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幼なじみを庇ったら幼なじみと親友の娘になりました  作者: ふきゆきのした
2章 銀髪幼女の生活 ~~中学生編~~
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第64話 お泊まり勉強会 3


 目が覚めたら8時だった。


「遅刻する! 光ちゃん起きて! 月美ちゃんも!」

「あと30分……」

スパーンっ!

「それ遅刻確定!」


 俺は光ちゃんをマイハリセンで叩きまくって、無理やり起こした。さすがに月美ちゃんにそこまでやる勇気はないので、普通に起こす。


「イリスちゃんがキスしてくれたら起きる~」

「いってきまーす」

「起きるから置いて行かないで!」


 思ってたよりもチョロいな。

 それから学校まで光ちゃんが俺を抱っこして走り、ギリギリで間に合った。


「はぁはぁ……セーフ……」

「ありがと光ちゃん」


 俺は軽く礼を済ませて席に着く。


キーンコーンカーンコーンキーンコーンカーンコーン!

「ホームルーム始めるわよ」


 小鳥が教室に入ってきた。そういえば月美ちゃんは?


ガラッ!

「せーふ!」

「アウトよ? じゃあみんなテスト頑張って、以上! はい、勉強していいよ」


 ホームルームが一瞬!


「三日月さん、今回は大目に見てあげるわ」

「ありがとうございます!」



 それから少しして国語のテストが始まった。



 ……あれ? 俺の名前の漢字ってどうやって書くんだっけ? おかしいな。めっちゃ簡単なはずなのに忘れた。「しらいし」ってどうやって書くんだっけ……まあひらがなでいいか。さて問題は…………何もわからねー



 数十分後……



 何も埋まらないから適当に記号問題を答えただけという絶望。どうすればいいんだ……ひらがなで書いてたらワンチャン点数貰えるんじゃね?


 こうして俺のテストは終わった。数学は余裕でした。


「じゃあ明日は英語だけだけど、手を抜かないでください! 以上!」


 今日は俺の家で勉強会か……まあ、英語はある程度できるからな。天文学者には英語必須だから、今回は大丈夫だ。ついでに言うと元母さんは耳が聴こえなかったから手話もできるぞ。







「イリスちゃんはなんでできるやつと出来ないやつの差がこんなに酷いの……」

「知らないよ。ほら、そこは三人称単数だよ」


 俺は二人に教えながらゴロゴロとしていた。


「イリスちゃんの部屋でどこまで耐久できるか決戦ももうすぐ終わりそうだね? 月美ちゃん無理しなくていいんだよ?」

「何を言ってるの? まだまだ余裕よ。光ちゃんこそ凄い汗よ?」


 なんでこの二人は俺の部屋で勉強するんだよ。リビングでやればいいものを……


「イリスちゃん、そろそろ夕飯の準備するよ」

「はーい、じゃあ二人とも無理はしないようにね?」

「「うん、余裕」」


 どこがだよ……汗まみれじゃねーか。


「ちゃんと水は飲んでよ?」


 俺は部屋から出て小鳥のいる台所に向かう。


「じゃあ一緒に作ろうか。まずそこに塩あるから10gあるか確めてくれる?」

「わかった」


 俺は塩を(はか)りに乗せる。


「あったよ」

「はい、イリスちゃんアウトー」

「ふえっ!?」


 なんで!? ちゃんと10g計ったぞ!?


「塩をそのまま計りに乗せるやつがあるか! 横にある空のカップを計ってから、リセットボタンを押して、塩の入ったカップを計るの! これぐらい常識よ!」


 え? そうなのか?


「そうに決まってるでしょ!」


 シンプルに心読むな!


「まあイリスちゃんだし仕方ないね。卵を混ぜてくれる? これぐらいならできるでしょ?」

「うん! 任せてよ!」


 俺は卵を混ぜ始めた。


「ちょっ! 泡立ってる泡立ってる!」

「え?」

「イリスちゃん、これぐらいは気をつけてよ……いい? 卵はこんな風に切るように混ぜるの。ほらやってみて」


 なんでシャカシャカ鳴らせるんだよ……そんなの無理に……出来た!


「学習すると上手いわね……そういえば社会の先生から聞いたわよ? イリスちゃん、殆ど空欄で出したんだって?」

「うっ」


 俺の手が止まる。なぜ今その話題を持ってきたんだ。


「このままだと夏休み補習あるわよ?」

「マジで?」

「逆になんでないと思ったの? イリスちゃん0点よ?」


 0点だったかぁ……高校受験の内申点に響くな。


「教えてあげようか?」


 ……コイツに教わるのは尺だが、留年してアリサたちに迷惑掛けるのは嫌だしな。それにアリスにだけはバカにされたくない!


「お願いします」

「素直でよろしい。じゃあ明日から放課後居残りね」


 まあいいよ。どうせ暇だしな。


「じゃあ次は調味料を入れたら卵焼いてね。火は気をつけてよ?」

「別に触っても火傷しないよ?」

「そうね。でも引火は困るからやめてよ?」


 火は中央を触らない限りは火傷しないのだ。この身体は寒さに耐性がない分、熱には強いのだ。


「わかってるよ」


 俺は卵焼き器にサラダ油を入れて温めてている間に調味料を入れて準備をする。そして温まったら卵をぶちこみ、焼く。そして適当な所でひっくり返す。


「なかなか上手いじゃない。料理人でも目指せば?」

「私は天文学者になるの!」

「はいはい、変わってないねー」

「とうぜん!」


 天文学者以外に何になるというのだ! 天文学こそ最高な学問なのだ! その下に物理だの化学だのがあって生物、地学があり、数学がある。そしてさらに下に行くことで文系がある。その下をいくと体育という謎の科目があると俺は考えてる。むしろそれ以外の考えなど外道!


「はい完成」

「ちょっと味見するね……うん、完璧。でも本当に料理するときは気をつけてよ? 特に塩と砂糖」


 そうだな。俺の中のアリサ遺伝子が塩と砂糖を間違えそうだから気をつけないとな。


「二人ともご飯できたよ! って大丈夫!?」


 部屋の中で二人仲良く倒れていた。


「いりす……ちゃん……光はまだよゆう……」


 もう無理だろ! 諦めろ!?


「小鳥お姉ちゃん!」

「はいはい……よいしょ」


 小鳥は光ちゃんと月美ちゃんを持ち上げて部屋の外に出した。


「え? なに?」

「いや、別に……」


 中学生とはいえ、女の子二人を軽々と持ち上げたコイツは一体……やはりチートか!


「チートじゃないわよ!」

「ただいま……お姉ちゃん居たんだ」


 あっ! 主要キャラクターのはずなのに出番が少ないやつランキング第1位の白石 アリス様だ! え? 朱音? アイツはモブだろ?

 

「なんか失礼なこと考えてない?」

「き、気のせいだよ」

「ふーん……今日は焼き鮭じゃないんだ」


 ツライわー2日も鮭が食えないとか禁断症状でちゃうわー


「イリスちゃん、焼き鮭はしばらくお預けね」

「……はい?」

「だってテストの点数がよろしくないダメダメな娘にご褒美なんていらないじゃない」


 それをやった瞬間に俺は社会の産業廃棄物とかすと思えよ?


「まあイリスちゃんは高校行けなくてもたくさんのロリコン(おじさま)がいるからそっちの道で生きていけるよ」

「ヤメロ!」


 その道だけは絶対にないからな!?


「小鳥姉さん、お腹空いた」

「はいはい、じゃあ食べよっか?」

「「「いただきます!」」」


 ……あれ? アリサはどこ行った? 










「んー! んんー! んんんー!!!(ここどこ!? 小鳥居るんでしょ! 早く解放しなさい!)」

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― 新着の感想 ―
[一言] …迷惑かけないようにあらかじめ縛ったか(^^;
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