第29話 それでも彼の体は無限の幼女で出来ていた!!
~~前回のあらすじ~~
ロシア人の転校生、その娘の名前がイリヤちゃんだと発覚したのでバーサー◯ーを呼んだら悠司がきた。
「イリス、呼んだか!」
「こーげんはっけーん!!!」
「「「しねー!! この◯菌やろー!!」」」
「イリス!? ちょっ! 待っ!」
クラスメイト全員で悠司に襲いかかる。
誰もお前なんて呼んでない。俺が呼んだのは◯ーサーカーだ!
「やっちゃえバー◯ーカー!」
「応援してくれてるんだろうが、凄いバカって言われた気がするぞ……」
安心しろ、応援なんてしてない。ただお前を罵っただけだ。
「雑菌、よわーい!」
「先生を雑菌呼ばわりだと!?」
悠司、どんまい……俺は笑いを堪えるので必死だからこれ以上は言えん……
「イリス笑うな!」
「だって……雑菌って……」
「ここは俺たちに任せろ!!」
「右に同じく!」
士郎くん、陸くん! そしてやはり右に同じくなんだな! だがそっちは左だ!
「体は幼女で出来ている! 血潮は血小◯ちゃんで心はロリ魂……」
「え?」
士郎くんが謎の気持ち悪い詠唱を始めた。
「……この体は無限の幼女で出来ていた!!」
血◯板ちゃんが沢山いる結界を張った少年の目の前に現れた。
「いくぞロリコン王、ロリの貯蔵は十分か!!」
『あのねあのね、トラブルで浩二が遅れてるの!』
「その程度のロリっ娘の量でこの俺に勝てると思ってるのか! 俺に勝ちたければその3ロリを連れて来い!」
歴代の全てのロリっ娘たちが目の所に黒い線が入った状態で悠司の周りに集まっていた。
3ロリってなんだよ……新しい単位を作るんじゃねーよ。つーか結界を展開するんじゃない。
「なんだと!? だが、そんなに沢山のロリに手をつけたところでたった1つの愛には勝てない!」
これ……なんの茶番だ? なんか良いこと言ってるような気がするが、士郎くん気持ち悪いぞ。小1でそれは将来変態確定だ。今すぐ警察に出頭してこい。
「何を言っているんだ。貴様、もしや『獣耳』という言葉を知らないのか!」
「な、なんだと……まさか先生は……『けもにゃー』なのか……」
おっさんが『けもにゃー』とか心底どうでもいいな。それに今までの流れとどう関係があるんだ? もう帰るか……まだ1時間目始まってないが……
「あの、さっきから私の影が薄いのですが……」
「大丈夫。光もだよ……」
あれ? 君まだ居たの? 朱音同様出番は終わったのかと思ってた。まあいいや、帰るか。
「イリスちゃん? どうしたの?」
「ん? 帰る」
「帰るのですか!?」
「やっぱり幼女は最高だぜ!!
天地乖離す究極の幼女!!!」
イリヤちゃんはツッコミを入れてきたが、光ちゃんはノーリアかよ……つまらん。
そして悠司! 気持ち悪い! 退場しろ!
「じゃあね」
「ちょっと待ちなさい! 貴女っていう人はロシア人の恥です!」
「ん? そもそもクォーターだし、KOSEKIは日本だし」
「KOSEKIってなんですか?」
全く、最近の若者はKOSEKIも知らないのか……日本も衰えたものよのぉ……
「先生にでも聞きなよ。じゃあね」
「私は貴女なんて認めませんよ!」
「認められなくてもいいよ。あっ……」
ばたんっ! バサバサバサ!
「「…………」」
今のタイミングで転んで教科書散乱とか恥ずかしいぃぃぃ!! しかも沈黙が痛い! 仕方ない保健室にでも行くか。教科書なんてどうでもいい。早く逃げよ……
「ちょっと教科書はいいのですか!」
「だが、先に神様を用意していた俺が! 一歩先を行く!」
「なんだと!? 貴様許さないぞ! 貴様に本気を出さねばならないとな!」
「力をあわせて勝とう! 血◯板ちゃん! 俺たちの愛を見せてやろうぜ!」
「貴様! ロリを独り占めしようだなんて言語道断! 滅べぇぇぇ!!!」
「ぐあああああああ!!!」
『白◯球のおにーちゃん!』
俺は保健室に行った。別にアイツがロリコンでも被害がなければ、俺には関係ない。
「小鳥、いる?」
「イリスちゃん授業は?」
「担任がロリコンについて語り出したからこっちに来た」
「あのバカが……教師クビね」
全くだな。国もあんな奴を雇うなんて頭イってるよな。
「ところでなんでランドセルの中が空っぽなの?」
「今日っていい天気だよね」
「午後から雨だけどね。それでランドセルはなんで空っぽなの?」
「傘忘れちゃった。どうしよう……」
「じゃあ帰りは車に乗りなよ。なんでランドセルは空っぽなの?」
「聞かないで!」
どこかで見覚えのあるようなやり取りをした後、俺は保健室のベッドに横になる。実は誘拐されてから体力が落ちていたので、学校に来るまでに3回休憩を挟んでいる。おかげで眠いのだ。
間違いなく守護霊さんの仕業だな……
「今度から本格的に体力底上げしようか?」
「やめて、死んじゃう」
おそらく朱音が俺のところにやってくるだろう。それだけは回避しなければ!
「イリヤちゃんとはどんな感じだった?」
「日本語話してた」
「へぇー日本語ね…………………………日本語!?」
遅い! 乗りツッコミならもっと早く言え!
「そう、だから別に私は関係ない。じゃあおやすみ」
「待ちなさい! 授業に戻りなさい!」
「やだよ……」
「ほら、悠司が心配するわ……よ? なんか顔赤くない?」
そうなのか? 言われてみれば少しダルいような……
「はい、体温計。計るわよ」
「むぐっ!?」
俺は口に体温計を突っ込まれた。
ピピピ……
「57.8ね。微熱ね」
「いや、どこが!? 完全に異常じゃん!」
どこをどうしたら57.8なんてなるんだよ!
「あのね、イリスちゃんが生きるのになぜ40度必要なのか教えてあげるわ」
おっ、遂に俺の謎が解き明かされるのか!
「それは40度ないと体温が急激に減るからよ!」
「思ってたのと違う!!」
確かに納得だが、それは違くないか!?
「だってイリスちゃんの体温がおかしいのは完全に謎なんだから何も知らないのよ。前例なんてある訳ないし、今後現れることもないでしょ」
うん、そうだな。それ以外は何も言えん。
「という訳でベンザブ□ックを飲んで寝なさい」
俺は小鳥からベンザブ□ックを受け取った。これ効くのか? 体温高すぎて薬品が働かないとかやめろよ?
「じゃあおやすみなさい」
「おやすみ」
俺は保健室のベッドで眠った。
「失礼します。イリスちゃんは……寝てる……」
「イリスちゃん少し熱があるみたいだからそっとしておいてあげて」
「うん……熱っ!! イリスちゃん死なないよね?」
「大丈夫よ……きっと……」




