キスのその後
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時は少し遡る。今、何をされたかわからず、秋登は呆然とした。
がすぐに我に返り、美麗にキスされているとわかった瞬間、秋登は美麗を突き飛ばした
「きゃっ」
美麗は尻餅をつき、呆然と秋登を見上げた。まさか突き飛ばされるとは思わなかったのだ。
秋登は冷たい目をして美麗をにらむと、服の袖口で唇をごしごしと擦った。
まるで汚れたといわんばかりに。いつも優しく、多少無理なお願いごとを言ってもしょうがないなと苦笑しつつ、やってくれたのになぜ、突き飛ばされ、冷たい目で秋登に見られるのか美麗にはわからなかった。
「なんで?」
思わず、美麗がつぶやくと、視線の冷たさにびっくと体が震えたが、自分が理不尽な扱いを受けたのに腹を立てた。ぷうと頬をかわいく膨らませ、右手を差し出した。
第三者から見ても美麗は可憐な美少女。怒っている姿さえかわいいと思われるだろう。しかも立たせろと手を伸ばされたら、普通の男ならすぐに起こすだろう。
たが秋登は逆に腹が立った。なぜ自分が怒っているのがわからないのかと。まだ、愛しい結香としていないのになぜ美麗としなきゃいけないだと、怒鳴りそうになるのを無理やり沈めた
「なぜ。俺が怒っているのかわらないのか?」
ってきり謝って、優しく起こしてくれるのかと思っていると、無表情に淡々と言われ、そのことがわからず美麗は首を傾げた。
「なんで私が謝るの?謝らなきゃいけないのあきくんのほうでしょ」
なかなか起こしてくれない秋登にいらつきながら言った。
「俺は好きでもないやつととキスする趣味はない」
一瞬美麗は何を言われたかわからなかった。もう一度言われたことを思い返し、ようやく何を言われたのか理解し、顔を真っ赤にして叫んだ。
「あきくんは私のこと好きでしょ!」
自分が人が行きかう道端で、地面に座っていることも忘れて。さっきから行きかう人が何事かと2人を見ているのに気づかずに。
「いつ俺が好きだと言ったんだ?第一にどこの世界に好きな子とキスして突き飛ばすバカいるか」
美麗は秋登を指差してここにいるじゃないと言った。なぜこうも美麗が勘違いしているのか秋登には不思議でならなかった。
自分がとってきた態度を思い出しても、好きだと言ったこともなければ、デートなどもちろんしたことない。家族ぐるみでどこかに行くことはあったが
「あきくん、なんでそんなに照れてるの?」
心底不思議そうに、美麗が聞いてきたが、こっちがなぜそんなに勘違いしているのか、不思議でしょうがなぇよと思いつつ、なんだこのばかげたやり取りはと思った。
会話がかみ合わなさすぎだろう。はっきり今ここで言っても美麗は理解できるかわからないが、さっきから遠巻きに見ている人たちもいるので、これ以上見世物になるのはごめだとさっさとこの場を去ることに決めた。
今日だって話があるから一緒に帰って欲しいと、深刻な表情で言われたから、嫌とも言えず、渋々一緒に帰ったら腕は組まれるわ、キスはされるわで腹が立つことしかない。
今まで自分はよくこんな女を妹として扱ってきたもんだと自分に飽きれる。朋樹に言われるまでわからなかったとは情けなさすぎる。
予想しいたよりも物語が長くなりそうです。




