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悪役令嬢と王子殿下の交換日記  作者: 池中織奈


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届け物の調査と、ホワイトデー―14歳―

 リド歴793年 三の月 一日


 侍女の正気が戻っているのは良いことだね。でも対策のための魔法具を用意していても抜け道があるというのは恐ろしいものだね。より一層学園に入学するまでに時間はないけれど対策に力を入れないといけない。ソロサヘルたちに魔法具の制作を急がせるよ。

 時間があまりないから少し間に合うか不安だけど、なるべく間に合わせるようにするよ。

 僕も何かあったらちゃんとミリーに相談するよ。僕も自分の意思でミリーの傍を離れることはありえないから、何かあったら僕を正気に戻してね。ミリー。僕もミリーがおかしかったらミリーを取り戻すために全力を尽くすよ。


 ティモ


 リド歴793年 三の月 四日


 なんだかティモが動いてくれていると思うと本当に不安もすべて吹っ飛ぶの。

 これからのことで不安なこともあるけれど、でもティモは私の味方でいてくれる。その事実って凄く安心できることだわ。

 ティモの方にも何かしら届いたら大変だから、気をつけてね。

 ええ。私はティモが自分の意思で私の傍から離れないって知っているから、あなたが傍を離れるなら行動するわ。それにしても公爵令嬢の私の元へああいったものが届く環境というのはちょっと不穏よね。


 ミリセント



 リド歴793年 三の月 八日


 僕もミリーが僕の傍に居てくれるって分かっているから安心しているよ。

 城内でそういう影響を与えられているものがいないか調査しているよ。

 あとミリーに届いた不審物、送ってきた元を突き止めたけどもぬけの殻だった。逃げ足が速くてびっくりする。その連中の末端は捕らえられたけれど、精神がおかしくなっている状態みたいですぐに話しが聞けないみたいなんだ。

 ただメモは見つけたよ。

 ミリーが教えてくれた言語で書かれていて、全部は難しくて読めてない。

 あとミリーの元に今後、おかしなものが届かないようにはこちらでも徹底させる。僕のミリーに何かをする連中には徹底的に報復しとかないと。


 ティモ



 リド歴793年 三の月 十二日


 城内にまで何かしらの思考を操作されている人が入り込んでいたら大事よね。

 一国の王族や貴族相手にそういったことを行うというだけでも重罪で、罰が与えられることなのにどうしてそういうことをわざわざしようとするのだろうと不思議だわ。

 その相手が乙女ゲームの事を知っているにしても、自分の命を危険にさらすことを行うのがよく分からないなと思うわ。

 来月そっちに向かうからその時にそのメモを見せて。私が読むわ。

 ティモは本当に私を大切にしてくれていて、それが嬉しいわ。


 ミリセント



 リド歴793年 三の月 十四日


 ホワイトデーのクッキーを送ったから食べてね。今年も僕が作ったものだよ。

 城内にも影響を受けている者が下っ端だけで居たから、そのあたりの対処は進めているよ。

 本当にミリーの言う通り、発覚して捕らえられれば重罪を課せられることになるのにどうしてそういうことをするんだろうね。そういう罰を受けても構わないと思って行動しているのか、それとも自分たちは捕まることは絶対にないとそんな風に思っているのか。どちらにしてもそういう思考をしている連中は放っておけない。

 僕がミリーを大切に思っているのは当たり前だよ。だってミリーは僕の唯一なんだから。



 ティモ



 リド歴793年 三の月 十七日


 ティモの作ったクッキー、今年も美味しかったわ。

 年々お菓子作りが上手になっているわよね。私の好みのお菓子ばかり作っているし、本当にティモは凄いわ。

 城内にまで影響があるとなると不安だわ。私はティモに何かあったら嫌だと思うもの。私ももっとティモのことを守れるだけの力があればいいのにってそう思って仕方がないわ。

 私にとっても、あなたは唯一よ、ティモ。


 ミリセント



 リド歴793年 三の月 二十一日

 

 ミリーに喜んでもらいたくて色々作る練習しているからね。

 城内以外にも影響が出ていないか調べたけれど、エイブルガンたちの方にも来てたみたいだから対応を命じているよ。やっぱりその乙女ゲームの登場人物たちに何かしらしようとしているみたいだと思う。

 何がしたいのかは分からないけれど、やっぱり警戒は続けなきゃだめだね。


 ティモ



 リド歴793年 三の月 二十五日


 そういう風に裏で動いているってことはやっぱり主人公にも何かしていると思うのよね。

 学園に入学した後に、もっと活発的に動き出しそうだなと思うと怖いわ。ティモや私の家でも対応しているのに中々黒幕にもたどり着けないのも不気味よね。

 ティモと学園生活を送れることは凄く楽しみで、学園生活は待ち遠しいと思うけれどその黒幕がどう動こうとしているのか、知っておきたいわ。

 ティモのところにあるメモで何かしら分かったらいいのだけど……。

 あと、もうすぐそちらに向かうわ。来月のファッションショー、楽しみましょう。


 ミリセント



 リド歴793年 三の月 二十八日


 本当だよ。僕らが命じて調べさせているのに黒幕に辿り着けないのは本当に歯がゆい気持ちになるよ。早くミリーの不安を取り除いてあげたいのになとそういう気持ちでいっぱいなのに。

 メモで何かわかったら一番いいよね。

 ミリーに会えること、凄く楽しみにしているよ。また抱きしめさせてね。


 ティモ



 

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