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幼なじみを庇ったら幼なじみと親友の娘になりました  作者: ふきゆきのした
3章 銀髪幼女の生活 ~~高校生編~~
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番外編 はっぴーばれんたいん!

※この話は本編とは一切関係なく、バレンタインデーだったからという理由で作ったお話で、イリスが中学三年生の時の話です。


「ほら早く混ぜる」

「わかってるから!」


 今日は2月13日、バレンタインデー前日である。俺は小鳥にチョコの作り方を教わりながら作っている。


「どうしてこんなことに……」






 事の発端は3時間前に遡る。

 その日は休日でルーシーをソファー代わりにしてだらけていると小鳥が俺の元にきた。


「ねえ、イリスちゃんは誰にチョコ上げるの?」

「え? なんで私が作るの?」

「イリスちゃんだって立派な女の子なんだからバレンタインぐらいチョコ作らないと」


 ……作らないと?






「お友達出来ないわよ」



 フッ、その程度の脅しがこの俺に効くとでも思ったのか。

 俺はルーシーから離れて星座する。そして手を前につき、頭を下げた。


「お願いします。作り方教えてください」

「わかればいいのよ。そうと決まればさっそくチョコを買いに行きましょう」


 俺は小鳥とルーシーでチョコを買いにスーパーに行った。


「売り切れ……?」

「マスクもないわ」


 いや、いまはそんなのいらないから。コロナウイルスで大変かもしれないけど、関係ないから。


「仕方ないから、次に行きましょう」

「別にあそこにある豚足でもいいんだけど……」

「そんなの貰って喜ぶ人なんてどこにいるの!?」


 でも何処かの人はホワイトデーで豚足にマシュマロ巻いてる人いたよ?


「そんな人この世界にいません。あっちでやってなさい。こっちではやらない! ほら、ネオンに行く!」

「はぁい。ルーシー行くよ」

「わんっ!(てやんでい!)」


 毎度のことながらルーシーってどこの時代の人なのだろうか?

 俺と小鳥はネオンモールへと移動するとなにやら女子の人だかりが出来ていた。


「あれは……」

「チョコを求める女子よ。基本的にクラス全員に上げる陽キャと友人に上げる陽キャ、1人にしか上げない一途な陽キャとよくわからない陰キャ、誰にも話しかけられない陰キャに分類されるわ。みなさい、あの勢いを」


 小鳥の指さした人を見てみると凄い勢いでチョコを取りに行ってた。それに対して、横にいる眼鏡をかけた見た目腐女子的な人はこっそりと1つだけ持って行った。


「さて、イリスちゃんはどうするの?」

「私は……」


 陽キャにはなれないのは知っている。だから陰キャに相応しい感じであそこに入る!


「ルーシー!」

「あおーーーん!!!(幼女様のおなーりー!!)」


 ルーシーの遠吠えがホール全体に響き、チョコたちに夢中だった女性全員の動きが止まった。


「ready go!」

「あおーーーん!!!(アサルトルーシー!!)」


 『No chance of surviving this Lucy.』……このルーシーから生き残る見込みはない。


 ルーシーはチョコ売り場まで走り出し、チョコをいくつか咥えて戻ってきた。


「お疲れさま、ルーシー」

「わんっ!(お安いご用でやんす)」

「(Presented by Lucy……)」


 ルーシーの咥えたチョコをレジに持って行くと、店員さんに犬を入れるなと怒られたけど、上目遣いでお願いしたらあっさりと許してくれた。






「というわけでチョコを作りましょうか」

「はいはい」

「じゃあチョコを刻んで……」

「ひっ!?」


 小鳥が包丁を取り出すと例のごとくその場に座り込んだ。


「あげるからあとは自分でやってね?」


 小鳥が俺を椅子に座らせるとチョコを刻み始めてからすぐに終わり、呼ばれた。


「じゃあまずは溶かすところからね。もう温めてあるからこれにチョコを入れて……」


 小鳥に言われた通りに刻んだチョコを入れて、湯せんをあてる。

 それからサラダ油を入れたり、数回空気を抜いて、小鳥があらかじめ用意していた型に流し入れる。

 そして、仕上げに上から(小鳥が)別に作った小さなクッキーを盛りつけて冷蔵庫に入れて完成!


「それで、誰にあげるの?」

「えへへ、ないしょ」

「そう」




 バレンタイン当日……


「はい、月美ちゃん」

「ありがとうイリスちゃん」


 おや? 男ども。どうしてそんなにそわそわしてるんだ? 誰にも貰えない可哀想なお前らの分もちゃんと用意してやってるからな?


「みんなの分もあるからね~」


 月美ちゃんも用意していたようで、男子たちに配っていく。


「「「ありがとうございます! きょ……月美様!」」」


 おい、いまお前らなんて言おうとした? きょ?


「幼女様! キブミー! チョコレート!!」


 モブが手を出してきた。その90度の体制はなかなか辛いだろう。それに君は月美ちゃんからチョコを貰わなかった偉い人だ。特別にあげよう。


「はい、どうぞ」

「ありがとうございます!!!」


 他のモブどもがこっちを見てくるが、巨乳に目が行ったやつなんて知らないので、そっぽ向いた。


「イリスちゃん、ふて腐れちゃってかわいいよね~」

「癒されるよね……」


 それから巨乳に目が行った男子どもがまさかの土下座をしてくる展開になり、結局全員にあげた。

 女子たちも友チョコ交換して、前世よりも遥かに多い数を貰った。


「はい、アイちゃん。ハッピーバレンタイン」

「ありがとうイリスちゃん」

「はい、小鳥お姉ちゃんも」

「ありがとね。はい、これ私から二人にね」


 さて、小鳥の作るチョコに本命はあるのかな?


「あっ、イリスちゃんのはわさび入ってるから」

「え"っ」

「冗談よ」


 下手に小鳥をからかうのは止めておこう……


「イリス、俺には? 俺にはないのか?」


 将吾、娘にチョコをねだるんじゃない。


「はい、これでいいでしょ」

「やったぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 将吾のリアクションは今日見た中で最もテンションの高いものだった。

 さて、今日はもう寝るとするかな。……誰か忘れてるような気がするけど……まっ、いっか。








「わふっ(主、隣の家の娘を忘れてますよ)」

 次回、『イリスたちの実家帰り 3』


 2と3の間にバレンタインデーの話を挟んでしまってすいませんでした!

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