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幼なじみを庇ったら幼なじみと親友の娘になりました  作者: ふきゆきのした
2章 銀髪幼女の生活 ~~中学生編~~
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第70話 オカルト部活動 ~~遺跡調査編~~


 午後の授業も終わり、部活が始まった。


「というわけで今日は遺跡に行ってみようと思う!」


 まず、どういうわけか説明してもらおうか。


「遺跡なんてどこにあるのよ」

「……誰か知らない?」


 誰かとか言ってるけど、今日は俺と部長と日向先輩だけだぞ? 音色先輩は最近見ないけど……まさか伝説の病(厨二病)が治って来るのが恥ずかしくなったのか?


「え? 知らないんですか? 学校の裏山にありますよ?」

「「え?」」


 というわけで学校の裏山に移動した。


「お前コートの中身整理するつもりないだろ」

「うっ……だって面倒なんだもん」

「こんなところに遺跡があったなんて知らなかったわ」


 確かここは鎌倉時代ぐらいに出来た謎の多い遺跡なのだが、街に住んでいるごく一部の人間しか知らない上に車も使用出来ず、学校の敷地を通らなければ来られない山道のため、来るヒトも居ない。ちなみに俺がここを知ってる理由はみんな大好きチーターの小鳥様が教えてくれた。


「まあ行こうぜ」


 俺たちは遺跡の中に入った。


「少し寒いわね」

「そうだな」

「確かに少し寒いね。何かあるといいね♪」

「そう……ですね……」

「イリスちゃんどうしたんだ?」


 あはは、おかしいな。今日来た人数は3人のはずなのに今の会話の流れ、どう考えても4人居たような気がするな。





「いえ、なんでもないです」←イリス

「そうか? ならいいが……」←日向先輩

「イリスちゃんは心配性なんだね♪」←???

「そうね……ん? 気のせいかしら……」←部長


 声は聞こえてるのかよ……怖いな。ただの幽霊なのに一般人まで声が聞こえてるとか、今までで1番ヤバいんじゃないか? G? なにそれ?


「部長どうしました?」

「いえ、なんでもないわ。別れ道ね。どうしましょうか? 取り敢えず日向はそっち行きなさい。私とイリスちゃんはこっちね」

「俺ボッチ!? まあ、仕方ない。取り敢えず10分後にここ集合で頼むぞ」

「わかりました。では日向先輩、ボッチ頑張って!」

「ちくしょーーっ!!!」


 俺と部長は日向先輩と別れて、右の道に進んだ。そして、四人目のヒトもこっちについて来ている。

 あっち行けばよかったのに……いや、行かれても日向先輩居るから困るけどさ。


「そろそろいいかしら? はっ!」

「Gを捕らえし禁断の檻!!」


 部長が何かを幽霊に向かって投げ、それと同時に俺は地上最強の式神Gを捕らえし禁断の檻(ゴキ◯リホイホイ)を投げた。


べちゃっ!


 部長の攻撃はかわしたが、俺の式神は避けられなかったようだ。


「ふふふ、まさか二人とも見えてたなんてね。にしてもこれ取れないね。どうしましょうか?」


 ふっ、Gを捕らえし禁断の檻は最強なのだ! 貴様ごときに破れる結界ではないのだ! アー◯製薬ナメんな!


「でもこれぐらい大したことないわ。久しぶりの客人だし、ゆっくり調理してあげるね♪」


 幽霊は何処からか刃物を出してきた。


「ひっ!」


 俺はあの時(殺された時)の記憶が蘇り、自分のぴったんこな左胸を両手で抑えこんだ。

 俺はこの時、刃物を見たのは生まれて初めてだったということに気づかされた。


「イリスちゃん?(凄い震えてるわ……安心させてあげないと)大丈夫よ。私が守ってあげるからね」


 部長は俺を()(かか)えて走り出した。


「はぁはぁ……」

「イリスちゃん……刃物が怖かったのね(今のイリスちゃんは普通ではないことは確か。それは見ればわかる。そんなに刃物を怯えるなんてイリスちゃんは一体何を私たちに隠してるの? 取り敢えず今はアイツを何とかしないと)」


 怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い……


 っていう文章が怖い! ふぅ、精神的には大分落ち着いたけど、身体の方は震えてるな。恐らく俺の知らない部分が怯えてるのだろう。


「(取り敢えず日向と合流して早く帰らないと)」

『はやく逃げないと料理されちゃうよ? あはは! 捕まえ』

キンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンっ!!

『え?』


 何者かが、幽霊の攻撃を弾いた。

 ……いま何回弾いた? というかなろう小説のやってはいけない戦闘シーンのヤツやん。


「イリスちゃん大丈夫!?」

「よう……ねえ……?」


 そこには葉姉に似たフードを被った女の子がいた。

 その攻撃を弾く時に鳴らした音の鳴らし方を教えてくれない?


「時間なら稼いであげるから早く逃げて!」

「……わかったわ」


 部長は俺たちが別れた場所に向かって走り出した。

 そして日向先輩と合流した。


「日向! イリスちゃんの様子がおかしいわ! 早く帰るわよ!」

「はぁはぁ……」

「わかった! 俺が運ぶから貸せ! 大丈夫か? しっかりしろ。すぐに病院まで送るからな」


 ひなたせんぱい……はっ! いかんいかん! 俺はホモじゃないんだ。しかも相手は胸のためにオカルトやってるやつだぞ。しっかりしろ、俺!

 俺は日向先輩によって病院まで送られた。


「はぁはぁ……」

「イリス! しっかりしろ!」


 その時、俺の口が勝手に動いた。


「しょうご……ありさを……たのむぞ……」

「え?」


 そこで俺の意識は途絶えた。





「どうしてイリスがその言葉を……」







~~イリスたち撤退後のお話~~


「お前は既に負けている!」

『どうしてそんなことが言えるの?』

「間違えなく敗因はそれ……」


 女の子が指さしたもの……それはイリスが投げた最強兵器『Gを捕らえし禁断の檻』だった。


『こんなものでどうやって! ……ん?』

『G?』

『いやああああああああああっ!!!』


 女の子は幽霊を残してそのまま撤退していった。


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