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知らない間に攻略対象になってました  作者: 秋原かざや


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7/18

皇帝の許嫁作戦!!

 自分、だんだん追い詰められてるような気がしますが、今日も頑張って、彼らに接触することなく、逃げ回りながら過ごしています。

 そんなことしても平気な自分の状況に、少々ホッとしながらも……いや、コレ絶対に正常じゃないから!

 自分の、平穏な、世界をーぷりーず!!


 えっと、前回は四人一遍にというのが、やはり難しいんだと思う。

 ならば……二人のフラグを折っていこう。

 そう、二人ずつなら、なんとなる……ハズ!!


 今回注目したのは、女子達。

 なんとかならないかなー?


「どうかしたのか?」

 珍しく父が声をかけてきた。

「言い寄ってくる子が居てね、困ってるんだ。少し」

 本当は大分なんだけどな!

「お前には、許嫁がいるんだから、それを伝えてみたらどうだ?」



 え? それ、初耳なんですがぁあああああ!?


 自分、許嫁いたんですか、マジで!?

 それが本当なら、もしかしたら、一気に女子連中を黙らせることが出来るかも!!


「初耳なんですけど、父上!!」

「父上なんていうのが、初耳なんだが……前にも言ったぞ。お前には許嫁がいるって」

 自分はつんのめるように父上にくっつきながら、尋ねる。

「で、相手は、誰、ですかっ!!」

「ほら、お前も覚えているだろ? 昔、隣に住んでたご令嬢の相模紗彩さん」

「えっと……その人って……自分よりも……5歳年上だったような……」

 ものすごく優しかったお姉さんだ。ちょっとだけ、ペットを見るような瞳をしてたような気がしたけど、まあ、そんなことはどうでもいい。と思っていたら、父上が追加で教えてくれた。

「そう、形だけでいいから婚約してくれと言われたんだよ。まあ、家柄も悪くはないし、相模家に恩をうっておいても問題ないと思ってな。今は、紗彩さん、海外に留学中だよ。しばらくは帰ってこないとも言ってたぞ」


 ……そ・れ・だっ!!!


「ありがとう、父上!!!」

「お、おう?」


 これなら2人とは言わずに……そう! 4人のフラグをーーーへし折れるっ!! いやっほーーー!!!

 明日は良い日になりそうだっ!!!


 というわけで、自分。意気揚々と四人を纏めて、放課後に呼び出しました。

 なるべくなるべく、笑いだしたくなるのをぐっとこらえて、うん。真面目な顔真面目な顔っと。

「ど、どうしたの? 皇帝君」

「なんか、良いことがあったのか?」

「あら、他にもいらっしゃいましたのね。皇帝様、今度は二人っきりでお願いしたいですわ」

「それは私も同感です」

 と、例の四人組がやってきた。

 自分、緊張しながらも、口を開きました。笑わないように、極力真面目な顔で、残念そうな顔で。

「先日、知ったことなのだが……俺に許嫁がいる。相模紗彩さんだ。今は訳あって外国にいるから、追わぬように。相模さんに何かあれば、俺はお前達を即刻、敵と見なすぞ」

 …………決まった!!

 先生、やりましたよ……!! 完璧、完璧ですよっ!!

 ………………。

 …………………………あれ? なんで、自分の後ろを見て、驚いてるんすか?

 え、後ろ………………えっ?


「紗彩……さん?」

 待って、思考が追いつかないよ……誰か教えて、なんで……。


 なんで、その紗彩さんが、イケメンつれて、ここにいるんすかぁーーー!!!!?


「あ、雄哉くん。よかったぁーー。あなたに会えて。婚約破棄お願いしたいと思って」

「初めまして、柴崎真広っていいます。どうぞ、よろしく」

「あ、どうも」

「真広くんとは、留学先で出会ってね。雄哉くんとの婚約って、ちょっとした虫よけのつもりだったの。なんか、ペットみたいで可愛かったし」

「そんな言い方は失礼だよ。悪かったね、君を利用したみたいで。だから、君を解放しようと思って、紗彩と君に会いに来たんだ」

 良い人だ。真広さん、マジでいい人だ。いい人には思わず、礼を尽くしてしまうのは、きっと前世の記憶、自分のサラリーマン時代の世知辛い世渡り上手の所為だろうなぁーーくそぉーー!! お似合いだよ、紗彩さん!! く、こんなの祝福するしかないだろうが!! ああ、わかってるよ、分かってる。これくらい、自分でどうにかしろってんだろ。

 ああああ、なんで、神様はこんな世知辛い世の中にしてくんだよ、こんちくしょーーー!!


 四人に、ぽんと肩を叩かれ、別の意味で打ちひしがれているのに、慰められました。

 悲しい、切ない……誰か、ホント、何とかしてください。

 もう、自分、挫けそうです……。はい。

 


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