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幼なじみを庇ったら幼なじみと親友の娘になりました  作者: ふきゆきのした
3章 銀髪幼女の生活 ~~高校生編~~
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第111話 空に浮かぶ無数の星々、幼女はその星々を観測する

 完全に天文学の回です。


 目を覚ますと無数の星々があった。


「きれい……」

「起きたのね」


 小鳥のその台詞を最近よく聞くような気がする……


「もっと他のみたい」

「ちょっと待ってね……よいしょ」


 小鳥が俺を抱っこして俺に見えるようにしてくれる。


「あっ、レグルス! あっちにはスピカ!」

「見つけるの早いわね……」

「そうじゃな……イリスちゃん! M104じゃ!」

「見せて!」


 俺はシノバさんの天体望遠鏡を覗くとそこには銀河が見えた。


「ソンブレロ銀河……」


 別に珍しいものではないが、何故か天候や風邪などの病気に見舞われ今まで見ることが出来なかったので非常に嬉しかった。


「そんぐれろ?」

「ソンブレロ銀河じゃ。乙女座にある銀河のことじゃ。たしか形がメキシコのソンブレロという帽子に似てたからつけられた名前だったような気がするの」


 シノバさん以外と詳しいな。なかなか語り合いが出来そうだ。


「ところで幼女座はどこにあるのかしら?」

「今度こそ本当に胸を無くしてあげますよ」

「じょ、冗談だから! た~い~よ~う~!」


 部長は日向先輩に抱きついた。

 今すぐリア充滅べよ。せっかくの綺麗な星が台無しだろ。


「あそこが北斗七星でこっちがスピカだから春の大曲線はこんな感じかな?」

「そうじゃな。一応ギリギリ夏の大三角形が見えるの」

「イリスちゃんもシノバさんもよく分かるね……ボクにはただの点々にしか見えないよ……」


 まあ、端からみたらそうだよな。でもどっぷりと天体沼に浸かった俺たちには脳内で勝手に星々に線が引かれて星座が完成しているんだよ。


葉因渡山(はいんどさん)もなかなかじゃったが、こっちの方が凄いのぉ……」

「そうだね……」


 それからしばらく俺とシノバさんは椅子に座って星について語り合っていた。

 ちなみに葉因渡山は小学校卒業後に行った山のことだ。よくよく考えればあの時もスピカを見てたような……


「そろそろ帰るかの」

「そうね。じゃあ今日は各自適当なところで解散にしていいわよ」


 するとシノバさんたちは帰って行った。


「よいしょ、じゃあ帰ろっか」

「もう少し見る」

「そう?」


 小鳥はさっきまでシノバさんが座ってた椅子に座った。


「今日はありがとね。でも元はというとトイレにガムテープを貼って椅子とか置いてたイリスちゃんが悪いんだからね!」


 だってGが居たんだから仕方ないだろ。


「そんなことよりポケットに入ってるルービックキューブ取って揃えてくれる?」

「イリスちゃんにとっては『そんなこと』なのね……でも私にとっては生か死の境目だったのよ?」


 どうでもいいから早くしてくれ。


「はい、揃えたわよ……え?」


 完成したルービックキューブは天体望遠鏡へと変形した。


「イリスちゃん、私これに似たやつを数億円で売ってるのを見たんだけど……」

「その数億円で買ったやつだけど?」

「将吾、これはさすがに甘やかし過ぎよ……」


 俺は別に買ってくれるならそれでいいから将吾の親バカは気にしてないよ。


「じゃあ観測でもしようかな? ミトコン、リュックから星座早見板、ペン、ノート、時計、カメラを取り出して」

『人使いの荒いヤツだな。ほらよ』


 ミトコンドリアが影から出てきて小鳥に渡すと同時に俺は椅子から降りてミトコンに乗る。


『危ないな!? 落ちたらどうすんだよ!?』

「小鳥お姉ちゃん、記録お願い」

「はいはい」

『無視かよ……』


 基本的に俺がやることは来年どうなってるのかを自力で計算するというものだ。地球の自転はおよそ時速1700kmだが、これは赤道上の速さ。日本は時速1400kmぐらい。

 これと地球の公転速度である時速約108,000kmを使って計算する。本当なら銀河とかの速さも計算するべきなのだが、さすがに辛いものがある。


「恒星の位置は変わってないものとして考えて、今は夏の大三角形がギリギリ見えてるからそこから計算して……」

『このガチっぷり、普通の幼女には見えないな』

「うるさい黙ってて! これに公転速度を入れると春の大曲線は……小鳥お姉ちゃん、端の方にデネブだけ書いて」

「点打つだけじゃない……」

『(コイツなんでこんなに暗算できるんだ……?)』


 それから数時間ぐらい計算して、小鳥に模式図を描かせた。


「完成!」

「よかったわね。私はもうくたくたよ……もう帰るわよ」

「もうちょっとだけ」

「えっ……」


 現在、時刻は午前2時を過ぎていた。


『お前幼女のくせに徹夜とか身長伸びないぞ』


 もう諦めてるからいいよ……どうせ幼女のままだよ。それより続き見たいからもう少し高くして


『そろそろ椅子に座ってくれよ……』


 それから俺は朝日が昇るまで観測した。


「こんなにやったのいつ以来だろ?」

『俺が知ってる限りはお前が死ぬ前日だな』

「…………」


 徹夜とか結構やってんな。そろそろ帰るか。小鳥は……


「イリスちゃん……塩と小麦粉間違えてるわよ……アリサはそんな所で土下座しないで……」


 どんな夢見てんだよ。さすがの俺でも塩と小麦粉は間違えないぞ。


「仕方ないなぁ……ミトコン」

『本当に人使い荒いな! 仕方ねーな!』


 なんやかんやで言うこと聞いてくれるミトコンドリアが大好きなんだよね……?


『おまっ!? 照れること言うな!』

「なっ!? い、言ってないもん!」


 本日13時より新作『宝石少女』を連載開始します。今回もTSモノです。最初は幼女で、ある程度段階を踏んでから少しずつ成長させる予定です。

※主人公が巨乳になることは絶対にありません。これは私の作る作品全ての共通事項です。巨乳好きの皆様、どうも申し訳ありません。


 今日と明日は3本ずつ投稿するので、よろしくお願いします。



 『宝石少女 ~剣も魔法も使えない上にお母様がチート過ぎたので魔力操作を極めることにしました~』

 https://book1.adouzi.eu.org/n5026ga/


※本日13時になるまではアクセスできませんのでご注意ください。

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