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悪役令嬢と王子殿下の交換日記  作者: 池中織奈


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領地への帰還―13歳―

 リド歴792年 十一の月 二日


 お疲れ様、ミリー。

 大元を捕らえられなかったのは残念だけど、ミリーに何もなくて良かったと安心しているよ。

 メモに関しても共有してくれるのはありがたいよ。

 ミリーの前世の言葉、僕もミリーに教わって少しは読めるようにはなったけれど、結構難しい言語だからね。

 今回の犯人を捕らえられるように、父上たちにも相談して動くね。

 

 ティモ



 リド歴792年 十一の月 七日


 領地にようやく帰還したわ。

 今回の事件の大元を捕らえられなかったことに不安はあるけれど、ティモが動いてくれると思うと安心するわね。

 バザーでの一件のこと、お父様たちにも軽くは伝えたのだけど心配されたわ。

 ああいう事件はない方が嬉しいけれど、多分そうはならないでしょうね。

 ちゃんと対応したいけれど、できるかしらと少し心配ね。


 ミリセント



 リド歴792年 十一の月 十日


 そうだね。おそらくこのままにはならないだろうね。

 逃げた大元もどこかで何かを起こそうとするだろうし。

 僕とミリーが学園に入学する時期にあわせる形で色々起こすだろうから、対応をきちんとしないとね。

 調査はすすめているけれど大元までは中々辿り着かないね。よっぽど隠れるのが上手いのか、他国にでも潜んでいるのか。

 来月のミリーの誕生日の時に、乙女ゲームのことでかき乱す人たちが何も起こさなきゃいいけど。

 ミリーの誕生日は楽しく過ごしたいから。


 ティモ



 リド歴792年 十一の月 十四日


 メモを読んでいるのだけど、いくつか紛失しているのか一部欠けているわ。全て残っていたら分かりやすかったのだけど……。

 前世の記憶がある人はそこまでいないようには思えるわ。ただその人が乙女ゲームの世界を知っているから、周りを動かして何か起こそうとしているというそういうことなのよね。

 メモの中では『乙女ゲーム』の単語があるわ。ヒロインへの計画……一部塗りつぶされているから読めないけれど、ヒロインを使って何かしようとしているのは確かだと思うわ。ヒロインのことが沢山書かれてはいるけれど、その名前は一つも書かれていなかったわ。

 ただその計画に関する詳しいことが分からないわ。何の計画なのかも分からないし。

 嫌な予感はするから、私たちが知らないところでヒロインに何かしているのかもしれないわ。

 来月の誕生日は楽しみだわ。ティモがお祝いをしてくれるとワクワクするの。本当に楽しい時間に何もないと嬉しいわ。


 ミリセント



 リド歴792年 十一の月 十七日


 一部が欠けていると、正しい情報が分からなくて困るね。

 そういうメモを誰も解読できないと思って放置したのか、あえて僕たちのような存在を知っていて攪乱させるために情報を残したのか。

 そのヒロインに対して、その人たちが何かやっている可能性も高そうだよね。ヒロインのことはミリーに聞いてからずっと探しているけれど見つからないし。

 何もないのが一番だけど、何かあることを考えて動かないと。父上が周辺諸国にまで調査を伸ばしてくれることにはなったけれど、これで見つからないのならばよっぽど隠れるのが得意なんだろうね。


 ティモ



 リド歴792年 十一の月 二十一日


 なんだか不安になるわね。

 学園への入学が近づいてきているから余計に、何か悪いことが起きてしまうのではないかと考えてしまって心配になるわね。

 ティモと一緒だから問題がないと思うけれど、ティモに何かがあったらと思うと……それだけで怖いわ。

 そういえばメモは日本語だからお父様、お母様にも軽く説明したわ。前世の記憶の事や乙女ゲームの事はティモにしか話していないけれど、この言語を私が理解していることは言ったの。

 おかしな子だって思われるかもと思ったけれど、お父様とお母様は受け入れてくれたの。私はなんだかそれが嬉しかったわ。

 お父様ももし日本語の書かれた何かを見つけたら持ってきてくれると言っていたわ。


 ミリセント



 リド歴792年 十一の月 二十四日


 心配しないで、ミリー。僕もミリーに何かがあるのは嫌だから全力を尽くすから。

 何かは必ず起きそうだけど、それでもそれが起きても大丈夫なようにしないといけないね。

 僕もミリーだけに負担をかけないように、日本語をもっと覚えようとは思う。

 もうそろそろそちらに向かうね。ミリーに会えるのが楽しみだよ。


 ティモ



 リド歴792年 十一の月 二十七日


 ティモがそう言ってくれると本当に何でも出来るようなそんな気持ちになるわ。

 もし何かが起こっても、学園入学後に恐ろしい事態になっても……私はティモのことを絶対に守りたいと思うの。だから私も何が起きても大丈夫なように色々備えるわ。

 ティモが来てくれると思うだけで私、とても楽しみだわ。ティモとこうしていつも交換日記でやり取りしているのにいつだってティモに会いたいなとそればかり考えているの。


 ミリセント

 

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