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幼なじみを庇ったら幼なじみと親友の娘になりました  作者: ふきゆきのした
2章 銀髪幼女の生活 ~~中学生編~~
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第48話 オカルト部の勧誘は怖いもの


 と、とりあえずどうすればいいんだ……保健室までは運べないし、逃げるのもあと味悪いし……えっとえっと……はっ! 膝枕したら何でも許してくれるというお決まりがあったな! よし、それで行こう!


「よいしょ……これでいいのかな?」

「くわっ!」

「ぴゃあ!」


 な、なんなんだよ……いきなり目を開きやがって! こえーよ!


「ん? この体制は……膝枕か! 麗しの幼女よ! ありがとう! 私の部活に入らないかい?」


 やべー頭打っておかしくなってやがる……さっきまであんなに(変態)紳士的? だったのに……


「……ひかれてるな。すまんすまん、ほんの冗談だ。俺は巨乳派だからな。にしても……そんな格好で暑くないのか?」


 俺に質問をするな! ……と言いたかった。


「私、コートがないと死んじゃうんです。先ほどはありがとうございました。そしてすいませんでした」

「気にするな、俺が余計なことを言っちまったからな。こっちこそ悪かったな。良かったら俺の所属してる部活に来ないか? オカルト部をやってるんだ。これも何かの縁だと思うしな」


 オカルト部? ……啓介が頭に出てきたな。せっかくだし、啓介の除霊方法を知るために入ろう。紳士的な先輩も居るしな。


「はい!」

「決まりだな。じゃあついてきてくれ」


 俺は先輩について行った。


「はぁはぁ……」

「……大丈夫か? まだ1階と2階の踊り場だぞ?」


 おのれ部室棟の階段……許すまじ……


「すぐそこだが、頑張れるか?」

「はい……きゃ!?」

「おっと! おんぶしてやるか。ほら」


 大丈夫だ……まだドジだなんてバレてない。

俺は先輩に掴まって、部室まで運んで貰った。


「みんな聞いてくれ! このオカルト部に新しい部員が来たぞ!」


 扉を開け、俺が目にした光景は両手に包帯を巻いて、眼帯をした女の人と、パソコンをいじってる女の人、そして、1人カードゲームをしている男の人だった。


「あっそう」


 それだけ!?


「ん? なんだ幼女か。巨乳を連れてこいよ。『巨乳神 ボイン』で『絶壁神 マナイタ』を破壊……『巨乳』と戦闘する時のみ『マナイタ』の攻撃力が10倍になる? そんなバカな!? 俺の巨乳神がぁぁぁ!!! というかライフ全部持ってかれたぁぁぁぁ!!!」

「気持ちはわかるが残念ながら巨乳は中1には居ないだろ」


 ……何故だろうか? この二人を殴りたい。


「我が同胞か? ようこそ来たな! 我が名は漆黒のヴァンパイアであるヴァンパイアネイロである!」


 痛い! 痛すぎる!


「悪いなこんな奴らしか居なくて……」


 ……なんだこの部活。まあ、今までのよりは遥かにマシだな。


「えっと、パソコンで性格診断してるやつが部長の高井良 雪で、厨二が秋田 音色、そして俺が日向 太陽だ。よろしくな」

「おい! 俺のことを忘れるな! 藤木 智也だ! コイツと同じく巨乳好きだ! よろしく」


 そうか、じゃあ帰るか。


「おっと! 逃がさないぞ! 見ての通りここはオカルト部だ。オカルトらしいことを一切しないコイツらとは違って君は色んなことをしてくれそうだ。だから俺とオカルトしようぜ!」


 意味がわからん……オカルトするってどういうことだよ。しかも何でこんな部活やってんだよ……


「私の胸のためよ」

「……むね?」

「待って、これは違っ……」

「コイツ、私の胸を揉むためにオカルトやってるのよ」

「むねを……揉む……の?」


 まあ、うん。思春期男子だし、当然ちゃ当然の思考だが、胸のためにオカルトは少しひくぞ……


「これには深い事実があってな。 それはな…………」


 ……どこかでこのやり取りを見たことがあるような気がするが気のせいだろう。ちなみにこの先輩がオカルトをやる理由は胸が揉みたいだけだったそうです。

 その胸を揉むにはオカルトの存在を証明しなければならないと、これまた何処かで見覚えのある展開だった。


ガチャ

「あら? イリスちゃん、ここに居たんだ」

「月美さん……」

「「はっ! 中1で巨乳……だと……っ!? 好きだ! 付き合ってくれ!」」


 はやっ!? コイツらなんなんだよ。1度でいいから殴らせろ!


「嫌です」

「「グハッ!」」

バタンっ!


 まあ、当然の結果だな。むしろ何故OK出ると思った?


「イリスちゃん入るの?」

「え? いや、入らなくていいかなって思った」


 早く逃げたいなぁ……


「おい、さっきと話が違うだろ! そこの君も一緒に入るんだ!」


 仕方ない、この手はあまり使いたくなかったが……


「月美お姉ちゃん……怖いよ……」

「っ!? それではさよ、おなら!!」


 ノリが最早小学生レベル!! 品がない!


「……冗談です。すいませんでした。それでは失礼」


 謝るのか……

 月美さんが扉を開けようとしたが、扉は開かなかった。


「ふははははははははっ!! 抜かったな! ここは()()()()()()なのだ! 中からは()()()開けられない! さあ、ここにサインを!」


 変態紳士である先輩が入部届けを何処からか出してきたのでとりあえず『sin』を書いた。


「ちっがーう!! 俺が頼んだのは署名だ! 誰が数式書けなんて言った! ほら、やり直し!」


 だから何処から出してるんだよ。お前の背中には無限に入部届けが入ってるのか?

 その後、無理やり入部届けを書かされた俺と月美さんはオカルト部に入部することになった。

 ……オカルト部の勧誘怖いわー


「ところでイリスちゃん、どうやって……帰るの?」


 そういえば扉はオートロックだったな。


「……え? 先輩?」


 何故に先輩は土下座をしてるんだ?


「「ま、まさか……あははは……」」

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