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悪役令嬢と王子殿下の交換日記  作者: 池中織奈


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絵本コンテストー10歳―

 リド暦789年 十一の月 三日


 父上とハニートラップ対策していたら、母上に「そんなことを子供で考えなくていいのよ」と言われてしまったよ。

 母上は結構僕に甘いよね。嬉しいけれど、将来のためには必要だって言って受け入れてもらったよ。

 ミリーの作る絵本は、温かい話や、考えさせられるようなものが多いからいいよね。

 ミリーらしさが出ていて僕は、ミリーの絵本を見ると嬉しくなるよ。

 僕も絵本の話を考えてみたけれど、中々ミリーほど上手くはいかないよ。父上に「残酷すぎる」って言われた。


 ティモ



 リド暦789年 十一の月 六日


 私の描いた絵本を気に入ってもらえてうれしいわ。ティモが考えた話も是非知りたいわ。

 一般に流通出来なくても、私だけはティモが考えた絵本知りたいから教えてね。

 そういえば絵本なのだけど、もっと他の人にも絵本を作ってもらえるようにってコンテストを開催しているのよ。まだ見ぬ才能が見いだされると思うと楽しみだわね。

 ティモもいつか参加してみてね。私、審査員でもあるのよ。今はそのことで少し忙しいわ。


 ミリセント



 リド暦789年 十一の月 十日


 僕が考えた内容一緒に送るね。ミリーには全部見てほしいからね。

 なにかやっているなとは知っていたけど、コンテストやってたんだね。アグエッドス公爵領は、ミリーのおかげで栄えていくね。流石、僕のミリー。アグエッドス公爵家の『薔薇姫』の名は伊達じゃないよね。ミリーにぴったりだよ。

 審査員姿をしているミリーの写真素敵なんだろうな。送ってね。僕の写真も送るから。

 僕の方だと、僕の護衛騎士とかの選定試合とかが行われているね。毎回セッタが僕の傍にいるためにって必死だよ。僕も魔法や剣技を習っているから少しずつ強くなれていることを実感すると嬉しいね。

 今度、そういうコンテストがある時に僕もミリーの領地に行きたいな。



 ティモ



 リド暦789年 十一の月 十三日


 ティモが考えた絵本の中身、確かに少し子供向けではないわね。

 絵本って子供向けだから、ティモの考えるような話は大人向けかなと思うわ。大人向けの小説として出すのはありかもしれないと思うわ。こういう娯楽が広まるときっと楽しいわ。

 私の前世生きていた世界って娯楽が充実していたから、そういうものが多いとちょっと嬉しいわ。

 もちろん、国の事はかき乱したくはないからそのあたりはきちんと考えてだけど。

 『薔薇姫』って何だか少し恥ずかしいわ。慕われていることも嬉しいし、ティモに僕のミリーと言ってもらえるのも嬉しいけれど。

 絵本コンテスト、とてもよかったわ。それに聞いて、乙女ゲームの登場人物にいた子がいたの。絵本に興味があったのですって。素敵な絵本の話だったわ。何だか私の事を尊敬した目で見てくれて嬉しかった。お友達になれたの。

 写真も送るわ。ティモも是非来てね。



 ミリセント



 リド暦789年 十一の月 十六日


 小説か。大人向けの物語ってことだよね。いいと思うよ。僕が上手くそういうの作れるかは分からないけれど、ミリーが勧めるならやってみたい気がする。ミリーはやりたいようにやっていいよ。ミリーがやりすぎたら僕が止めるしね。

 ミリーの前の世界の話、僕はもっと知りたいな。沢山僕に話してね。その中でこの国に適用できそうな良い部分は適用したいからね。

 『薔薇姫』は本当にミリーにぴったりだよ。何だか強くて、可愛くて、綺麗で、僕のミリーがそういう呼び名で呼ばれ、慕われていて嬉しいよ。

 良かったね。仲良くなれて。ミリーが嬉しそうだと嬉しいよ。絵本コンテストで良い評価を得た絵本、完成したら僕も見たいな。審査員として張り切っているミリーの様子が写真から見て取れて可愛いなと思うよ。

 王都の外に騎士団と一緒に出てみたけれど、やっぱり外は危険も多いね。ああいう危険から国民達を守れる仕組みをもっと作らなきゃね。

 

 ティモ



 リド暦789年 十一の月 二十二日


 ティモが小説を出版すると思うとわくわくするわね。全力でティモがそういうのを出版するの手伝うわ。絶対楽しいもの。

 やっぱりティモは私の事を甘やかしすぎだわ。私、調子に乗ってしまいそうだから、そんな風に甘やかしすぎないでね?

 沢山話すわ。ティモにしか私の昔の話は出来ないもの。ティモにだけ沢山話すわ。

 もちろんよ。絵本を渡すわ。素敵な話だから、ティモも気に入ってくれると思うわ。

 外に行ったのね。危険だろうけれども、そういう現実を見るのは重要だもの。でも危険な真似はしないでね。

 ティモ、来月の私の誕生日、領地に来てくれるのよね? 楽しみにしているわ。


 ミリセント



 リド暦789年 十一の月 二十七日


 その話は、来月ミリーの領地に行った時にしようか。そこで話をまとめようか。

 僕は幾らでもミリーを甘やかしたいんだよ。でもミリーがそういうなら、少し僕も自分を律するよ。

 前世の話も沢山、来月話してね。楽しみにしてる。

 ミリーに来月会えるの楽しみにしているよ。ミリーの誕生日を楽しく過ごそうね。


 ティモ




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― 新着の感想 ―
 残酷な絵本…原典の方のグリム童話みたいな感じかな…。
[良い点] 今日も朝からブラックコーヒーがうめな~。(二人の甘々成分のおかげで)
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