表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢と王子殿下の交換日記  作者: 池中織奈


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

63/123

拾った少女―11歳―

7/22 二話目

 リド暦790年 十の月 二日


 母上とキッドと一緒に公務の合間に紅葉を見に行ったよ。

 公務で伯爵領を訪れる途中にだけど、とても綺麗だった。キッドも楽しそうにしていて、こうやって道中で楽しみがあるといいなぁってなったよ。


 ティモ


 リド暦790年 十の月 五日


 伯爵領に向かっているのね。

 私もティモの婚約者としていくつか公務に取り込んでいるけれど、王太子であるティモよりはまだ少ないから、もっとティモの助けになれるようになりたいと思うわ。

 私も紅葉を見に行ったわ。とても綺麗だったわ。同じタイミングで紅葉を見ているって何だか運命感じちゃうわね。

 あとティモへの報告なのだけど、お父様が女の子を拾ってきたの。後から思い出したけれど確かこの子、乙女ゲームの世界にいたのよね。ちらっとストーリーで出てきただけだったけれど、エイブルガン様の婚約者の子が拾う予定だった子だと思うの。

 ゲームでのお父様はお母様がなくなっていたのもあって、女の子を拾う余裕なんてなかったもの。だから驚いたわ。

 ゲームの強制力のようなものがないんだっていうそういう証になったと思うわ。

 この子をうちで侍女として引き取ることになったの。少しだけ私やティモよりお姉さんなんだけど、是非とも仲良くなりたいって思うわ。


 ミリセント



 リド暦790年 十の月 十九日


 伯爵領での視察を続けているよ。伯爵から宝石をいただいたから、ミリーにあげるように加工するから。終わったらプレゼントするね。

 ミリーの言う乙女ゲームに出てくる子を拾ったんだね。それにしてもミリーのいう乙女ゲームは人を拾うことがあったり、結構シリアスな感じだよね。乙女のゲームなんて名だからもっと良いことばかり続くゲームの方が楽しいと思うんだけどなぁ。ミリーも僕に捨てられる悪役令嬢なんて立場だったっていうし。

 ミリーが仲良くなりたいなら、幾らでも仲良くなれるよ、きっと。


 ティモ



 リド暦790年 十の月 十四日


 伯爵領は鉱山があるものね。素敵なプレゼントをもらえると思うと楽しみだわ。

 乙女ゲームって、バッドエンドも結構多いのよ。シリアスな設定や、シリアスな物語が好きな人も多くいたもの。でもまだこの世界に似ている乙女ゲームの世界はそこまで酷くないわよ。

 悪役令嬢枠の私が破滅する以外には、そこまで酷い扱いされている人もいなかったし。

 早速仲良くなれたわ。ゲームで知っている情報をうっかり口にしないようには気を付けているわ。本人から聞いてないことまで知っていたら変だもの。


 ミリセント



 リド暦790年 十の月 十七日


 宝石をネックレスにしたから、ミリーに送るね。ミリーにとっても似合うと思うんだ。良かったらつけた写真でも送ってくれると嬉しいな。

 そんなものを見たがるなんて不思議だね。ミリーの前世の世界って何だか平和的だよね。ミリーから話を聞いている限り、僕らの生きているこの世界とかなり違うし。

 僕はずっとミリーの味方でいるから、ミリーが破滅することはないから安心してね。ミリーを蹴落とそうとする人を僕は許さないから。

 仲良くなれたようで良かった。もし何か口にしたいって情報があったら僕に言ってね。僕はミリーが何を言っても受け止めるから。


 ティモ



 リド暦790年 十の月 二十一日


 ネックレスありがとう。ティモ。写真も送るわ。ネックレスをつけた私を見てユージョンがキラキラした目をしていたわ。

 そうね。とても平和な世界だったと思うわ。国にもよるだろうけれど、私が生きていた国はそこまで命の危険もなかったもの。

 私だってずっとティモの味方でいるわ。それでティモを蹴落とそうとする人がいたら私が絶対阻止してみせるわ。ティモの敵は私の敵だものってなんかこれ、悪役令嬢っぽいわね。

 次に会った時にでも沢山ティモに話すわ。こんなこと話せるのティモにだけだもの。



 ミリセント



 リド暦790年 十の月 二十三日


 やっぱりミリーに似合うね。

 ミリーは悪役令嬢なんて呼ばれる存在じゃないよ。僕の大事な婚約者だし、寧ろミリーは王城でも慕われているしね。

 次に会える日を楽しみにしているよ。

 王城に戻ってきて、相変わらず王太子として勉強しているよ。エイブルガンも一生懸命勉強しているよ。学園に入る時に一番で入りたいって言ってた。僕も負けないようにしないとね。全てが一番で入れたら、ミリーにかっこいいって言ってもらえるだろうし。

 エイブルガンも一心に勉強しているから気を抜くと僕も負けちゃうかもしれないから慢心はしないようにしたいなって思っているんだ。


 ティモ



 リド暦790年 十の月 二十六日


 ティモに褒められると嬉しいわ。

 私も学園に入学する時に、ティモの婚約者として相応しくないって言われないように必死に勉強しているわ。

 ティモは慢心しないから、そのあたりがティモの凄さだと思うわ。私も慢心しないようにしなきゃってティモを見るといつも思うの。

 バオリーナと益々仲良くなれたわ。何だかこうして仲良くなれると嬉しいわね。



 ミリセント




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ