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幼なじみを庇ったら幼なじみと親友の娘になりました  作者: ふきゆきのした
1章 銀髪幼女の生活 ~~小学生編~~
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番外編 第2話 もしも第1話で襲ってきたのが変態だったら


 俺の名前は音無 琴道、一部を除くと普通の高校生だ。俺には幼なじみがいて、名前はアリサといって、ロシア人のハーフである。それともう一人、白石 将吾という俺の親友がいる。俺たちは今日、3人で下校していた。


ダッダッダッダっ!


 前からパンを顔につけた身長が高めの体毛がヤバい女の人が走ってきた。

 このままだとアリサが汚される!!!


「アリサ!」

「きゃ!?」


 俺はアリサを将吾の方に押したところで俺は女性のパンを顔面にくらった。

 めっちゃべとべとする……でもパンではない何かが口に当たって……まさかキス!?


 俺は急いでパンを退かすと俺の目の前に映った光景は……




























 カツラを被って、女装している50歳ぐらいのとてもダンディーなおじさんだった。




 俺のファーストキッス……


ガクッ!

「「きんちゃーーーんっ!!!」」








 ここは? どこだ?

 目の前には白い髪に黄色の目をした男の人がいた。

 誰だお前!


『私こそが神だぁーーー!!』


 ……は?


『いや、すまんすまん。でも嘘はついてないよ? それで君はあの二人の行方が気になるよな? 気になるだろ? 気にしてるだろ? だから転生しよう! さあ、いざゆかん! ようこそ新しい人生へ!』


 まさか俺って死んだのか!? ちょっ!? 説明しろぉぉぉぉ!!!








『おじさんにファーストキスを奪われて死ぬとか……よく笑い堪えられたな……アッハッハッハッハッハッ!!!』









「おぎゃあああ!!」


 ん? ここは? 俺はどうしたんだっけ? 確かおじさんにファーストキッスを奪われて……


「おぎゃあああああああああああああああああああああああっ!!!!!」

「イリス!? 大丈夫!? 将吾! 大変!」


 イリスってだれ? おれ? いやいや……



『本編と同じなのでカット』



 それから5年が経ち、遂に5歳になりました。

 俺はイリスとして今日は俺のお墓参りに行くことになった。


「たくさん服を着ていけば寒さなんて感じないわ」


 俺は白いワンピースに水色のパーカー、その上に水色の膝下くらいまで丈がある可愛いらしいコートを着て、タイツを履いている。そして、水色の手袋とヘッドホンをつけた。……水色どんだけ推してくるんだよ。


「ほら行くぞ」

「はーい」


 車でみんなの集合場所まで向かう。


「着いたぞ。おっ、みんな来てるな」

「久しぶりだな将吾。今日も暑いな」

「そうだな。よくお前はその全身タイツみたいな格好でここに来れたな」


 なんだアレ……気持ち悪っ……


「イリスが退いてるぞ」

「すまんすまん、これはジョークだよ。着替えはこっちに……あれ? ねーな、どうしようか?」

「おい」

「俺の名前は悠司だ。よろしくな。イリスちゃん」


 悠司が頭を撫でてくると急に目の前が真っ暗になった。


ばたんっ!

「イリス!?」












「あれ? ここは……」

「病院よ。いきなり倒れちゃうから驚いたわよ」


 なんで倒れたんだ?


「イリス、よく聞いてね。イリスはパパ以外の男の人に触ると倒れちゃうらしいの。だから今日からはここ(病院)か家……私たちの目の届くところで生活するのよ」


 なぜ男が……ぎゃあああああああああああああっ!!! 俺の! 俺の初めてが! おっさん……


ガクッ!

「イリス!?」






 それから2年間毎日昼は病院で、夜は家で過ごしていた。


「イリス、実は今までは勉強とか教えるの面倒だから放って置いたんだが、教育委員会がうるさくてな」


 その台詞を聞いたら教育委員会も怒るだろうな。


「そういう訳で明日から病院で勉強するんだが、これからパパが病院に居ないことが増えるから知らない人と一緒になるんだが……大丈夫か?」


 まあ、将吾も忙しいから仕方ないな。俺もあまり迷惑は掛けたくないし。


「うん、大丈夫」

「よかった。それで家で過ごすとママがヤバいだろ? だからここで生活できるか?」


 それは……理解した。将吾から見るとアリサと一緒にいる方が危ないと思うな。俺だってそう思うもん。


「うん、わかったよ。大丈夫だからパパは仕事してて」

「ああ、わかった。その代わり何かあったら担当の先生に言うんだぞ?」

「はーい」


 こうして俺は病院で生活することが決まった。



 翌日……



「はい、じゃあ新しいお友達を紹介します。白石イリスちゃんです! みんな仲良くしてあげてね」

「よ、よろしくお願いします……」


 みんなって言っときながら女子一人しか居ないという……しかも中学生ぐらいだし。


「私は穂乃花よ、中学三年生。短い時間だけどよろしくね」

「うん! でもなんでこんなに少ないの?」

「それはね。このクラスは退院する可能性が低い人が来るクラスだからよ」


 確かにずっとここにいる人から見れば、退院していく人と別れちゃうからな。


「じゃあ授業を始めるよ。イリスちゃんはこの教科書を読んで、こっちの問題をやっててくれる?」

「はーい」


 俺は教科書を受け取り、始める。


「じゃあ穂乃花ちゃんは二次関数ね」


 さて、ゆっくり解き始めますか。


「この問題は上に凸って言って、最初がマイナスから始まるのよ。じゃあこの練習問題やってみて。イリスちゃんはよくできてるね。その調子よ。でも手は使わないで計算してみてね」

「えー」


 別に使わなくても解けるのをわざわざ使ってやってるのに……少し速度を落としてやってやるか。


「そういえば穂乃花ちゃんも同じ感じだったわね。小学4年生まで手で計算してなかった?」

「先生、恥ずかしいのでやめてください……」

「その穂乃花ちゃんももうすぐ卒業かぁ……早いものね」

「別に卒業しても病院にいますよ」


 そういえば高校はどうするのだろうか?


「お姉ちゃん高校はどうするの?」

「私は通信教育……って言ってもわからないよね? パソコンで勉強するの」

「へー」


 なるほど、最近はそんなこともできるのか。便利になったな。


「イリスちゃんもお姉さんみたいに勉強しないと変な人になっちゃうわよ? 例えば全身タイツとか」

「いやっ!」

 

 なんで悠司にならないといけないんだ!? めっちゃ勉強してやるからな!




 それから少しして隣のクラスに入り切らなかった女の子がやってきた。


「五十鈴光ちゃんよ。イリスちゃんと同い年よ。仲良くしてね」

「髪きれい……よろしくね。イリスちゃん!」

「よ、よろしく……」


 なかなか元気な娘でなにより……車椅子か。あまり長くはここに居なさそうだな。



 それからしばらく光ちゃんと仲良く過ごして、光ちゃんは退院してしまった。でも光ちゃんは退院した後も俺の所に毎日来てくれる。


「イリスちゃん元気ないね。どうしたの? そんなに寂しいの?」


 穂乃花さんが俺を抱っこして聞いてきた。


「なんかもやもやするの……光ちゃんが誰と話してようとおかしくないのに、この前外国のお友達を連れてきたとき寂しくて……胸のあたりがきゅ~ってなったの」

「そう……イリスちゃんは光ちゃんのことが好きなのね」


 好きか……もしかして俺は……


「イリスちゃん、遊びにきたよ!」

「イリスちゃん、言ってみたら? 光ちゃんもイリスちゃんが大好きだから毎日来るんだよ。自分の気持ちに素直になって」


 自分の気持ち……


「ありがとうお姉ちゃん……行ってくる」

「うん、行ってらっしゃい」


 俺は光ちゃんの所に行く。


「光ちゃん! 私、光ちゃんのことが大好き!」



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