表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢と王子殿下の交換日記  作者: 池中織奈


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

66/123

新年と、乙女ゲームの登場人物たち―12歳―

 リド暦791年 一の月 一日


 あけましておめでとう。

 今年もよろしくね。ミリー。

 やっぱりミリーと会った後に、王城に戻ると少し寂しい気持ちになるね。

 ミリーと一緒にいると時間が経つのがはやくてびっくりするよ。

 新年のお祝いがされていて、王都は賑やかだよ。


 ティモ



 リド暦791年 一の月 四日


 あけましておめでとう。

 私もティモに会った後は寂しいわ。ティモのことが大切だからこそそう思うわ。

 そういえばティモ、バオリーナがすっかり屋敷に慣れているわ。乙女ゲームの世界ではちらりとしか出てこなかったけれど、現実にいるとこんな感じなのねってそういう気持ちになったわ。

 乙女ゲームの登場人物たちが確かに違う形でいて、やっぱり此処は現実だなってそのことを実感したわ。

 それにお母様やユージョンは、乙女ゲームではいなかったから、そういう救えなかった人を救えるっていうのは素敵だと思ったわ。


 ミリセント



 リド暦791年 一の月 九日


 ミリーが教えてくれた乙女ゲームの登場人物たち、僕らと実際に関わってる人たちが多くいるよね。

 でもミリーに聞いているものと結構異なっているよね。

 攻略対象と呼ばれる存在が僕に、僕の側近候補三人に、エルコッペに、疫病で国を憎んでた子と……他にも確かいるんだよね? その主人公の女の子は色んな人と恋愛しすぎじゃない?

 それにミリーや、他の婚約者の令嬢たちもライバル枠みたいなのでいるんだよね。あとキッドとか、フィガニードとかもだよね。

 ミリーって言う存在がいるからというのもあるけれど、そのミリーの知っている世界からは大分変っているよね。

 ミリーが動いたからこそ、変化して未来が想像つかないかもしれないけれど、まぁ、未来なんて分からないのが当たり前なんだから、そのことを怯える必要はないしね。

 僕が見ている限りエイブルガンたちも婚約者と仲よくしているし、エルコッペも婚約者と仲よくしたいって言っているし、疫病の子に関しては国を憎む理由もなくなったし大分変っているし、その通りにはならないだろうね。

 ユージョンがこの世にいなかったかもしれないなんて考えられない。そう考えるとミリーがこの世界に昔の記憶を持って生まれたことは神様の贈り物みたいなものだよね。

 僕はミリーがミリーだから、好きだから。

 僕のミリーがこの世界にきてくれたことが本当に嬉しいよ。



 ティモ



 リド暦791年 一の月 十四日


 私もティモも乙女ゲームの中ではメイン登場人物だもの。ティモは一番メインの攻略対象だし、私はその相手で悪役令嬢だし。

 乙女ゲームの登場人物たちで直接的に関わり合いがない人達はどんなふうに生きているかは分からないからそのあたりはどうなるだろうって思うわ。でも結局私やティモが生きて行動をしているからこそ、周りも色んな影響を受けているものね。

 私も神様なんて信じてはいなかったけれど、今は信じているわ。私もティモに出会わせてくれてありがとうってそういう感謝でいっぱいなの。神殿でいつも私はそのことをありがとうございますって言っているの。神様に実際に届いているかは分からないけれどね。

 この前大神殿に行った時に、お父様ってばまだ先なのに私が嫁ぐ時のことを考えたみたいで色々お母様に相談していたわよ。丁度結婚式があっていたからこそもあるのだろうけれど……。


 ミリセント



 リド暦 791年 一の月 十七日


 本当にミリーは可愛いね。

 僕も神様にミリーを僕の元へ遣わしてくれてありがとうっていつも思っているよ。

 まだ先とはいっても学園を卒業したらだから、あと六年だね。長いようで短い。僕はミリーと結婚できる時のことが待ち遠しいよ。

 ミリーを王城で迎え入れる準備もはやくしたいなってなっているよ。あまりにも早くその話をしていると、父上と母上に気が早すぎっていわれたけれど。

 結婚式の衣服もファッションショーでお世話になっているデザイナーたちと一緒に考えたいね。


 ティモ



 リド暦791年 一の月 二十日


 本当にティモは気が早いと思うわ。まだ六年もあるのよ?

 そういえば、ティモはまた小説を書こうとしているんだよね? 王妃殿下から聞いたわ。何でも出来るティモが少し悩んでいる様子だって聞いて、どんなものを書いているんだろうって楽しみにしているわ。

 私は新しく絵本の準備をしたりしているわ! 領地で領民たちが生きやすいようにするためにはどうしたらいいかとかもお父様と話し合っているの。

 

 ミリセント



 リド暦791年 一の月 二十四日


 僕ははやくミリーをお嫁さんにしたいだけだよ。

 母上から聞いたんだね。そうだよ。ちょっと書いてみているんだ。ミリーが楽しめそうなものを書けたらなって思ってたら中々難しいね。最初に書いたのが大人向けだって言われたから別の物も書いてみようかなって思ったんだけど、こうして悩むのも面白いことだよ。

 僕も父上と話し合いを進めて、改革を進めているよ。僕の意見が現実味がないと言われることもあるけれど、それを現実で進めるための話し合いは楽しいものだよ。

 

 ティモ





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ