表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
現代のダンジョン化が始まる前に  作者: 一ノ瀬るちあ/エルティ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

51/55

第51話 尖兵

 精霊(エレメンタル)のアイからいろいろ話は聞いたけど、結局話の帰着点は同じなわけで、それはつまり。


精霊(エレメンタル)を異界の魔物がさらってるのはわかったけど、どうやって救い出すんだ?」


 この一点に限る。


 どこに連れ去られたかもわからない。

 仮にわかったとしても、異界に連れ戻されていた場合は異界に乗り込むすべがない。


 それに、懸念点だってある。


「そもそも、異界の奴らはどうやって精霊(エレメンタル)を探し出してるんだ。ダンジョンがある限り、モンスターはダンジョンに召集されるんじゃないのか?」


 俺の懸念。

 アイに聞いた話だと、ダンジョンは精霊(エレメンタル)の技術力をもとに作られたという話だった。

 そして異世界側には、元精霊(エレメンタル)妖精(フェアリー)がいる。


 つまり、ダンジョンに対抗しうるだけの技術を編み出していたとしても不思議ではないわけで――


「それはたぶん、妖精(フェアリー)たちが何らかの対抗措置を施したんだと思う」

「やっぱりか」

「でも、ダンジョンの防衛機能は基本的に作動してる。量産できるタイプの技術じゃないか、それとも適性が必要なのか。どちらにせよ、一度に多くのモンスターを相手にすることは――」

「なあ、アイ」


 言葉を遮り、疑問を投げかけた。


「異界のモンスターたちは、地球にあるものより強力なコード:拡張(エクステンド)シリーズを手にしているんじゃないか?」

「……っ」

「そうなんだな?」


 言葉を詰まらせたアイに確信する。


「……かろうじて難を逃れた仲間が言うには、コード:覚醒(アウェイクン)同等の錠前を使っていたらしいわ」

「コード:覚醒(アウェイクン)って、おま――」


 刹那、脳裏にバチリと電流が走った。

 そこから背筋にかけて悪寒が走り、形容しがたい不安がこみあげてきた。


「――四次元フィールド‼」


 嫌な予感に従って、俺とルナ、そしてアイを含む空間を四次元フィールドで切り取り、絶対の盾とする。

 フィールドはここから地球の中心に向かって垂直に柱を伸ばすイメージで展開したので、フィールドが解除された後も地球との相対座標にズレは発生しない。


 ゆえに、フィールドを展開する前と展開した後で、広がる光景に違いは生まれない。

 はずだった。


「……な、なに⁉ 何が起こったの⁉」


 次の瞬間、俺たちは野外にいた。

 先ほどまで室内にいたにもかかわらず、だ。


 そして、周囲の地面は俺たちのいた地点を除いて、スプーンで救ったかのように抉り抜かれている。


 困惑するアイ。


「マスター」

「わかってる」


 臨戦態勢に入る俺とルナ。


 そして――


「ゼハハ! 詰まんねえ仕事だと思ったが、おもしれえ技使うじゃねえか、異世界人‼」


 その抉れた地面の先端に、一匹の魔物が二本足で立っていた。


 蛇のような瞳に、太く鋭利な尻尾。

 コウモリのような膜翼、猛禽類のように鋭い爪。

 そして、雪男のように巨大な体躯。


――――――――――――――――――――

言語理解Lv10発動

――――――――――――――――――――

龍人語を習得しました

――――――――――――――――――――


「名を遺せ」


 ドラゴニュートがそこにいた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
応援は↑の☆☆☆☆☆を★★★★★にしていただけると
筆者の励みになります!

READ ME
エロゲのモブには荷が重い

カクヨム版
現代のダンジョン化が始まる前に ~事前にレベル上げをしていた俺は、ダンジョン化した世界でも余裕です~
現代のダンジョン化が始まる前に ~事前にレベル上げをしていた俺は、ダンジョン化した世界でも余裕です~
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ