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幼なじみを庇ったら幼なじみと親友の娘になりました  作者: ふきゆきのした
1章 銀髪幼女の生活 ~~小学生編~~
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番外編 第3話 ルーシーの1日

 番外編第1話が自分でも思ってましたけどつまら……不評でしたね。

 今日はルーシー視点のお話で20日はただの日常回、21日がよくわからないお話で、22日は光ちゃんのキャラ崩壊。23日から1月1日は◯◯くんが登場します。本編再開は1月2日からで、中学生編に入ります。



 今日の主人公は将吾かアリスだと思った? 残念、犬のルーシーちゃんでした! という訳でどうぞ!


ーールーシー視点ーー


 私の名前はルーシー。私は今日も1日を家の外で過ごしている。今日もいい朝だ。


「ルーシー、ご飯よ……きゃ!」


 主! 危ない!


もふっ!


 この私にご飯をあげようとして、毎回転んでご飯を落としてくるのは主のイリスだ。何故かこの者には私の話す言葉が理解出来るらしい。何よりもこの私が彼女に惹かれた理由はとても可愛らしく、そして愛らしいこの少女を守りたいと本能的に思ったからだ。


「ありがとう、ルーシー……ご飯落としちゃったね。新しいの持ってくるよ」

「わんっ!(主! 自分で行くから付いて行く!)」


 主は少々ドジな所があるから私が見てるかボスが居ないと何を仕出かすかわからない。だから私には主を守る義務がある! これは犬として、飼い主を守る者としての義務である!


「イリスちゃんまた転んだの? いい加減ルーシーを家に入れてからご飯を食べさせればいいのに……」

「そうだね……次からはそうするよ」

「ルーシー、少し待っててね」

「わんっ!(はいっ!)」


 この人は小鳥様……ボスである。私は本能的にこの人は危険であると察知し、従っている。もし私がボスに逆らおうものなら私はボスに殺られるだろう……そんなことをされてしまったら愛すべき主が守れなくなってしまう。それだけはダメだ。私の全ては主との楽しい日常から出来ているのだ。それを無くしたくはない。


「はい、たくさんお食べ」

「わんっ!(ボス! 感謝します!)」

「あはは……」


 主には私の言葉が解るようだが、他の人たちにはわからないらしい。おかげで他の人間とのやり取りは苦労する。特に主の母親、アリサは主を超えるドジで、私は何度下敷きになったことか……おまけにご飯は忘れるし、散歩は忘れるし、さんざんである。この家は小鳥様と主を筆頭とした5人で、小鳥様、主、アリス、将吾、アリサだ。


 小鳥様の散歩は少々息苦しく、マトモに歩けない。いつも急ぎ足になってしまう。

 主は体力が少ないために、小鳥様たちよりも短いコースになってしまって、少々不満足だ。

 アリスは主ほどではないが、やはり体力が少ない。おまけにめんどくさがってあまり散歩もしない。

 将吾がコース的にも、私的にも1番良いのだが、医者という職業柄あまり休みも少なく、滅多に散歩してくれない。

 アリサは直ぐに終わらせようとするので論外である。


「ルーシー行くよ!」

「わんっ!」


 今日の散歩は主のようだ。では散歩に参ろう。




 まず最初は家を出て、左の大通りに出る。

ここは車がたくさん通っており、少し煩いと感じる。


「きゃ!」

「わんっ!(主!)」

ポフッ

「ルーシーありがとう」

「わんっ!(気にしないでください! いつものことですから!)」

「あっ、うん……」


 続いて信号を渡り、直進する……ここは1つ目のチェックポイントである。私はここに来るといつも同じことを発してしまう。


「わんっ!(糞してぇ……)」

「ルーシー、ここでしていいよ」


 ではご遠慮なく失礼して……


「(謎の効果音)」


 あ~~最高でーす……


「じゃあ回収するね……」


 主? どうしたのですか?


「おならはやめてよ……」


 主がしゃがんだ。

 全く、いつもいつもパンツ見せて……いくら子どもとは言え、主は女の子ですよ? うっ! ヤバい!


 ぷぅぇぇぇぇぇぇ……


「…………」


 や、やってしまった……いつも主が回収するときに出てしまう……


「るーしー? やめてって言ったでしょ?」

「わんっ! わんっ!(犬だから仕方のないことだ! おならというのは自然の摂理、我らにはどうしようも出来ないことだ)」

「何が自然の摂理よ! ふざけないで!」


 こういう時の対処方法はとりあえず散歩を進めることだ。1度でも転ばせて、助けてあげれば主は気にしなくなる。主は私に恩義を感じてくれる。


「きゃ!」


 早くもチャンス!! もらったーーっ!!


ポフッ!

「ありがとうルーシー……また助けられちゃったね」

「わんっ!(気にしないでください!)」



 あとはこのまま商店街を通って帰るのだが


「おうイリスちゃん! 今日もコートかい? 暑そうだね。見てるだけで暑苦しいな!」

「おじさん、私はこれがないと寒いんで勘弁してください。それとこの間はすいませんでした!」


 このおじさんはよく主にお魚をあげている魚屋の店主である。以前、アリサが迷惑を掛けたらしく、そのお詫びに謝っているのだが、何故か毎回主にお魚をくれるのだ。

 ちなみに主は1年中コートを着ている。理由はよくわからないが、コートが主にとって、とても重要なことだけはわかる。


「もう気にするな! ほら、鮭だ。持って帰ってくれ」

「え? だ、だめ……そんなに振り回さないで……絶対に受け取りませんよ!!」

パシッ!

「あれ?」


 主は大の鮭好きで、鮭を振り回されると必ず受け取ってしまう。このやり取りもたくさん見てきた。


「ほら、ルーシーちゃん暇してるぜ。じゃあな」

「はい! 行こうかルーシー」


 私と主は家に帰る。



「じゃあ夕飯まで好きにしててね」


 私は小屋に戻る。他の家の犬を見ると首輪で繋がれてるのだが、私を信頼してるのか首輪では一切繋がれていない。ただ首輪をしているだけである。

 ん? 雨か……主たちが気づいてなさそうだ。呼んであげないと


「わんっ! わんっ!(主! 雨が降ってる!)」

「雨!? ママ! 雨降ってるよ! ルーシーありがとう」


 以前、黙って洗濯物を篭に入れて玄関前に置いといたら主に「よだれがたくさんついてる!」と怒られてしまった。それ以降はこうして、庭から主を呼ぶだけである。

 あとは夕飯を食べて寝るだけである。これが、犬としての1日、私はこれからも主に付いていくのです。

 

 ルーシーが死ぬことは絶対にありません。どうして可愛いらしい犬を殺せるだろうか……いや、殺せない!(反語) ルーシーは犬の年齢すら超越するのです!

 あとルーシーがマトモなのは今だけですよ。

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