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【コミックス2巻発売中!】転生幼女は前世で助けた精霊たちに懐かれる  作者: えぞぎんぎつね
四章

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157 やってきた鳥達

 あたしは、みんなを起こさないよう静かに寝台から出ると窓へと向かう。

 そして、ゆっくりと音をたてないように窓を開けた。


「ほっほ~」


 すると、部屋の中に守護獣の二十羽の鳥達が入ってくる。

 それは、大公家の屋敷にある鳥小屋に住んでいる守護獣の鳥達だ。


「鳥たち。きてくれたの? あ、いまみんな寝てるから、しずかにな?」

「…………」


 鳥たちはすぐに静かになった。

 大公家の鳥小屋に住んでいるのは、フクロウ、鷹、鷲、鳩、雀、オウムなどだ。

 全部で三十羽を超えている。


「…………ほ」

「そっか、十羽ぐらいお屋敷に残ったんだな?」


 鳥達の中には、子供が生まれたりした者もいる。

 全員でこちらにこれるわけではないのだ。


「でも、ついてきてくれて嬉しい」

「…………」


 二十羽の鳥達は無言であたしに体を押しつけて甘えてきた。

 だから、あたしも鳥達のことを優しく撫でる。


「……ほ」

「あ、ヤギたちも来てるのか?」


 あたしは鳥達に教えてもらって、窓から森の方を見た。

 森は屋敷を囲む金属製の柵を越えた先にある。


「いた」


 まるで湖畔の別邸にいたときのようだ。

 巨大なヤギ、猪、牛が木々の間から、こちらを見つめていた。


 あたしはヤギたちに向かって無言で手を振る。

 ヤギの尻尾がぶんぶんと揺れる。猪と牛の尻尾は見えないがきっと振っているに違いない。


「えっとな、ダーウがずっと走っていたでしょ?」

「…………」

「それで筋肉痛になって、つかれて風邪をひいちゃったみたい」

「……ほ」

「だいじょうぶ。もうだいぶ元気になったみたいだし」


 先ほども遊ぼうと言っていたぐらいだ。


 今は昼にもなっていない。

 朝起きたときには、風邪をひいた、全身が痛いと言っていたのに、もう回復しているのだ。


「ダーウはやっぱりすごいな」

「……ほ」

「ダーウが元気になったら、またあそぼうな?」

「ほほ」


 鳥達は部屋を汚さないよう気を遣ったのか、挨拶を済ませると飛びたっていった。


「鳥たち、みんな静かだったな」


 羽音も静かだった。普通の鳥はもっとバサバサうるさいものだ。

 そのおかげでスイもサラもロアもダーウも、みんな気持ちよさそうに眠っている。


「守護獣だからか?」


 羽音が静かなだけじゃなく、飛び立った後に糞も脂粉も落ちていない。

 普通、鳥はうんちを我慢できないので、垂れ流すものだ。


 飛ぶために体を軽くするため、溜めないで出してしまうのだろう。


「そういえば、コルコも、そこら中でうんちしないな?」

「こ?」


 コルコも鳥なのに、うんちをちゃんとトイレでするのだ。


「えらいえらい」

「こここ」


 あたしはコルコを撫でまくった。


「コルコのとさか、やわらかいな?」


 ぷにぷにして気持ちが良い。ダーウの肉球の感触に少し似ているかもしれない。


「コルコ、キャロ、お昼寝しよ」

「ここ」「きゅきゅ」


 あたしはコルコとキャロを抱っこして、寝台にあがる。


「いいこ、コルコはいいこ、キャロもいいこ」


 撫でまくっていると、スイに抱きついていたロアが目をうっすら開ける。

 そしてパタパタ飛んであたしの顔に抱きついた。


「……ロアはかおがすきだな?」

「……り」


 もうロアは寝息を立て始めた。

 あたしが寝台に乗った振動で、一瞬起きただけだったのだろう。


「ロアもいいこ」


 ロアを優しく撫でながら、顔から外して抱っこする。


「ダーウもいいこ」


 ついでに、ダーウのお腹も撫でておいた。


 そうしているうちに、あたしも眠くなってくる。


 その日は、ご飯のとき以外、寝台の上でごろごろして過ごしたのだった。

 夕方頃には、ダーウはすっかり元気になったが、一応夜ご飯も部屋で食べた。

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― 新着の感想 ―
更新お疲れ様です&ありがとうございます よかった。身内でしたか……というか、みんなして行ったり来たり大変だろうにね ダーウもなんともないようで……いや、何かあっても普通の犬じゃないから指標にできな…
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