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幼なじみを庇ったら幼なじみと親友の娘になりました  作者: ふきゆきのした
3章 銀髪幼女の生活 ~~高校生編~~
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第105話 集いし願いが我らの求める幼女となる! 笑顔増やす道となれ! 飛翔せよ! スターダストテディベア!


ーー三人称視点ーー


 幼女反対組織『反幼』一行は対象の幼女に仕掛けたイタズラを見るために教室に移動した。


「確かここの担当はお前だったな」

「はい。抜かりありません。摩擦、遠心力、重力、空気抵抗など、全て計算して仕掛けました」

「お前無駄に頭いいくせに使い方酷いな! だが悪くない!」


 無駄に頭の良い部下Bは隊長に説明をするように言われて説明することになった。


「まず対象の幼女が座るために椅子を引きます。すると仕掛けが作動して、テコの原理やふりこなどを使用して時間を稼ぎます。そして対象の幼女が座るタイミングで幼女の膝の上に」

「膝の上になんだ? 薄力粉か? 小麦粉か? それとももっと凄い何かか!?」


 隊長のテンションは非常に高くなっていた。間違えなく対象の幼女が大声を出すこと間違いないと。確信を持っていたからだ。


「はい! 上からくまのぬいぐるみが落ちてくるようになってます!」

「…………」



「わっ! 見てアイちゃん! 空からくまさんが!」


 対象の幼女は大声をあげた。


「良かったねイリスちゃん」


 良かったね隊長。君の予想通りだ。


「お前ふざけんなよ! あれだけ大掛かりなことしておいて何テディベアプレゼントしてんだよ!」

「ふっふっふっ、甘いですね隊長。これでは終わりませんよ?」

「なんだと!?」

(まさかテディベアの中に何か仕込んでるのでは!?)


 隊長のテンションは再び絶好調になった。


「なんとあのテディベア、周囲が暗くなると()()()()()

「…………」

(コイツ使えねー。次はC子だったな。コイツはやるときはやる女だ。できるに決まってる)



 それから授業が始まり、昼休みのこと……



「よし、お前ら行ってこい」


 隊長は部下A、Bを我らがショタっ娘アイたんの元に向かわせ対象の幼女をボッチにした。


「私……またボッチ……」


 対象の幼女はイタズラよりもボッチの方がダメージを受けているが、隊長たちがそれに気づくことはなかった。


「ルーシー。小鳥のところ行く……」

「わふっ」

「うるさい」


(急に1人で話始めてどうしたんだ?)


 対象の幼女が犬と会話できることを知らない隊長は不思議に思ったが、気に止めることはなかった。なぜならいつものことだから……


「隊長、対象は保健室に行くようです」

「わかった。準備しろ」

「はい」


 部下Cは保健室に行く途中にある廊下に向かった。


「じゃあ私たちも行くぞ」

「はい」


 隊長は部下Dと共に対象の幼女を先回りした。


「C子、どんな仕掛けをした」

「私をA、Bと一緒にしないでくださいよ? まず対象の幼女の犬がここに張ってある糸に引っ掛かります。すると犬は転び、対象の幼女が転倒」

「おおっ!?」


 A、Bたちとは違いやはりやるときはやる女だと隊長は思った。


「そして対象の幼女が泣かないように転倒する直前に天井から巨大なテディベアを用意して、そこに対象の幼女を転倒させます」

「お前バカじゃないのか!? 余計なことをするな! あとまたテディベアかよ!」


(コイツも使えねーな! だが、次は我らが誇るエージェントのDだ。本命中の本命といっても過言ではない!)


「わふっ!?」

「きゃっ!?」

ポフッ


 対象の幼女は巨大なテディベアの上に落ちた。


「え? くまさん? おっきい……ルーシー、これ保健室に運ぼ! ほら背中に乗せるよ! ココと二人で持って!」

「「わんっ!?」」


 対象の幼女は嫌がる犬たちの背中に無理やり巨大なテディベアを乗せた。


「結構重いね。でも余裕だよね?」

「「わ、わふっ……」」


「……次行くぞ」


 時は放課後。部下Dが仕掛けを済ませ対象の幼女が下駄箱を覗くのを待つ。下駄箱の中には幼女にはまだ早いであろう恋文(ラブレター)(笑)が入っている。


「なんだろこれ……午後4時に教室?」


 教室に来る確率を上げるために部下A、Bにアイたんと帰るように命じ、対象の幼女をボッチにさせた。


「まあ暇だし行こうかな?」



「よしっ! 仕掛けは出来てるな?」

「当たり前です! きっとビックリしたあまりに腰が抜けて動けなくなりますよ! 私たちは教室に入って待機です」


 教室に行くと部下A、Bと我らのアイたんがいた。


「ごめん、バレちゃった。だから誘拐してきた」

「なにやってんだよ」

(まあ計画に支障はないしいいか)


 そんなこんなで時間が経って対象の幼女が来る時間となった。


「では対象の幼女が来たらこちらの銃で撃ってしまいましょう」

(す、少しやり過ぎじゃね?)


 やり過ぎと思いながらも銃を受け取り全員で体勢を取る。


「ここかな?」


 そして対象の幼女が教室の扉を開けると同時にトリガーを引いた。


パーンっ!


「「「イリスちゃん! サプライズパーティーだよ!」」」

「えっ……」


 対象の幼女はその場で座り込んでしまった。そしてクラスメイト全員が掃除ロッカーの中から出てきた。


「「質量保存の法則は!?」」


 対象の幼女と何も知らなかった隊長が声を合わせてツッコミをした。


ーーイリス視点ーー


 誰が対象の幼女だ! っていうかこれ何のサプライズだよ!?


「イリスちゃん、ケーキだよ! イリスちゃんがボッチだからみんなで慰めてあげようパーティー開催!」

「あっ、うん……」


 かつてこれほど虚しいサプライズパーティーは存在しただろうか……否、これはサプライズパーティーではない。これは処刑パーティーである。……泣いていい?


「見て! イリスちゃんが感動のあまりに泣いてるよ!」

「そんなに嬉しかったのですね……」


 違う。違うの……俺はいま虐められてるの……虐められて泣いてるの……


「お前らなんなんだよ!? さては私のことを騙しやがったな!」

「「「はい、その通りですがなにか? むしろこんなかわいい幼女にイタズラなんて頭大丈夫ですか?」」」

「急なマジレスやめろ!」


 ……イタズラ? もしかしてこのくまさんのことか? さすがに巨大くまさんは保健室に置いてきたが、こっちのくまさんはちょうどいい大きさだから今も持ってるんだけど……これがイタズラなら基準低すぎじゃね?


「もういい! おいクソボッチ幼女。お前の弱点はこれだろ?」


 リーダー的なヤツが俺にGを見せてきた。

 か、身体が動かない……いや……やめて……


「喰らえ!」

「いやあああああああああああああっ!!!」

『アオーン!』

ベシッ!

「え?」


 そこからは後ろを向いていたから何も知らないけど、どうやら飛翔したGは俺の影に隠れていたミトコンがリーダーに跳ね返したようだ。


 そのあとは背後からリーダーの悲鳴とミトコンの『ウラアアアアアアアッ!!!』という声と何かをしゃぶるようなグチャグチャという音のみが教室中に響き渡っていた。


 次に振り返った時にはミトコンの口の周りに赤い液体が付着していて、クラスメイトたちは何もなかったことにしてサプライズパーティーを再開し、ケーキをおいしく食べていた。


 そしてこの日を境にクラスメイトが俺に優しく接してくれるようになった。あとリーダー的な人が学校に来なくなった。それどころか警察に行方不明届けが出されて悠司から知ってる人は先生に名乗り出るよう言われたが、誰1人として名乗り出た者はいなかった。


 この事件はアリサの教室破壊事件や小鳥のお餅爆散イタズラ事件同様に迷宮入りしたのだった。


 ちなみにサプライズパーティーのケーキは食べると低温火傷するためイリヤちゃんに食べてもらった。

 ケーキ食べたかったな……


「あっ! このくまさん光った!」



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