皇帝、風邪を引きました……
こんな風邪引くの久しぶりっす……。
今、自分は自宅の自室で、ぼんやりしてます。
まさか、瑠璃ちゃんを庇って、風邪をひくなんて、びっくりですよ。
ちなみに、風邪の症状は、熱にうなされるのが主で、喉が痛いとか咳や鼻水が酷いとかはあまりないのが幸い。それでも、熱でぼーっとするのと、さっきから頭痛が酷くてしんどいです。
へーくしっ。
「……風邪、大丈夫なのか?」
最初にお見舞いに来てくれたのは、涼だった。
「ああ、すまないな。けれど、この調子なら、明日には学校に行けるだろう。安心してくれ」
そう微笑むと、涼は安心した様子で、帰っていった。
「まさか、皇帝様が風邪をひくなんて思いませんでしたわ」
次にお見舞いに来てくれたのは、舞彩。
「俺もまさか、風邪にやられるとは思ってなかったよ」
思わず苦笑を浮かべる。
「早く戻ってきてくださいませ。学校では太陽が消えたようになって、ちょっと大変なのですよ」
「それは大変だ。明日はしっかり照らさないとな」
冗談交じりでそう言えば、舞彩も思わず笑ってくれて、安心したように足早に部屋を出ていく。
「……あの、私のせい……ですよね?」
次に来たのは、責任を感じている瑠璃だった。
「お前の所為じゃない。それに、お前を庇ったのは、俺の意志だ。気にするな……」
そういって、瑠璃の頭をぽんと撫でる。
「明日には治りそうだ。だから、気にするな。いいか、お前の所為じゃない。恨むなら、あの水に怒れ」
「ふふ、雄哉くん、たまに変な事言いますね」
「……俺はいつも通りなんだがな」
二人して笑って、そして、瑠璃は晴れやかな顔で部屋を出ていった。
「こんにちは。へんてこ雄哉くん」
「さーやちゃんっ!!」
思わず、身を乗り出してしまう。さーやちゃんが来てくれるだけで、風邪がぶっ飛ぶ気がするのは気のせいだろうか?
「けど、これで瑠璃ちゃんの好感度、100になっちゃったんじゃない?」
「…………えっ!?」
「だって、あのイベント……好感度アップのイベントだから」
「うわあ……マジか……」
よっこいしょっと、さーやちゃんは、自分の隣に座って、自分のウォッチを見てくれました。
「ちょ、ちょっとっ!! なにやってんのっ!? 瑠璃ちゃんだけでなく、3人の好感度が100になってるじゃない!!」
「え……えっと……おばあさんの指輪見つけたり、泣いてるのを励ましたりしたら……ダメだったっすか……?」
「…………それ、やっちゃった?」
「自分、やっちゃいました……」
がっくり凹む。マジか……油断ならないゲームだよ、コレ。
「まあ、仕方ないね。けど、蒼くんのイベントまだなんだ……あれだからかな?」
「あ、やらないように気を付けるんで、教えてくれませんかね、それ」
「そうだね、蒼くんのイベントは……退魔師に覚醒するイベントなんだ」
「……た、退魔師!?」
「うん、蒼くん、正当な後継者だからね。それを気にしているから、励ましちゃだめだよ?」
「…………が、頑張るっす……」
「まあ、それでも、万が一、伝奇モードもとい、18禁モードになったら、負けなければエロい展開にならないから、勝ち続ければ大丈夫だよ。たぶんね」
「そ、それ……自分、大丈夫なんでしょうかねー?」
落ち込む自分にさーやちゃんは言ってくれました。
「蒼くん以外で、退魔師なのは、雄哉くんだけだからね」
「……えっ……自分、退魔師なんすか!?」
さーやちゃんは、うんと頷いてくれた。
「蒼くんは、日本の陰陽師の血筋なんだけど、雄哉くんの方は、西洋の魔術師の系統みたいだよ。蒼くんは伝統ある刀で戦うんだけど、雄哉くんの場合は、ド派手な魔法でばしばし敵を倒す感じ。一応、ステータス見せてくれる?」
「そんな魔術師っぽい数値とかスキルとか出て来てないっすけど……」
「!!!?」
「さーやちゃん?」
「ナニコレ……魔力が、2000ある……」
「おお、なんかすごい桁っすね!」
「すごいってもんじゃないよっ!! 普通は三桁で、最高が999なの!! なんで、限界突破して、2000もあるわけ!?」
「いや……流石にそれは自分にもさっぱり……魔力関連のスキルとか取ってないですし……って、ことは……もしかして、自分、最強ですか!!」
俄然、やる気が出てきた!!
「暴走しやすいね」
「なんすか、それーーー!!!!」
せっかく魔力があるのに、そんなん、酷いーーー!!
「999にしたら、暴走しやすくなるから、その手前で止めて、ガンガン使うのがセオリーなんだけど……さすがはへんてこ雄哉くん。一筋縄ではいかないね。確か、制御用のリングとか売ってたはずだから、それ買って装備しよう」
「あ、そういうアイテムあるんっすね!」
「まあ、とにかく!! 蒼くんには、接触しないこと!! いいね?」
「了解っ!!」
こうして、秘密会議は終了したのでした。
……って、退魔師って、魔力2000って、3人の好感度が100で18禁モードにリーチだなんて……前途多難なんですけどっ!!
自分の未来、どうなっちゃうんでしょーーか!!!




