お義姉様―11歳―
リド暦790年 六の月 一日
健康的な運動方などを纏めているわ。
公爵家に仕えている侍女たちの中から、自主的に一緒にやりたいっていってくれる人も多くて、一緒に試してみたわ。身体を動かすことで、身体の調子をよくすることはきっと出来るはずだから。
身体に不具合がある人だって出来るような運動も考えたいわね。まずはこの公爵家で色々と試してみて、まとめてみるわ。人に強要する事は出来ないけれど、少しずつこういうのも広めたいわ。
でもあまりにも平民が力をつけていくと、大変なことになるかもしれないから、その辺はちゃんとゆっくり進めたいわ。
そういえばね、お兄様がこっちにきているわ。まだ大学に通ってて忙しそうだけど、帰ってきてくれると嬉しいわね。お兄様から学園の話を沢山聞いているのよ。あとね、お兄様が結婚したい相手がいるんだって連れて帰ってくれたの。
とても綺麗な方で、お兄様とお似合いだわ。お義姉様と呼べる存在が出来ると嬉しかった。とても研究が得意な方みたいなのよ。何だか綺麗でかっこいい方よ。
ミリセント
リド暦790年 六の月 五日
ミリーはいつでも一生懸命だね。
色々と纏められたら教えてね。身体を動かしていない人よりも動かしている人の方が健康なようには確かに見えるから、身体を動かすのは重要だと思う。何よりこの世界は戦争や魔物の脅威があるから、動けた方がいいだろうしね。
フィガニードの結婚相手か。僕も会ってみたいな。正式に結婚するまでフィガニードの相手には会えなさそうだけど、ミリーが気に入っている相手ならきっと素敵な相手なんだろうね。
ミリーが楽しそうで僕は嬉しいよ。
結婚式の時には僕からもお祝いをするね。
ティモ
リド暦790年 六の月 十日
そうね。この世界ではよっぽどのお金持ちじゃないとふくよかな人って少ないわよね。それって生命の危機に瀕している人がそれだけ多いっていうその証なのよね、きっと。
特に女性だと綺麗になるための努力は妥協しないだろうから、侍女たちと一緒に進めていけたらと思うの。私もティモに相応しくあるためにずっと綺麗でいたいから努力するわ。
お義姉様は、とても知識があって、私と話があって楽しいわ。お義姉様にも私が十一歳と思えないって言われちゃったわ。年上に見えるって。でも前世も含めたら年上だもの。
でもお義姉様と話している中で、色々進めたいこともできたわ。あとね、ティモのことが大学でも話題に上がっているんですって。とても誇らしい気持ちになったわ。嬉しいことに私のことも話題に上がっていたの。とても嬉しかったわ。
もうお兄様たちは戻っていったけれど、手紙のやり取りをすることにしたの。次に会う時のことが楽しみだわ。
ミリセント
リド暦790年 六の月 十三日
ミリーが僕のために努力してくれていると思うと嬉しいね。僕もミリーに相応しくありたいから見た目にも気を遣っているよ。王城に仕えている侍女たちが喜んで手伝ってくれるんだよね。
中には僕によこしまな感情を抱いている下っ端侍女もいるけど、そういうのは早急に排除されているけど。僕にはミリーだけでいいのに、同年代の女の子たちも僕に夢見てたりするしね。
良かったね。仲良くなれたと喜んでいる様子が分かって僕は嬉しいよ。
僕のミリーが話題になるのは当然だよ。ミリーは可愛くて、素敵で、僕の自慢の婚約者なんだから。
ミリーの家の兄妹は仲が良いよね。そういうの聞いていると素敵だと思うよ。
そういえば医療改革だけど、それを進めるために医者を王城に呼んで進めているよ。少しずつでもこうして自分たちがやろうとしていることが形になっていると思うといいよね。
一緒につけている資料がそこで話されていることだから、見てね。
ティモ
リド暦790年 六の月 十七日
ティモは本当に綺麗でかっこいいもの。女の子たちが騒ぐのも当然だわ。ティモはそういうところはっきりしてくれているから心配はしていないけれど、毎回嫉妬してしまいそうになるわ。
私もそういうのを異性から向けられることがあるから、それは周りに排除されているわ。見た目で変な人も惹きつけてしまうこともあるからそのあたりは気を付けたいわね。
ティモは本当に私の事を過大評価しているわね。そのティモの信頼に恥じない私を目指すわ。でもその信頼が重たくなったら言うからね! 私はティモと対等でいたいんだから。
医療改革の資料ありがとう。流石ティモだわ。パソコンがなくてもこんなに綺麗にまとめているわね。ティモが私のためにまとめてくれた資料だと思うと何だか嬉しいわ。
ミリセント
リド暦790年 六の月 二十三日
少し返事が遅れてごめんね。ミリー。
ちょっと予期せぬ来客があったものだから、王城が少しばたついていたんだ。その件についてはまた片付いてから話すね。
ミリーは可愛いからそういう目を向けてくる人は当然いるだろうけれど、僕もそれを見ると僕のミリーなのにって思うよ。
そうだね。僕がミリーに期待しすぎていたら言ってね。僕もミリーと対等で居たいと思うよ。
パソコン? っていうのが何かは分からないけれど、ミリーがほめてくれると僕は嬉しい。
来月、ミリーがこっちにきてくれるの楽しみにしてる。
ティモ
リド暦790年 六の月 二十六日
予期せぬ来客が誰か気になるけれど、ティモが話してくれる時を待っているわ。
私も私のティモになのにって嫉妬した気持ちになって、ティモと二人だけでいられたら楽しいのになって思うわ。本当に時々だけどね。
明日には王都に向けて馬車で向かうわ。ティモに会えるの楽しみにしてる。
ミリセント




