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幼なじみを庇ったら幼なじみと親友の娘になりました  作者: ふきゆきのした
1章 銀髪幼女の生活 ~~小学生編~~
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第35話 小学校のお泊まり会 ~~早朝の出来事~~


 翌朝6時頃……



 俺はもう一度荷物を確認していた。


「え? 水着? 持ってないんだけど……」


 どうやらお風呂が存在しないため学校のプールを温水プールにするらしく、水泳の授業に参加できなかった俺は当然水着なんて持っていない。


 俺にどうしろと? さすがに11歳だからか男子たちに裸を見られたくないという意識も強くなってきている。今となっては将吾たち以外は完全に無理である。


 将吾に関しては小学生から高校生まで殆ど毎日互いの家に行って、お風呂に入るような頭のおかしい仲だったからどうということもない。向こうも俺をただの幼児同様の扱いしかしてこないので、まだ大丈夫である。問題は将吾がいつ欲情するかである。


 まあ、将吾と入る時はアリサもいるからそんなことは起きるはずもない。将吾が入る時に必ずアリサが「私も入る!」とか言って乱入してくる。アリスに関してはもう俺のお風呂には入りたくないそうだ。ちなみに俺と一緒に入るというのは体を洗うだけのことを指す。本当に入ったらアイツら逆上せるからな。

 そんなことは置いといて、水着か。聞いてみるか。


「水着? アリスのならあるけど?」


 そう言って取り出してきたアリスの水着。アイツに借りを作るのは癪だが、全裸よりはマシだ。それにアイツも分からないだろうしな。


「もうそれでいいよ……ありがとうマ……お母さん」

「まだママって言ってもいいのよ? 私たちはこの世界の都合で物語が終わるまでに30代なんだから。イリスだっていきなりママが老けたら嫌でしょ?」


 道理で6年間見た目が変わってないと思ってましたよ。ん? さっきから何を言ってるんだ?


「じゃあ、ありがとう。アリサ」

「呼び捨て!?」

「冗談だよ。ママ」

「うん、やっぱりそっちの方がイリスらしいよ」


 さて、水着入れて、水着使うならバスタオルと袋も必要だな。……ドライヤーも持って行っておくか。イルカたんは……置いて……いき……

 気づいたらイルカが鞄に入っていた。


「いつの間に!? まあ、それほど持って行きたいんだよね? 仕方ない、持って行こう」


 うーん。鞄がパンパンだな。しかも重い……小鳥にスーツケースあるか聞いてみるか。


「小鳥お姉ちゃん、スーツケースある?」

「イリスちゃんのことだから必要だと思って買ってあるよ。そこに置いてあるよ。それじゃ、私はもう行くから」

「ありがとう。小鳥お姉ちゃん。いってらっしゃい」

「行ってきます」


 最近は俺と小鳥だけでも小鳥お姉ちゃんと呼ぶようにしている。でないと何かあった時に呼び捨てにしそうであるからだ。

 俺は小鳥の言ってたスーツケースを持って部屋に戻る。


「また水色か……でもこれは可愛いらしくて結構いいかも」


 もう女の子として開き直ってる部分も結構ある。でも男を恋愛対象には絶対入れない。俺は絶対に誘拐犯のボスのようにはならん! あと鏡は絶対に持ち歩かない! 絶対割る!


「よし、荷物も確認したし、スーツケースに移したし、これって結構便利だね。……小鳥お姉ちゃん何か細工してないよね?」


 一応確認しておくか。底が抜けてるとか困るしな。


「まあ、特に大丈夫かな?」


 うん、一番隅にある謎の黒い盗聴機らしきもの以外は何もないな。これは放置しておこう。光ちゃんたちが何かしてきたときの証拠になる。小鳥を利用するって少し清々しい気分になるな……


「そろそろ時間かな?」


 あっという間に7時だ。そろそろ出ないと……


「いってきます!」

「いってらっしゃい! 楽しんで来てね!」


 俺はアリサに見送られて家を出る。アリスは小鳥と一緒に先に出たので、俺だけだ。


「わんっ!(主! いってらっしゃい!)」

「ルーシー、また明日ね。今日はもう会えないから……」

「わん?(なんで? 主、帰って来ないの?)」

「今日だけね。だから大人しく待っててね」

「わんっ!(あのアホは私が守っておくので安心してください!)」


 まだアリサのこと嫌ってるんだな……まあたまに餌貰えてない感じだし、仕方ないな。


「じゃあ行ってきます」

「わんっ!(いってらっしゃい!)」


 俺は門を出た。ルーシーは最近、家の庭に小屋を建てて、そこに住まわせている。買って1年目は家の中で飼っていたが、大きくなったので、庭で飼うことになったのだ。


「おはよ光ちゃん」

「イリスちゃん、おはよう。待たせた?」


 俺は光ちゃんの家の前で待つとすぐに出てきた。


「んーん、3時間ぐらいかな?」

「3時間!? ……って言うとでも思った?」

「言ったじゃん……まあ、行こうか」

「そうだね、じゃあ行こうか。所でイリスちゃんはカラコロなんだね」

「重くて仕方ないからね。光ちゃんはリュックなんだね……」


 俺たちは学校に向かって歩き出した。


「おはようございます。光ちゃん、イリスちゃん」

「「おはよー金持ちちゃん」」

「イリヤです!! 金持ちちゃんじゃありません!」


 そういえば毎日この辺で時間が変わっても必ず会うよな……


「もしかして……毎日ここで待ってる?」

「ギクッ! そ、そんなことはあります! あっ、いえ! ありません!」


 あったのか……にしても相変わらず嘘つくの下手だよな。むしろ隠す気がないっていうか……そんな感じしかしない……


「イリヤちゃん、そんなことを毎日……」

「ちょっと! なんですか! その哀れみの目は!」


 光ちゃん……俺もやっとくか。


「ちょっ! なんでイリスちゃんまで!」

「びんじょー」

「便所?」

「便乗! 便所じゃない!」


 最近の小学生は便乗も知らないのか!


「まあ、いいや。早く行かないと遅刻するし」

「別にゆっくり行っても……そうでしたね。イリスちゃんは歩幅が「なに?」……なんでもありません」


 イリヤちゃんと合流して学校に向かうとギリギリ間に合った。

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