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幼なじみを庇ったら幼なじみと親友の娘になりました  作者: ふきゆきのした
1章 銀髪幼女の生活 ~~小学生編~~
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番外編 第15話 イリスのタイムスリップ!9


 気がつくと朝になっていた。


「……なんで今日学校あるのよ。休みにしときなさいよ。……イリスちゃん起きたの? じゃあ今日はコレに着替えてね」


 小鳥は俺に例のメイド服を渡してきた。

 昨日みたいな普通の服があるならそっちを出してくれよ……着ないといけないから着るけどさ……

 

「じゃあ行こうか」

「うん!」


 朝食は小鳥が先に食べてしまったらしく、俺の分はないようだ。小鳥曰く、「住まわせてあげてるんだから我慢しなさい!」だそうだ。

 そして俺は小鳥に抱っこされ、学校まで運ばれた。


「え? 今日は預けられない?」


 何でも昨日のアリサの後片付けをしないとならないようで、校長も小鳥の脅しが消えたことで強制する必要もないと思い、優香先生を作業にまわしたらしい。


「じゃあ騒がないようにするので教室に連れて行っていいですか?」

「別に構いませんよ」


 という訳で(予備)教室に移動。

 ちなみにアリサは不遇な事故と処理されたとはいえ、何も無いのはおかしいので、1週間の停学になった。


「千田さんおは……よっ!? その娘誰!? メイドのアリサちゃん!? 小さくなったわねー」


 クラスメイトにアリサと勘違いされた……


「違うわよ。一昨日アリサの家に行ったらアリサの部屋に居たって今は亡き将吾が言ってたよ」


 将吾は亡くなってないぞ……今は入院中だ。


「へぇ……不思議ね。お名前は?」


 不思議で済ませることができるうちのクラスメイトはかなり異常だ。


「イリス……」

「イリスちゃんかぁ……よろしくね。メイド服可愛いよ」


 メイド服の件には触れるな。にしてもやけに人数少ないな……この日は俺も学校サボったからこんなに少ないとは思わなかったな。小鳥入れて5人ぐらいか?


「じゃあ今日の授業は午前中までで自習とする。先生は来ないが、授業中に教室から出るなよ。じゃあ帰りに来るからな」


 ……つまり教室の中では何をしてもいいということか。


「イリスちゃん遊ぼーっ!!」

「いや!」

「拒否権なんてないのーイリスちゃんかくほー!!」

「みぎゃあ!」


 俺はモブに抱きつかれた。


「イリスちゃんモフモフ~~やわらかい」

「「「…………」」」


 君たち(男子3人)がやったら犯罪だからな? 覚えておけよ?


「イリスちゃん、なにして遊ぶ?」


 子どもらしい遊びじゃないとな……よし!


「お絵かき!」

「ふふっ……わかったわ♪ ちょっと待ってね……確かここに……あった! はい、どうぞ」


 モブは鞄からスケッチブックを取り出して鉛筆と一緒に俺に渡してくる。

 ……なんでスケッチブック持ち歩いてるんだ?


「ありがとう」

「何描くの?」


 そうだな……思いつかないし聞いてみるか。


「何描いてほしい?」

「そうだね……じゃあ小鳥ちゃん描いてくれる?」


 ……小鳥か、いいだろう。


「わかった!」


 さあ、小鳥を描き始めようか?

 まずは輪郭線(りんかくせん)だな。……まあ、17歳だしこんな感じか? シワでも描いてやろうかな……そうだ! 老けた小鳥を描いてやろう! じゃあシワを描いて……



 1時間後……



「できた!」

「おおっーーー……お? 小鳥ちゃんはいつから40代になった?」

「さて、イリスちゃん? 廊下に出ようか?」


 ……やり過ぎた。これは殺されるな


「小鳥お姉ちゃん! 授業中に廊下に出ちゃいけないんだよ!」

「煩い! ほら表出なさい!」

「いやっ!」


 俺は泣き真似をして抵抗する。

 あれ? 涙が止まらない……


「なんで……」


 体が変わった影響で精神的にも衰えてるのか……


「小鳥ちゃん、子供を泣かしたらダメだよ?」

「「ひっ!」」


 モブの顔がめっちゃ怖い! 小鳥よりもこっちの方が怖い……あの小鳥が怯えてるぞ……


「小鳥ちゃん? わかった?」

「は、はい!」


 あの小鳥が言いなりになってる……

 モブ……恐ろしい娘!


「りーんごーんりーんごーん、りーんごーんりーんごーん」


 担任の先生がチャイムを口で言いながら教室に入ってきた。……チャイムすら壊れたのか。アリサやベーな。


「特に言うこともないが、これだけは言わせてくれ! 勉強をしろっ!」

「「「「…………」」」」


 おい高校生ども、なに黙ってるんだよ。学生は勉強だろ? 俺だって睡眠学習はしてるんだぞ? それなのにお前らは俺のことばかり見やがって! 授業中ぐらい勉強しろよ!


「じゃあ解散!」

「イリスちゃん、帰りに将吾たちのお見舞いに行こうか?」

「うん!」


 俺は小鳥に抱っこされて病院に向かった。もちろん白石総合病院はまだ無いのでここから少し遠い普通の(おんぼろ)病院だ。


「クモの巣……」


 ……ヤツ()は出ないよな?


「……ここね。将吾、いる?」

「「「「あっ」」」」


 小鳥が扉を開けると将吾とワイシャツ1枚だけ着ていたアリサがキスしてた。……お前ら俺が居なくても成立してたのかよ。なら俺の苦労は一体……


「失礼しました~」


 小鳥が扉を閉めようとする。


「待って! 違うの! そうじゃないの!」


 どこが違うんだよ……お前らガッツリキスしてただろ。おまけにワイシャツ1枚で一体何をしようとしてたんだよ。さっさと下を履けよ。


「いや、子供に影響悪いから今日は帰るね。それじゃ!」

ピシャッ!


 小鳥は強引に扉を閉める。

 その後、小鳥は俺を家に置いて買い物に行くと言って出掛けていった。

 ……今日の帰りは遅いだろうな。


「小鳥お姉ちゃんって少女マンガとか読むんだ……恋愛なんて出来ないクセに……」

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