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幼なじみを庇ったら幼なじみと親友の娘になりました  作者: ふきゆきのした
2章 銀髪幼女の生活 ~~中学生編~~
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第47話 新しいお友達は三日月のお月様


 今日は光ちゃんと中学校に向かうことになった。まあ、隣だしな。なんで昨日が一緒じゃないのか気になるな。


「おまたせじゃあ行こっか、イリスちゃん」

「うん、じゃあ……」

「はいはい、わかってるよ。よいしょ……」


 光ちゃんは俺を抱き上げ、歩き始めた。

ホントいくら体格差があるとは言ってもまだ中1の女の子なのに何処にそんな力があるんだよ……自衛隊か? それなら仕方ないな。


「あっ! 五十鈴さんまたイリスちゃんと仲良くしてます!」


 げっ! モブがもう来やがった!


「あっ、私モブじゃないですよ? 中学生編のメインキャラです!」

「何を言ってるの?」


 いきなりメインキャラとかよくわからないこと言い始めて大丈夫か?


「私の名前は三日月(みかげつ) 月美(つきみ)です。近くに喫茶店があるんですが、そこの看板娘をしてます。ご来店お待ちしております。あのこれクーポン券です」


 ちゃっかり宣伝して来た! しかも貰ってしまった! ん? 喫茶店?


「もしかして『七星』?」

「知ってるんですか。お母さんね……どこで聞いた?」

「葉因渡で聞いた」

「ふふふ……逃げ場がまた消えたわね」


 ……月美さんのお母さん、すいません。あなたの逃げ場がまた1つ減りました。まあ、逃げることが悪いんだがな。


「ありがとうございました。よいしょ……それでは五十鈴さんまた学校で……」

「うん……」


 ん? なに颯爽と俺を抱き上げて、誘拐してるの?


「あっ! ちょっと! イリスちゃんを返しなさい!」

「さらば!」


 速いな! 月美さん意外と足速いんだな。そして月美さんの胸が羨ましいと思い始める自分が怖い。


「捕まえた!」

「はぁ……はぁ……ごめんなさい…ギブで……」


 ……訂正、全く速くなかった。俺が普段遅いから速く感じただけだった。俺ほどじゃないにしても体力少ないな。10秒も走ってないんじゃないか?


「イリスちゃんは返して貰った!」

「速いねぇ……おのれ……この恨み……覚えておれぇ……」


 あと味が悪い! 今にも怨霊として出そうだな!


「光ちゃん、光ちゃん」

「なに?」

「おろして」


 俺は光ちゃんにおろして貰って、月美さんの元に行く。


「ん」

「「へ?」」

「抱っこ」

「ありがとう! イリスちゃん!」


 月美さんは早速俺を抱っこしようとすると


「待ちなさい! ダメよ! イリスちゃんは()のものなんだから!」

「おやおや? 確か昨日は『私』って言ってたのに今は『光』なのですかえ?」

「っ!?」


 ん? そうだったのか? まあ、中学生デビューしたかったんだろ。そこは攻めてやるなよ。……かえ? ってなんだ?


「黙ってて欲しい? じゃあイリスちゃんは貰って行くわ!」

「待ちなさい! イリスちゃんの抱っこの仕方を知らないでしょ! 今から教えてあげる。これからは『私』のことを先生と呼びなさい」

「はい! 先生、よろしくお願いします!」


 あれ? 光ちゃん、黙ってて貰う側なのに立場が逆転してるような……


「まず、イリスちゃんを軽く抱きしめる。

 これはイリスちゃんに抱っこするっていう合図ね。ちなみにこのまま放置すると……こんな風に涙目になり始めるので、早めに抱き上げる。抱き上げ方はまず、コートがシワにならないようにお尻をたくさん触ってからお尻を抑えて抱き上げる」

「ふむふむ」


 ただの変態行為じゃねーか。つーか俺が知らない間にそんなことやってたのか!


「この時の注意点としてなるべくイリスちゃんに感じさせるの。するとイリスちゃんは時々かわいい声を出してくれるの。それは喜んでる証拠。しかも本人に気づかせないこと」

「ふむふむ」


 …………


「そしたら自分の話やすい位置でイリスちゃんを固定する。これを持ってイリスちゃん抱っこの講座を終了する」

「先生! ありがとうございました! よし、じゃあイリスちゃん、抱っこするね」


 月美さんが俺を抱きしめる。

 この大きなものを奪いとってやろうか……貴様それでも中1か!


「んあっ……」

「三日月さん……上手すぎよ! もう教えることはないよ!」


 結局俺はそのまま月美さんに抱っこされたまま登校した。




 そして、教室に入るとみんなが注目してきて、「三日月さん抜け駆けはよくない!」……っとなったが、それらに全く動ぜず俺のことを撫でまくっていた。その精神力は異常だ。


「じゃあ今日の放課後まで自由行動です。各自必ず部活に入ってください」


 俺は入る部活はもう決めてある。


「「「イリスちゃん、一緒にまわろ!」」」


 ……と言った時には俺は光ちゃんと月美さんに誘拐された後だった。


「イリスちゃんと三日月さんは何部に入るの?」

「「天文部! ……え?」」


 まさか同じ所希望だったとは……でも考えてみればお母さんの方が星大好きだったし、当然といえば当然だな。


「凄い偶然だね! イリスちゃん!」

「そうだね」

「え? でもこの部活紹介一覧には天文部なんて何処にも……」

「「はい?」」


 ホントだ……え? 天文部がない学校なんてあるのか? そんなの最早学校じゃねー!


「まだ諦めちゃダメよ! 無いなら作ればいいのよ!」


 テンプラキター!! ……テンプレートだったな。これはもう部活成立のフラグだ!


「……学校の維持費の関係で部活の成立はできないらしいよ。だから校舎が新しいんでしょ?」

「「は?」」


 頭おかしいんじゃないか!? フラグをへし折るなんてあり得ない!


「じゃあどうすれば……」

「まあ、ゆっくり見てまわろうよ」


 その後、俺たちはいろんな部活(運動部を除く)に行った。美術部、生物部、科学部、写真部、新聞部、放送部など。どれもキチ◯イしか居なかった。そして、抱っこされてたはずなのに二人とはぐれた。

 とりあえず目の前に図書室があったので、休むことにした。


「沢山本があるんだ……」


 ん? こ、これは!? 前世で読みきれてなかった本の続編だと!? 読むしかない!


「……絶対に届かない。あっ、脚立だ」


 よし、これを使って……


「よいしょ……これなら届く!」


 俺は脚立に上り、本に手を出す。


「~~~~~~~~っ!! 微妙に届かない……」


 この糞野郎!!


「よし! 届いた! ……きゃっ!?」


 脚立から踏み外してしまった。


「おっと、大丈夫か? お嬢さん」


 すると男の人が受け止めてくれた。

 ……本来ならきゅんと来るテンプラだが、例えお前がエロゲの主人公だとしても俺は違う。


「はい、ありがとうございました」

「えっと……その何かあったら言えよ。ほら、女の子が脚立使うと見えちゃうからさ……

 あっ! でも俺は水玉も可愛いと思うぞ」

「~~~~~~~~っ!!」


 見られてたのか!! 許すまじ!


「大丈夫だ。俺はきょn「脚立アタック!!」

ガンっ!

バタンっ!


 あっ! やべっ! やり過ぎた……

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