香崎結香の家庭事情①
結香の性格がかわっているような……?すみません。若干設定を直したので文章も少し変わりました
あれから二週間が過ぎた。携帯を開けて見るがメールも電話もない。
そう誰からもなにもない………。
私には、クラスメイトはいるけど友達と呼べるほど親しい人がいない。
いじめられているわけじゃない。なんとなく他の人と接するのが苦手。
いや、わからないってのが正解かも。
多分、育ってきた環境が影響してるんだろうなぁ。
よくそれで彼氏ができ、付き合うことができたもんだと自分でも思うよ。
通っている高校が違うし、年齢も彼のが1つ年上の高校二年生だから接点はないから。
手もつないだこともなければ、キスだってしたことない。今の時代では考えられないほどの清い交際だったんだもん。話も私が一方的にしていることが多かった。
彼は私のどこがよかったんだろう?
告白されたときは驚いて、固まったわ。
だって、絶対ありえないことが起きたんだから。
だってモデルと言ってもおかしくない人からされたんだよ。
立ったまま夢見ているのかと思って頬をつねった。
それで、夢じゃないということがわかったけど。
彼に笑われて、少し恥ずかしかった。
あのときは天にも昇る思いで浮かれたっけ。
だって彼は、付近の中高生の憧れの存在。しかもファンクラブがあるほど。
ええ、私の学校にもありましたよ、もちろん。
私は入っていなかったけど……ファンクラブがあるほどの人気者というのを、付き合ってから知りましたから
彼の前カノさんは美人というよりほのぼのとした可愛い系みたいでした。
付き合うことを隠していなかったから、すぐにファンクラブに知られ、彼女さんは嫌がらせを受け始め、最初は些細な嫌がらせだったのが、だんだんエスカレートして彼女さんは精神的に追い詰められ壊れる一歩前までいったそうです。
そんなことがあったものだから、彼は付き合っているのがバレないように回りの人には言わず、私にも言わないでほしいと言ってました。
彼はファンクラブをもしかしたらかなり憎んでいるかも。
好きな人が壊れる寸前まで追いつめられたのだから。
あまり表情が変わらない彼が、思わず私が後ずさるほどの怒りの表情で話していたから憎まないほうがおかしい。
……もう私には関係ないことだけど。
嫌がらせを受けないとほっと安心すると、同時になんともいえない寂しさがよぎる。
彼は私のこと好きじゃなかったとしても、大事にしてくれたのはわかっていたから。
初めて私を見てくれたひと。両親でさえ私を私と見てくれてないからすごく嬉しかった。
両親―あの人たちは私のこと子供ではなく、自分たちの親たちへの義務としてしか見ていない。そのことに私はしばらく気がつかなかった。
自分の家族が『普通』ではないことに。




