紅葉と、絵本と―10歳―
リド暦789年 十の月 二日
学園でミリーといつも一緒に居られて、ミリーと恋人生活出来ると思うと今から楽しみだよ。
ミリーが慣れるようにめいいっぱい、僕はミリーに構うね。
ミリーの誕生日も楽しみだなぁ。もし出来そうだったら誕生日の一日、僕にミリーの一日を頂戴。僕はミリーと一緒に二人で過ごしたいから。
そういえば、他国から今度お客さんがくるんだって。父上が言うには僕らと同じくらいの子も来るらしいよ。ハニートラップにかからないようにって注意されたよ。
僕がミリー以外の女の子に興味を持つはずないのにね。
ティモ
リド暦789年 十の月 五日
私も学園でティモとやりたいこと沢山考えておくわ。学生らしく放課後デートとかもするのもいいわね。
もちろん、護衛付きになるだろうけれど、制服デートとかきっと素敵よね。学園がある都市は沢山お店があるって話だし。そう考えると私も楽しみだわ。
そうね。ティモは私にしか興味ないものね。ティモがそう言って自信満々に言ってくれるから、私も安心出来るわ。
もうすぐ屋敷に戻れるわ。何だかユージョンも今回の王都が楽しかったみたい。
ティモのことも気に入っているのかティモの話をよくしているわ。大きくなったらユージョンはどんな子になるかしらと楽しみなの。
ミリセント
リド暦789年 十の月 八日
制服デートという響きが凄くいいね。僕とミリーが二人で出かけるのは難しいだろうけれど、護衛付きでもミリーと一緒ならきっと楽しいだろうね。
ユージョンとキッドがどんなふうに育っていくのか楽しみだよね。二人が安心して成長出来るように国をよくしていきたいね。
ティモ
リド暦789年 十の月 十二日
大好きな人たちや大切な人たちがいると、この国をよくするために行動したいって思うものね。
そういえば、この時期ってとても紅葉が素敵ね。紅葉が素敵な場所にいったらとても楽しかったわ。写真が出来たから、その場所を切り取ることは出来るようになったけれど生で見るのはまた違うわね。
ティモと一緒に色んな景色をみたいわね。貴方が隣に居たらもっと幸せだろうなと思ったわ。ティモが王位を継いだら、今以上に自由に動けなくなるから、今のうちに色々みたいわね。
ミリセント
リド暦789年 十の月 十五日
紅葉かぁ。ミリーが見ている紅葉を僕もみたいなと思うよ。
なんだろう、どんなに綺麗なものを見ても、どんなに楽しいことを経験しても、隣にミリーがいるかどうかで大分違うんだ。ミリーがいなくても世界は回っているけれど、僕の世界はミリーがいた方が色づいている。
王位を継いでからも少しは出かけられるかもだけど、機会は少なくなるもんね。そのあたりももっと計画したいね。
エイブルガンたちとの交流も深めているけれど、彼らも中々勉強に身が入ってきているみたいだよ。婚約者に良い顔をしたいみたい。ああいう風に婚約者と仲がよければミリーが心配していることが起こる可能性も低くなるだろうね。魅了に関する魔法具の作成も進められているし、あと父上にも軽くそういうハニートラップのようなものがあった時の対応方法を話し合いをしたよ。こういう何かあった時にどんなふうにするかというマニュアルを作るのは重要だよね。
ティモ
リド暦789年 十の月 十九日
私の世界もティモがいるだけで世界に色がつくの。
もっと色んな計画をして、色んな景色を見れるようにしていきましょう。
もしそういうことがあった場合、どんな風にしたらいいか。それを事前に考えることは重要よね。そうしてあらゆる可能性を考えて動かないと。またプレゼン大会しましょう。
あとはそういう耐性をつけるために時々、敢えてそういうのを近づける訓練でもしたほうがいいかもしれないわね。私もティモ以外には興味はないけれど、イケメンにくらっていかないように訓練をしないと!
ミリセント
リド暦789年 十の月 二十二日
プレゼン大会も訓練も大事だろうけれど、訓練とはいえ、ミリーに誰かが近づくとしたら嫌かなぁ。
でもそれでミリーが全くなびかないってのが分かったら嬉しいけれども。そもそもの話、僕らに不用心に近づく相手は王家に選別されるからそういうのは近づかないだろうけどね。
でも上がぐらついていたら周りの守りが硬くてもどうしようもないからね。そのあたりはちゃんとしないと。僕が道を間違えそうなときは教えてね。僕もミリーが間違えそうなときは教えるから。
ティモ
リド暦789年 十の月 二十五日
私だって訓練でそういうのがあるのは嫌だけど、それでも将来のためを思うと我慢しなきゃと思うわ。
ええ。私たちで互いに互いを守りあいましょう。私はティモの一番の味方でいるから、ティモも私の一番の味方でいてくれると嬉しいわ。
そういえば最近ね、また絵本作りに勤しんでいるのだけど、シリーズものに出来ると面白いわね。色んなことを伝えられる絵本を作れると何だか嬉しいわ。孤児院の子供達が私の作った絵本を気に入ってくれているっていってくれたの。
ミリセント




