第118話 それでは判決を言い渡す! お前は小鳥様による終身刑!
小鳥と葉姉と合流して歩き初めてそこそこの時間が経った頃。
「そういえばさ、これどうすれば帰れるの?」
「「えっ……」」
おい、まさか……
「だ、大丈夫でしょ。葉月ちゃんが私たちを誘導してくれるんだから。そうでしょ? 葉月ちゃん?」
「…………」
コイツ汚ぇ。ここで葉姉のせいにするなんて。いま必死に目を逸らしてる葉姉が可哀想だぞ。
「多分奥に行けば出口があるよ!」
「そ、そうね」
もし出口がなかったら葉姉のせいにされて終わるんだろうな。
「焼き鮭食べたい」
「こんな時でも焼き鮭を欲するか」
当たり前だろ! 焼き鮭教徒は1日1回は『焼き鮭神 ヤキジャーケ様』にお祈りを捧げる宗教なんだから!
「何その神様……」
「何でも焼き鮭教徒の神様らしいよ」
「えー……」
お前らヤキジャーケ様をバカにするなよ!? ヤキジャーケ様をバカにするのはゼウスやオーディンをバカにするのと同じだからな!!
「そんな馬鹿な……」
「……イリスじゃーないとーーっ!!!」
「急にどうしたの?」
いや、ちょっとシノバさんのマネをしただけ……ちなみに今のは葉姉を使ってバカと馬鹿を掛けたつまらないギャグだ。
「なんでギャグの説明してるの……」
……あれ? なんで俺の思考が読まれてるの?
「え? 今さら何を言ってんのよ?」
あっ、はい。余計なこと言ってすいませんでした。本当に今さらだったな。小鳥はチートだし、葉姉は守護霊さんの妹だもんな。そりゃ、心ぐらい読めるな。
少し進むとミトコンドリアがいた。
「「「へ、変態だーーっ!!!」」」
『うるせぇ!』
否定しないのかよ。
『気をつけろ! そいつは偽者だ!』
すると上からミトコンドリアが降ってきた。
……あれ? ミトコンドリアが2匹? こういう時は質問をして、その答えで決めるのがお決まりだったよな。
「「「ミトコンドリアは変態である。Yes? No?」」」
『ノーだ! 誰が変態だ!』
あとから降ってきたミトコンドリアその2がノーと答えた。
ミトコンドリアその1はなんて答える……?
『Yes! ミトコンドリアといえば俺のこと! それはつまりロリコンである!』
…………?
「このミトコン、何か変じゃない?」
『Yes! I am ミトコン!!』
なるほど、わかったぞ……! 謎は全て解けた!!
「「「こっちが本物か!」」」
『そんなわけないだろぉぉぉぉぉ!?』
いやでもどうみてもミトコンだし、動き方もミトコンそのままだし……
『くっ! 俺の正体を見破るとはさすがだな!』
見破った記憶がないんだけど……? え? お前が偽者だったの? てっきりこっちが本物かと思ってた。
『お前信じ込んでたのかよ!? 俺とお前が何年一緒に過ごしたと思ってんだよ!?』
まだ1ヶ月も経ってねーよ。何勝手に何十年も一緒に居た風に語ってんだよ。
『そこは謝るところだろ!? 何言い訳してんだよ!?』
「「「あっ、そういうのいいから」」」
『琴葉!? お前まで言うのかよ!? 一体今までの俺の苦労は……』
「「「そういうのいいから」」」
『おい! 俺を無視するな!』
「「「そういうのいいから」」」
『えっ……(困惑)』
いまの後半部分、もしかしてミトコンドリア(偽)が言ってた? まっ、いっか。
「ミトコンドリア(偽)さん、何でここにいるの?」
『それはな。俺が……ガッ◯ャマンだからだ!』
ミトコンドリア(偽)はガッチャ◯ンに変身した。そのまま使うと危ないからか、ガッ◯ャマンの目の部分に海苔が貼ってあった。
『……この海苔邪魔だな。ふんっ!』
べちゃっ!
おい! 海苔を取るな! 海苔がしおしおになって落ちてるじゃねーか!? あれどうするんだよ!? 非常識過ぎるぞ! このままだとコイツの顔が見られないだろ!?
「葉姉! なんとかしてよ!」
「モザイクセット~」
◯ッチャマンにモザイクが添付された。これでセーフだな。
「お前たち! や~っておしまい!」
「どっちが悪役か分からなくなるからそのセリフはやめて」
ガッチャ◯ン VS チート持ち and ゲ□ビームを出す黒い犬 and 幽霊の妹。
果たして、悪役はどっちなのか?
「チートじゃないっていつも言ってるでしょ!」
『言い方に凄い悪意を感じるんだが……』
「幽霊の妹じゃないんだけど……」
葉姉はもう守護霊さんの妹ってイメージだから幽霊の妹でもおかしくないな。
「とりあえずアレを倒せば出られるんじゃない?」
葉姉のそのセリフがヤツの運命を閉ざすことになろうとは、誰も思わなかった。
「え? じゃあ、ちょっと片付けてくるね?」
「「『えっ……』」」
小鳥がガ◯チャマンに突撃して行った。
『ぎやああああああああああああああっ!!!』
あっ、アイツ死んだな。とりあえず……合掌。
それから数秒の時が経ち、アイツの声は聞こえなくなった。そして小鳥が笑顔で帰ってきた。
たったの数秒で終わらせるとはなんてチートなやつなんだ……
「あっ、何か空間に亀裂が……」
マジかよ。アイツボス的なヤツだったのかよ。小鳥様があっさりと終わらせてたけどそれで大丈夫なのかよ。
そして、白い光が俺たちを包み込んだ。
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「宝石少女 ~剣も魔法も使えない上にお母様がチート過ぎたので魔力操作を極めることにしました~」
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