番外編 第1話 もしもあの時音楽室に行っていたら
アクセス数が今までの4分の1も減った原因である伝説の回です。
ーーイリス視点ーー
「よ~~ん~ま~~~~い(ビブラート)」
始まり方!? 何故にここから始めたし!
なんだか……眠くなってきた……でもここで寝るのは俺のパンツに関わる。我慢だ!
というわけで音楽室に着いてしまった。
「じゃあ光待ってるから」
「ダメだよ? 逃がすと思って?」
「イリスちゃんが私に勝てるとでも? 大体死神なんてイリスちゃんが倒せる訳ないじゃん」
今さら何を言ってるんだ。俺はもうとっくに覚悟出来てるんだぞ?
「あのね。私は光ちゃんが背負ってる間にもう死ぬ覚悟まで出来てるんだよ? それなのに1人だけ逃げるつもり? 特に蒼真くん!」
何を1人で逃げようとしてるんだ! 俺はそういうのは許さないぞ!
「はぁ、わかったよ……じゃあ僕が開けるよ……」
「別に開けろとは言ってないよ? 逃げるなって言ったんだけど?」
「そんな無茶苦茶だ!」
何処が!? お前は見てるだけでいいんだぞ? もしかしたら死ぬかも知れないけど、その時には俺も死んでるんだから何も文句ないだろ!
「じゃあ入るよ」
俺は扉を開けた。
あれ? 何もない……いや、あれは……
「こんな所にも先生が居るんだ……先生!」
「待って蒼真くん! それは先生じゃない……なんであなたが居るんですか! そらさん!」
「え? 知り合い?」
「5年前にここで会った幽霊だよ。でも成仏したはず……なんで今になって……」
5年前に成仏させたんだからここに居るのはおかしい。そらさんはもしかして成仏してなかったのか? 啓介と同じようにか? だとしたら何のためだ?
『来ちゃったのね。イリスちゃん。確かに私は成仏したのよ。でもね。あっちで思い出しちゃったのよ。私は色んな人をこの手で殺して来たっていうことや、アイツや友人や教師、夫も娘も私が全て! 私が殺したのよ! アイツが居なければこんなことにもならなかった! アイツが悪い! アイツが悪い! 銀色が憎い! 銀髪は敵だ! 銀髪は……殺す』
「イリスちゃん!」
「きゃ!」
いきなり襲ってきたそらさんを光ちゃんが私を押して助けてくれた。
「ありがとう光ちゃん」
「どういたしまして」
やはり自衛隊は違うな。イリヤちゃんが居なくて良かった……恐らく『アイツ』っていうのは守護霊さんか。ずいぶんやらかしてくれたな!
「なに……あの黒いの……」
「I love little girls」
光ちゃんが指さした先には死神がいた。
「死神……え? ちょっと待って……」
おかしいぞ、守護霊さんは死神が銀髪に恨みを持っているって言ってたはず。なら何故そらさんが俺を憎んでいるんだ。
『やっと見つけた……私の半身』
!? そうか、そういうことか! どっちもそらさんだったんだ! 恐らく守護霊さんは幽霊が見えないから本来のそらさんの存在は分からなかったんだ。それで死神だけ中途半端に見えたせいで勘違いしたんだ。つまり、この2つが混ざれば……
『アハハハハハハハ! やっと戻った! 私の記憶! 力! 全て! これで銀髪を無くせる! この世から消せる!』
完全形のそらさんが完成する……幽霊の完全形ってなんだ? まあ、仮名だ。仮名。
『まずは銀髪を庇う邪魔者を消さないとな!』
ドンッ!
「ぐあっ!」
「きゃあ!」
蒼真くんと光ちゃんがそらさんに蹴り飛ばされた。
「蒼真くん! 光ちゃん! おまえアリサだけじゃなく……ぜったいゆるさない!」
『当たらないわよ! 幽霊なんだから! 実体が無いんだから! え? ぐあっ!?』
俺はそらさんを殴り飛ばした。そらさんはペットボトルロケットのように10mくらい飛んでいった。
「イリスちゃん……その力……その姿は……」
今の俺は虹色の羽衣と、謎の服を纏い、髪の毛が金色になっていて、翡翠の瞳を持つ、少女の姿になっていた。
「これは、そらさんの死んだ娘さんを憑依させた姿。そらさんにはピッタリでしょ? 少女の名前はアテナ……アテナ・アイオライト。少女の願いはお母さんに成仏してもらうこと。だから私は彼女の力を借りる! さあ、お前の罪を教えろ!」
今ならこの少女のことが全て分かる! そして、俺の頭の中では既にだぶーるのOPが流れている! 負ける要素はどこにもないっ!!!
『貴様! だぶーるのマネをしながら私の娘を奪うな! 今すぐこのBGMと一緒に貴様を消してやる!』
スカッ……
そらさんの攻撃は当たらなかった。いや、正しくはすり抜けた。
『何故だ! 何故だ! 何故!』
「当たらないのは当然だ。これは私が幽霊よりも上の存在だからだ。あとBGMの力だ!」
ようやく理解した。今の俺には全てがわかる。例えばそう、大きな虹の作り方や惑星の扱い方など。そうだ。俺は人間を辞めたんだな。
『お前は何者なんだ!』
「通りすがりの神様だ! 生まれたてだけどね」
『幼女は敵だ! 滅ぼすべき悪だ!』
「違う! そんなの幼女じゃない! 本当の幼女っていうのは笑ってるだけでロリコンを興奮させることができる特殊能力者のことだああああああああああっ!!!」
パリンッ!
俺はそらさんを全力で殴るとそらさんは何か結晶が割れる音がして、消えてしまった。そして、足元には割れた玉の欠片が落ちていた。
……やり過ぎたか? これってもしかして魂破壊しちゃったんじゃね? まあ、破壊する気だったからいいけどさ……ちょっとやり過ぎた感があるな。
「……まあ、私だし! 仕方ないか! 今度守護霊さんに頑張って修復して貰おう!」
俺は欠片を回収して、光ちゃんたちに駆け寄った。
「光ちゃん、大丈夫!?」
「イリスちゃん、戻ったんだね」
あれっ? いつの間に……
『ありがとう、知らない人……お母さんを救ってくれて……じゃあね。またいつか……あっ、これあげる』
少女は俺に謎の石を渡して消えていった。
明らかに救ってないような気がするな。だって……破壊しちゃったもんな。
「蒼真くんは……気絶してるか。光ちゃん、運んで帰ろ」
「うん!」
ん? 何かやけに上機嫌だな……
「どうしたの?」
「えへへーイリスちゃんの秘密知っちゃった♪」
「いや、私だってあれは未だによくわからないし、偶然だよ」
そう、あの時咄嗟にやって、出来た事だから何もわからない。これからはまたいつもの日常に戻るのだろう。もうすぐ中学生か……早いな……
翌日……
カランカラン♪
「いらっしゃいませ……ってイリスちゃんか。どうだった?」
「加減間違えて破壊しちゃった♪」
「へ?」
俺は守護霊さんに欠片を見せた。
「……やり過ぎだよ!」
ベシッ!
「いった!? 何でそんなに強く叩くの! そうだ! この石なんだけどこれ何?」
俺は少女から貰った石を見せる。
「あーこれね。これは……あれだよ! あれ! 力継承できる石だ! まあ、イリスちゃんには使えないよ。でもこれがあれば復元出来そうだね。あとは任せてよ。これでも神様なんでね。でもこれでイリスちゃんも仲間だね。じゃあこれから一緒に頑張ろうね!」
……は? 俺は光ちゃんやルーシーたちと一緒に過ごすぞ?
「え?」
「お前みたいなニセ幼女には用はねーよ」
「ニセ!? 正真正銘本物の幼女だよ!」
「じゃあ年齢は?」
「……2◯歳」
身長、俺より少し高いだけなのにその年齢とはなんて可哀想な……
うわー! どうか行かないで……あ"ーっ!! 減っちゃったぁぁぁぁ! ウワァァァァァァっ!!! マアァァァァァァっ!!! うぁー! 減ったァー! 見てくれる貴重なユーザーが減っちゃったぁぁぁぁぁ!!!
↑この話を投稿した次の日の私の脳内。




