表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢と王子殿下の交換日記  作者: 池中織奈


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

61/123

王都への長期滞在②―11歳―

 リド暦790年 八の月 四日


 他国からの来訪者の方、顔を青ざめさせていたわね。

 よっぽど国内がごたついているのでしょう。ああいうのを見ると助けてあげたくなるけれど、何でもかんでも助けていたらやっていけないものね。そのあたりはティモと陛下が凄いなぁと改めて思うわ。


 ミリセント


 リド暦790年 八の月 四日


 僕たちは王族だから、その先のことまで考えなければならない。父上もどこまでどんなふうにやったらいいかっていつも悩んでいるよ。下手な行動をすると冷酷な王なんて言われてしまうからね。

 それにしてもああいう来訪者を前にしてもミリーが凛とした表情で、堂々としていてかっこいいなぁって思ったよ。

 ミリーの普段の姿も王太子の婚約者としての姿も全部ほれぼれしちゃう。

 今は、僕たちの国はまだ落ち着いているけれど今後そういった反乱がないとは限らない。僕は誰かに蹴落とされるようなことがないようにはしたいけれど、人は欲深い生き物だから。


 ティモ


 リド暦790年 八の月 六日


 私もここ数日のティモにほれぼれしているわ。

 ティモはいつだってかっこよくて、堂々としていて、そういう王族としてのティモにも惚れ直すの。

 私は前世の記憶があるのと、ティモの真似をしているのもあるわよ。ティモや王妃様の真似をしているの。いつもお手本がいてくれるからこそ、私もやっていけるのだと思うわ。

 そういう国家間での問題や国内での問題が起こると大変だけれど、何とか解決していけるようにしたいわね。反乱分子が現れたらどんな風に対応できるかしら。あまり酷い事はしたくないと思うけれどその辺のさじ加減は難しいわ。でもね、ティモ、もしそういう決断をすることがある時はちゃんと私にも背負わせてね。

 ティモは優しくて、私に対して甘くて、それが私は嬉しいわ。だけれども私は何も知らない王妃にはなりたくないから。

 私はティモと一緒に全てを背負うから。ティモも大変なことがあったり、悲しいことがあったらちゃんと私に言ってね。私もティモとそういう気持ちを共有したいから。

 今日は王妃教育もあってちょっとしか話せなかったわね。でもティモと一緒に王城にいられることが嬉しいわ。


 ミリセント



 リド暦790年 八の月 八日


 ミリーに惚れ直してもらえると嬉しくなって、僕はもっと頑張ろうと思うよ。

 周りの行いを見て、学ぶことは重要だよね。僕も周りの人たちの行動を見て、ああ、こういう風にすればいいんだって学んだことが沢山あったんだ。

 人の行いを見てこうしたほうがいい、ああしたほうがいいってそういうのを学べるといいよね。良い教材になる方が沢山周りにいるといいよね。

 ミリーがそう望むなら、僕はミリーに僕と同じものを背負ってもらうよ。僕もミリーがこうして背負ってくれる子だから余計に好きだと思うよ。

 王城にミリーがいてもずっと一緒に居られるわけではないのがもどかしいね。でも毎日少しでもミリーと会えるのが嬉しいよ。


 ティモ


 リド暦790年 八の月 十一日


 今日はティモと一日過ごせて楽しかったわ。

 やっぱりこうしてティモと一緒に居られるととても嬉しいわね。

 他国からの来訪者もいなくなって、少し王城も落ち着いてるしね。


 ミリセント



 リド暦790年 八の月 十五日


 ミリーは今日、出かけたんだね。僕の誕生日プレゼントの準備してくれているのかなって僕は楽しみにしているよ。

 それにしても本当にミリーと一緒にしばらく過ごせることが僕は幸せだよ。誕生日プレゼントがなくても、ミリーがずっと王城にいてくれたってだけで僕にとっては誕生日プレゼントだしね。

 

 ティモ


 リド暦790年 八の月 十五日


 ティモが喜ぶように誕生日のお祝いの準備をしているのよ。

 もっとティモを幸せにするから。だから楽しみにしていてね。

 

 ミリセント



 リド暦790年 八の月 十九日


 貴族の子息たちと交流を深めたけれど、ミリーが婚約者でうらやましいってことを言ってもらえたんだ。ミリーのすばらしさを軽く伝えておいたよ。

 ミリーの愛らしさとかをまわりが知って、ミリーに惚れたら嫌だからある程度だけどね。可愛いミリーは僕だけが知っていればいいって思うから。

 ミリーも令嬢たちとのお茶会をしていたんだよね。


 ティモ



 リド暦790年 八の月 十九日


 私もティモのよさを軽く伝えているわ。

 ティモのかっこいいところも、可愛いところも、素敵なところも全部知っているのは私だけがいいもの。

 ティモが独占欲を感じてくれているのが嬉しいわ。


 ミリセント



 リド暦790年 八の月 二十五日


 今日はミリーと一緒にお出かけが出来て楽しかったよ。

 まだあと一か月近くミリーがいてくれると思うと、ワクワクして楽しみだよ。

 ミリーにアクセサリーのプレゼントも出来たし、幾らでもミリーに買い与えたくなるね。ミリーに似合うものが沢山あって、ミリーを楽しませたいと思って仕方ないよ。


 ティモ



 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ