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悪役令嬢と王子殿下の交換日記  作者: 池中織奈


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ホワイトデーとショーの準備―11歳―

 リド暦790年 三の月 一日


 私の前だとティモは、にこにこ笑っていて、いつも優しいけれど他ではそうでないっては噂は聞いているわ。そういう私の見ていないティモの情報を知るのも楽しいの。ティモの色んな面を知った上でティモの隣にいたいもの。

 ティモ、なるべく私に隠し事はしないでね。私はティモの全部を知りたいのだから。

 ティモが選んでくれた衣装もとても素敵だわ。ティモが私のために選んでくれていると思うとそれだけで幸せなの。


 ミリセント



 リド暦790年 三の月 五日


 ミリーに見せたくない僕の一面もあるし、そういうのを見せるのは少し戸惑いもあるけれど――でもミリーは僕のすべてを受け入れてくれるって思うから、そういう恐怖心は少ないけれど。

 ミリーが僕の側からいなくなったら僕は落ち込んでしまうから。

 ミリーに来月会えると思うと、僕は楽しみだよ。綺麗な衣装を身にまとったミリーを見ることが出来ると思うだけで僕は楽しみだよ。

 キッドと一緒に王都を見て回ったけれど、やっぱり弟と一緒に王都に出かけられると楽しかった。ミリーと一緒に王都で見て回りたいところも沢山見つけたんだ。今度、一緒に見て回ろうね。


 ティモ


 リド暦790年 三の月 九日


 私はティモの予想外の部分を見たら驚くかもしれないけれど、でもティモだからって思うと受け入れられるわ。

 私もティモに引かれたり、嫌われてしまったら落ち込んでしまうわ。

 私もティモに会えるのが楽しみで仕方がないわ。ティモと一緒に過ごせるんだと思うと来月が楽しみで仕方ないの。

 私もティモと一緒に王都を見て回りたいわ。楽しみで仕方がないわ。

 私は、ユージョンと一緒に最近お絵かきに励んでいるわ。私の弟、とても絵を描くのが得意なのよ。私の似顔絵も描いてくれたの。とても可愛かったわ。

 ティモのこともユージョンが描いてくれたから送るわね。


 ミリセント



 リド暦790年 三の月 十二日


 ミリーは素直で可愛いね。そういうミリーだから僕は好きだと思うんだよ。

 僕がミリーを嫌うことはないから安心してね。

 ユージョンは絵を描くのも得意だね。僕の絵も特徴をとらえていて僕だって分かる。将来、キッドもユージョンもどんな大人になるか、今から楽しみだね。僕たちもまだ子供だけど、そういうことを考えちゃうね。

 僕とミリーの将来は決まっている。決められた道を歩むことは決まっている。キッドとユージョンは、王家と公爵家の出だから将来も限られているかもしれないけれど、比較的自由に将来を選べるだろうから。

 ミリー、ホワイトデーのクッキーを送るね。


 ティモ



 リド暦790年 三の月 十四日


 ティモの言葉も真っ直ぐで、そういう所が私も好きよ。私もティモを嫌うことはないわ。

 そうね。ユージョンは絵を描くのが得意なようだわ。ううん、それだけじゃなくて私の弟は他のことだって得意なの。私の自慢の弟だわ。天才だわ! って思ってるわ。

 でも悪いことをしたらちゃんと叱らないとね。我儘放題に育ったら悲しいもの。

 そうね。でも決められた道だろうとも、私はティモとならどんな道だって歩めるわ。そういう決められた道を悲観する人も多いけれど、私は決められた道を一緒に歩めるのがティモで良かったと思っているわ。

 ゲームの世界への転生物だと、ゲームの世界観を信じ切って暴走したり、前世が比較的自由に選択できるからこそこの世界に馴染めなかったり、そういうのが私の前の人生の物語ではあったわ。なんだろう、やっぱりティモがいてくれたから、私は今、ミリセント・アグエッドスとして生きていける。私は幸せ者だわ。

 あとクッキーありがとう。ティモが一生懸命作ってくれたんだって思うとより一層美味しかったわ。ちゃんと私好みの味付をしてくれていて、そういう思いやりがある所、素敵だわ。ユージョンも欲しがったけれど一人で食べちゃったわ。



 ミリセント



 リド暦790年 三の月 十七日


 僕の弟も得意な事が多いよ。父上と母上が言うには、僕が小さな頃に比べたら子供らしいとか言ってたけど。

 王族としての教育はきちんと進められているから、キッドに関しては心配してないけどね。ただ時々、王族を傀儡にしようとしてくる教師とかも紛れ込むから、その辺はちゃんと選別しているよ。父上と母上や大人の前では猫被っていても、僕の前では素を出す人もいるからね。そういうのはすぐに父上たちに報告してるけれど。

 僕だって幸せ者だよ、ミリー。ミリーが婚約者だから将来がこれだけ楽しみで、人生が楽しい。

 ミリーがクッキーを気に入ってくれてよかった。来年はもっといいもの作るからね。ミリー専属の菓子職人みたいになれたら楽しいかなって思っているよ。もちろん、王族としての責務の合間にだけど。

 来月、ミリーがこっちに来るの楽しみにしているよ。ショーの準備、進めているからね。



 ティモ




 リド暦790年 三の月 二十五日


 返事遅れてごめんね。ティモ。

 少し風邪をひいてしまったみたい。

 来月、王都に行くの少し難しいかもしれないわ。


 ミリセント




 


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― 新着の感想 ―
[一言] ミリーさ~ん、早く元気になってね~!!!
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