それぞれのお出かけの話とショーの準備―12歳―

　リド暦791年　三の月　三日

　ミリーが僕を信頼してくれているのを感じると嬉しいよ。

　僕の方はショーの準備も進めていたけれど、そろそろ視察に向かうんだよね。

　だからショーの方は城に残る人たちに任せているよ。護衛たちもいるけれど父上と二人で視察が楽しみなんだ。

　ティモ

　リド暦791年　三の月　六日

　護衛が沢山いるから大丈夫だろうけれど、道中には気を付けてね。盗賊や魔物が現れたら自分の身を最優先してね。

　私もお父様に声をかけて、お父様と一緒に出掛ける事になったわ。ティモの視察ほど遠くには行かないけれど、お父様と出かけられると思うとわくわくするわ。

　ショーの準備も王城の人たちと準備しているわ。今年は参加できると思うと楽しみだわ。

　ミリセント

　リド暦791年　三の月　九日

　盗賊や魔物もある程度護衛でどうにかなるだろうけれど、万が一の可能性があるからね。そのあたりは気を付けておくよ。

　やっぱり父上と一緒に視察に来られると勉強になることが多いよ。やっぱり机上の理論だけではなく、実際に行くことは大切だと思ったよ。

　公爵と出かけるんだね。どんなことがあったか教えてね。

　僕もミリーと一緒にショーに参加できるのが楽しみだよ。

　ティモ

　リド暦791年　三の月　十一日

　ティモが楽しそうで何よりだわ。こうして文章越しでもティモが楽しんでいることが分かって私も嬉しくなるの。

　ティモも沢山教えてね。

　私は早速カメラを活用しているわよ。必要な情報を瞬時に形として残せるカメラってやっぱり素敵なアイテムだと思うわ。ティモがいるから、カメラが出来たのだと思うわ。

　ショーの写真も沢山撮りたいわね。

　ミリセント

　リド暦791年　三の月　十四日

　ミリーも楽しそうで何よりだよ。僕もミリーが楽しそうで嬉しいよ。

　父上と一緒に出掛けての発見を別紙にまとめているよ。あと盗賊にも遭遇したけれど、護衛騎士たちが対処して事なきを得たよ。

　僕も沢山カメラでとったよ。もちろん、国家機密にあたりそうなものは写真を撮っていないけれど。ミリーに伝えられるものは、次に会った時に伝えるね。

　あとホワイトデーのクッキーも送るよ。出先でキッチンを借りて僕がクッキーをつくるのを、領主たちには驚かれてしまったよ。父上がクッキーをつくるのを許してくれてよかった。ミリーには手作りのクッキーをあげたいからね。

　ティモ

　リド暦791年　三の月　十八日

　沢山の情報をありがとう。ティモが生き生きと楽しそうに過ごしていることが分かって、それにためになる情報が沢山あって、とても良い視察だったのだとよくわかるわ。

　盗賊に出会ったなんて、その文章を見ただけで私は怖くなったわ。ティモが無事でよかった。ティモに何かあったら思うと恐ろしいもの。

　私も色々まとめたのを送るわね。

　ホワイトデーのクッキーもありがとう。ティモが私のためを思って作ってくれたと思うと嬉しいわ。

　ミリセント

　リド暦791年　三の月　二十二日

　ミリーも公爵と一緒に出掛けられて楽しそうで、良かったね。

　ミリーの情報にも色々な発見があるね。

　父上と一緒にもうすぐ王城に戻るよ。来月にはミリーと王城にで会えると思うと僕は楽しみだよ。

　会った時に沢山お話しようね。交換日記で幾ら話していても、話すことは尽きないね。

　来月のショーの準備に関しても問題なく進んでいるって情報が来ているよ。素敵な衣装を身にまとったミリーを見れるのを楽しみにしているよ。

　ティモ

　リド暦791年　三の月　二十五日

　私もティモと会えるのをとても楽しみにしているわ。

　ティモがどんなふうに過ごしているか、私も交換日記で知っている情報が多くても、やっぱりティモの口から、目の前で色んな話を聞きたいと思うわ。幾ら話しても話が尽きない関係でずっといたいわね。

　ショーでティモにきてほしい衣装も色々と準備してもらったのよね。去年準備していてきれなかったものも、ショーでは着れなくても、二人だけでファッションショーみたいにきてもいいわね。

　ティモと一緒にいられるだけでも楽しいけれど、ティモと何をしようかって考えているとより一層楽しいわ。

　ミリセント

　リド暦791年　三の月　二十八日

　そうだね。ずっと幾らでも会話が出来て心地よい関係を続けていきたいね。当たり前のようにその状態でいられるのが一番いいけど、ちゃんと互いへの思いやりは大事だって思うからミリーに嫌われないようにしようってそういう気持ちでいっぱいになっているよ。

　そうだね。去年着ることができなかった衣装を二人で着るのもいいね。ミリーが僕に見せるためにって素敵な衣装をしていると思うと僕はそれだけで楽しみになるよ。

　ミリーとだからこそ、何でも楽しいんだ。

　王城に帰るまでの馬車の中で父上に楽しみにしすぎだって言われたし、王城に戻ってからは母上とキッドにもからかわれたよ。

　ティモ