第93話 理不尽な健康診断と新たなる究極奥義
滅べ健康診断。と思っていたら俺とアイちゃんだけ病院でやることになった。
「じゃあイリス、何からやるか? 身長体重からか? それとも歯科か? 内科か? 全部揃えてあるから好きな順番でやれよ」
生徒二人に対しての医者の量がおかしい。余裕で50人超えてないか?
「と、とりあえず歯科で……」
歯科。とりあえずやってみたら5人がかりで俺の口を見てきた。さすがに恥ずかしかった。
絶対に心電図とかやりたくないんだが……
「次は視力で……」
またしても5人がかりで見てきたんだが……俺は5ヶ所同時に視力検査はできんよ。
次は聴力だな。まあ、全員見てくるだろうな。
カシャッ!
おい誰だ今写真撮ったやつは。今すぐ外に放り出せ!
「どうしたのイリスちゃん?」
「お前か。学校サボってるんじゃないよ」
「私はイリスちゃんの尿検査係だからね」
なぜに放尿プレイ!? お前そんな趣味持ってたのかよ!
「次は何にする?」
あと残ってるのは内科、心電図、身長体重、尿検査?
「残りは私と将吾でやるからモブは帰らせたわよ」
最初からモブがいらなかった説。全部小鳥で良かっただろ。あの辺に落ちてるモブの汗が凄いぞ。
「じゃあ内科で……」
「イリスも少しは胸が大きくなってもいいのに小さいままだな。アリスの方が「なにか言った?」な、なんでもありません」
たぶん過去最高に底冷えた声だったと思う。自分でも驚いたよ。
「よし、いいぞ。じゃあこのまま心電図やるからそこで寝てろ」
心電図、異常なし。
「次はどっちがいい?」
「尿検査で……」
「そこまで身長が計りたくないのか」
当たり前だろ。どうせ1cm増えてたらラッキー程度なんだからな。
「はい、コップと容器ね。コートはちゃんと着て行ってよ」
よかったトイレで……さすがに放尿プレイはなかったな。
「じゃあ最後は身長体重だね」
「アイちゃん、先に身長計っていいよ。その間に体重計るから」
「イリスちゃんこそ先に身長でいいよ。ほら、女の子って体重気にするじゃん? だからより減らしとくべきだよ」
そんなに変わらねーよ。少し動いただけで体重が減ったら驚きだわ。
「いいから二人とも早くここに立ちなさい」
まさかの二台あった件。
俺とアイちゃんは同時に計られた。でも俺の身長が2cm縮んでアイちゃんの方が俺より20cm大きかったことにショックを受けた。お前もう幼児じゃねーよ。俺の敵だよ。
翌日……
今日は休みだ。でも俺はわーちゅーばーで歌かKYOETOMOを週1で投稿しないといけないので録音している。たまにアイちゃんに手伝って貰っている。先週はデュエットまでした。
ネット上では『ツインロリシスーターズ』とか言われてる。これ考えたやつはロリコン確定である。
あと最近はどこかの運営が歌ってくれないかとオファーを出してくるようになった。もちろん『病院の院長の権力』と『小鳥のチート能力』で全て弾いた。
「よし、今日の分終わり! アイちゃんありがとね。ちょっとルーシーたちと散歩行ってくるね」
「ボクはお母さんと出かけるから」
「うんわかったよ」
小鳥とアイちゃん出かける日が結構多いな。一生独身チート処女が子供を持つと親バカになるのか。
「じゃあ行ってくるね」
「いってらっしゃい」
俺は玄関を出てルーシーたちを連れて散歩に出掛けた。
「わんっ(でそう……)」
わかってるよどうせまたやるんだろ?
プゥェェェェェ……
ブエッ!
ブリブリブリブリ……
ペェェェェェ……
ドゥオンッ!
どるりゅゅゅゅゅ……
ぐぅおん!
ん? なんか2匹分多いような……
「ルル、ノノ。どこ行くの!」
月美ちゃんだ。出番なくなったのかと思ってたけどルーシーたちの散歩回で必ず出てくるんだね。
「イリスちゃん……『究極奥義! 三日月流 幼女切り!』」
「ふわっ!?」
ばたんっ!
俺は月美ちゃんにマイハリセンで叩かれた。
なぜ出会い頭に究極奥義を……
「やっぱり足りないわ……」
「そういうのいいから早くルーシーの上に乗せて」
究極奥義三日月流 幼女切りは幼女の動きを封じる効果があるらしい。というかある。実際にいま動けないしな。
「はい、これでいい?」
「ありがと。でもなんで私は攻撃されたの?」
「最近何か足りなくて……少し付き合ってくれる?」
めんどうな予感……
「あとで鮭買って上げるから!」
「仕方ないなー」
「……チョロいってよく言われない?」
鮭で釣っておいてよく言うよ。鮭は嗜好の究極なんだから仕方ないだろ。
それから俺は月美ちゃんの究極奥義をひたすら眺めていた。
「イリスちゃん! そろそろ夕飯だよ! 今日は鮭だけどいらないの?」
アイちゃんだ。夕飯の時間なら仕方ないな。さて、帰るか。
「はっ!? きた! 『究極奥義! 三日月流 幼女双頭切り!』」
「「うっ!」」
ばたんっ!
片方幼女じゃないんだが……というかコイツは幼児ですらない裏切り者だ。あとついでに俺を一緒に叩かないでくれ。
「二人ともありがとね。はい、約束の鮭よ」
「「よしっ!」」
アイちゃんも鮭大好きだから二枚貰ったらもうアイちゃんのテンションがヤバくなりそうだ。
それから月美ちゃんと別れて俺とアイちゃんはルーシーたちに乗せられて家に帰った。約束の鮭は明日で今日は魚屋の鮭を食べた。




