昔、隣に住んでたご令嬢の相模紗彩さん」
「えっと……その人って……自分よりも……5歳年上だったような……」
ものすごく優しかったお姉さんだ。ちょっとだけ、ペットを見るような瞳をしてたような気がしたけど、まあ、そんなことはどうでもいい。と思っていたら、父上が追加で教えてくれた。
「そう、形だけでいいから婚約してくれと言われたんだよ。まあ、家柄も悪くはないし、相模家に恩をうっておいても問題ないと思ってな。今は、紗彩さん、海外に留学中だよ。しばらくは帰ってこないとも言ってたぞ」
……そ・れ・だっ!!!
「ありがとう、父上!!!」
「お、おう?」
これなら2人とは言わずに……そう! 4人のフラグをーーーへし折れるっ!! いやっほーーー!!!
明日は良い日になりそうだっ!!!
というわけで、自分。意気揚々と四人を纏めて、放課後に呼び出しました。
なるべくなるべく、笑いだしたくなるのをぐっとこらえて、うん。真面目な顔真面目な顔っと。
「ど、どうしたの? 皇帝君」
「なんか、良いことがあったのか?」
「あら、他にもいらっしゃいましたのね。皇帝様、今度は二人っきりでお願いしたいですわ」
「それは私も同感です」
と、例の四人組がやってきた。
自分、緊張しながらも、口を開きました。笑わないように、極力真面目な顔で、残念そうな顔で。
「先日、知ったことなのだが……俺に許嫁がいる。相模紗彩さんだ。今は訳あって外国にいるから、追わぬように。相模さんに何かあれば、俺はお前達を即刻、敵と見なすぞ」
…………決まった!!
先生、やりましたよ……!! 完璧、完璧ですよっ!!
………………。
…………………………あれ? なんで、自分の後ろを見て、驚いてるんすか?
え、後ろ………………えっ?
「紗彩……さん?」
待って、思考が追いつかないよ……誰か教えて、なんで……。
なんで、その紗彩さんが、イケメンつれて、ここにいるんすかぁーーー!!!!?
「あ、雄哉くん。よかったぁーー。あなたに会えて。婚約破棄お願いしたいと思って」
「初めまして、柴崎真広っていいます。どうぞ、よろしく」
「あ、どうも」
「真広くんとは、留学先で出会ってね。雄哉くんとの婚約って、ちょっとした虫よけのつもりだったの。なんか、ペットみたいで可愛かったし」
「そんな言い方は失礼だよ。悪かったね、君を利用したみたいで。だから、君を解放しようと思って、紗彩と君に会いに来たんだ」
良い人だ。真広さん、マジでいい人だ。いい人には思わず、礼を尽くしてしまうのは、きっと前世の記憶、自分のサラリーマン時代の世知辛い世渡り上手の所為だろうなぁーーくそぉーー!! お似合いだよ、紗彩さん!! く、こんなの祝福するしかないだろうが!! ああ、わかってるよ、分かってる。これくらい、自分でどうにかしろってんだろ。
ああああ、なんで、神様はこんな世知辛い世の中にしてくんだよ、こんちくしょーーー!!
四人に、ぽんと肩を叩かれ、別の意味で打ちひしがれているのに、慰められました。
悲しい、切ない……誰か、ホント、何とかしてください。
もう、自分、挫けそうです……。はい。




