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知らない間に攻略対象になってました  作者: 秋原かざや


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14/18

皇帝と瑠璃のカンケイ

 最近、なんだか追われることが少なくなったような……気のせいっすかね?

 と思ったら!!


 ばっしゃーーんっ!!

「あら、いい気味! 濡れちゃったわね!!」

 あ、知らないお姉さんだ。これって、舞彩の役割じゃないのかーー?

 んん? 水掛けられたのって…………ええええ、瑠璃ちゃんじゃんっ!!!

「あなたには、関係ないことです……帰ってください」

 お、瑠璃ちゃん、頑張ってる!!

「ふん、なら、もう一杯、被ってみてはいかがかしら? ほら…………」


 ばしゃーーーーんっ!!

「えっ……皇帝、様……!?」

「今日は暑いから、丁度いいな。なあ、瑠璃?」

「え……どう、して……?」

 驚く瑠璃に自分は続けます。

「どうしてって……ムカついたから? こういう弱い者いじめは嫌いなんだよな。見るのもやるのもな」

 瑠璃は気づいた。皇帝の周りに絶対零度の恐ろしいオーラを感じるのを。

「それに知ってる友人を傷つけるやつは、特にイラつく……さて、どうしてこうなったか聞かせてくれるか?」

「る、瑠璃さんがいけないのよっ!! あの三人と仲良くなったり、皇帝様とも仲良くなったり……」

「それで嫌がらせか……最低だな、お前」

「っ……!!!」

 ふうっと、自分、ため息を零しました。本当にむかむかする。殺してやろうかと思ってしまったけれど、思わなかったことにします。はい。

「それで、満足するか? しないよな? なら、お前も瑠璃みたく、俺にアタックしてこいよ」

「そ、それは無理……」

「なら、瑠璃を貶める理由にはならないな? なにせ、瑠璃は、俺に何度も挫けずぶつかって来るからな。それだけで、お前との差は歴然だ。そうだろう?」

 後ろにいる瑠璃に同意を求めるように声をかけるが、瑠璃は静かにしている。

「まあいい。もし、次に瑠璃をいじめるのであれば……」

 ずいっと前に出て、瞳を細めた。ふっと笑みを浮かべて。

「俺も容赦しない。わかったならさっさと行け」

「は、はいいいいいいっ!!!!」

 そういって、見知らぬお姉さんたちは逃げていった。ふー、これで終わってよかったーー!!


「……どうして、助けてくれたんですか?」

「助けるのに理由が必要か? 俺はただ、したいようにしただけだ」

 その言葉に瑠璃は息を呑む。

「ほら……」

「えっ……」

 自分はそのまま、自分の制服の上着を貸しました。女の子が風邪ひいたら元も子もないし。

「濡れてしまったが、それでも、こうしていれば暖かいはずだ。保健室にジャージとか替えを借りられるはず。もらってこい」

「でも、皇帝……ううん、雄哉くんは……?」

「もう帰るよ。なんか疲れたし。瑠璃もさっさと着替えて帰れよ。風邪ひくから」

 そういって、颯爽と自分、帰りました。

 …………翌日、盛大に風邪ひいて……。マジかよ……。


「へっくしっ!! まあ、これでちょっとはすっとしたな……」

 ちょっぴり満足げな笑みを浮かべつつ。

「あっ!? ま、まさか……なぁ……ははは、これって好感度アップなイベント……じゃないよな?」

 自分、まだこの深刻さに気付いていませんでした。


 ぴこん。

『林葉瑠璃との好感度が100になりました』。

 


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