皇帝と瑠璃のカンケイ
最近、なんだか追われることが少なくなったような……気のせいっすかね?
と思ったら!!
ばっしゃーーんっ!!
「あら、いい気味! 濡れちゃったわね!!」
あ、知らないお姉さんだ。これって、舞彩の役割じゃないのかーー?
んん? 水掛けられたのって…………ええええ、瑠璃ちゃんじゃんっ!!!
「あなたには、関係ないことです……帰ってください」
お、瑠璃ちゃん、頑張ってる!!
「ふん、なら、もう一杯、被ってみてはいかがかしら? ほら…………」
ばしゃーーーーんっ!!
「えっ……皇帝、様……!?」
「今日は暑いから、丁度いいな。なあ、瑠璃?」
「え……どう、して……?」
驚く瑠璃に自分は続けます。
「どうしてって……ムカついたから? こういう弱い者いじめは嫌いなんだよな。見るのもやるのもな」
瑠璃は気づいた。皇帝の周りに絶対零度の恐ろしいオーラを感じるのを。
「それに知ってる友人を傷つけるやつは、特にイラつく……さて、どうしてこうなったか聞かせてくれるか?」
「る、瑠璃さんがいけないのよっ!! あの三人と仲良くなったり、皇帝様とも仲良くなったり……」
「それで嫌がらせか……最低だな、お前」
「っ……!!!」
ふうっと、自分、ため息を零しました。本当にむかむかする。殺してやろうかと思ってしまったけれど、思わなかったことにします。はい。
「それで、満足するか? しないよな? なら、お前も瑠璃みたく、俺にアタックしてこいよ」
「そ、それは無理……」
「なら、瑠璃を貶める理由にはならないな? なにせ、瑠璃は、俺に何度も挫けずぶつかって来るからな。それだけで、お前との差は歴然だ。そうだろう?」
後ろにいる瑠璃に同意を求めるように声をかけるが、瑠璃は静かにしている。
「まあいい。もし、次に瑠璃をいじめるのであれば……」
ずいっと前に出て、瞳を細めた。ふっと笑みを浮かべて。
「俺も容赦しない。わかったならさっさと行け」
「は、はいいいいいいっ!!!!」
そういって、見知らぬお姉さんたちは逃げていった。ふー、これで終わってよかったーー!!
「……どうして、助けてくれたんですか?」
「助けるのに理由が必要か? 俺はただ、したいようにしただけだ」
その言葉に瑠璃は息を呑む。
「ほら……」
「えっ……」
自分はそのまま、自分の制服の上着を貸しました。女の子が風邪ひいたら元も子もないし。
「濡れてしまったが、それでも、こうしていれば暖かいはずだ。保健室にジャージとか替えを借りられるはず。もらってこい」
「でも、皇帝……ううん、雄哉くんは……?」
「もう帰るよ。なんか疲れたし。瑠璃もさっさと着替えて帰れよ。風邪ひくから」
そういって、颯爽と自分、帰りました。
…………翌日、盛大に風邪ひいて……。マジかよ……。
「へっくしっ!! まあ、これでちょっとはすっとしたな……」
ちょっぴり満足げな笑みを浮かべつつ。
「あっ!? ま、まさか……なぁ……ははは、これって好感度アップなイベント……じゃないよな?」
自分、まだこの深刻さに気付いていませんでした。
ぴこん。
『林葉瑠璃との好感度が100になりました』。




