視察旅行―10歳―
4月29日 二話目
リド暦789年 七の月 一日
ミリーと一日中一緒に居れるのは嬉しいね。
旅行に行くまでの間、ミリーが領地でいつもどのように過ごしているのか知ることが出来ると嬉しいね。
ミリーの使い魔は、僕のモアと同じで鳥なんだね。ミリーに似て可愛い子だね。使い魔がミリーとお揃いってだけで僕は嬉しかったよ。
※ティモの描いた使い魔のイラスト付き
ティモ
リド暦789年 七の月 四日
ティモが屋敷にやってきて数日だけど、最高すぎるわ。
ティモがいつも此処にいればいいのにってなったわ。
明日から旅行よね。ユージョンと離れ離れなのは寂しいけれど、ティモとの旅行は楽しみだわ。
ミリセント
リド暦789年 七の月 五日
ミリーと一緒に旅行が出来るの楽しみだよ。
ミリーとこれから沢山の思い出を作って、それが僕たちにとって大切な経験にきっとなるんだね。
なんだかワクワクしすぎて朝から書いちゃった。
ティモ。
リド暦789年 七の月 七日
ティモ、今日は美味しい料理を作ってくれてありがとう。
ティモの料理は絶品ね。幾ら護衛騎士や侍女たちと私たちしかいないとはいえ、ティモが出先で料理を作ってくれるとは思っていなかったわ。
今回、まだまだ日の光を浴びていない我が国の特産物になりえるものに会えたことは良かったと思うわ。とても素敵な出来だもの。私が広告塔になりたいけれど……生産量が少ないのならばもう少し整えてからがいいわね。
・技術と生産場所の保護
・物流ルートを整備、売り出し計画について考える
・現在の値段では安すぎるため、正当な値段付けをする。
色々やるべきことは多いわね。ティモ、一緒に考えてね!
ミリセント
リド暦789年 七の月 七日
ミリーが僕の作った料理を美味しいと食べてくれて嬉しかったよ。結婚したらミリーが望んだ時にいつでも作ってあげるからね。もちろん、王宮料理人の仕事を奪わない程度にだけど。
そうだね。こんな風にまだまだ僕らが知らない魅力がこの国にはきっと沢山あるよ。それを沢山発掘して、良いものは正当な形で売れるようにしたいね。
ただきれいごとばかりでは世の中回らないからある程度だけれども。
ティモ
リド暦789年 七の月 十一日
この旅行、結構収穫多いわね。
やっぱりティモがエスコートしてくれているものだからかしら。
前に一緒に旅行した時よりも発見が多いわ。それとも私たちが勉強をして視界が広がったからかしら。
何にしても、こうして知らないことを知れるのは嬉しいわ。
ただやっぱりこの国が栄えているとはいえ、悲しい出来事はなくならないのは実感したわ。私たちは一時的な救済ではなく、継続して少しでもそういうのをなくすようにしなければならないわね。
そのことを実感したわ。誰かの命を握ることは恐ろしいことだけど、ティモがいるから私は大丈夫って改めて実感したわ。
ミリセント
リド暦789年 七の月 十二日
早速どのようにしたら継続的に不幸をなくせるかまとめるなんて本当に、僕のミリーは頑張り屋さんだね。
一緒に少しずつ、今回見たものを糧にして、父上に報告して改善していこうね。
僕はミリーがいれば地獄にだって行ってもいいって思っているよ。
ティモ
リド暦789年 七の月 十六日
今日で旅行が終わりだと思うと悲しいわ。
でも今回は学ぶことも沢山あって、それでいて楽しい事も沢山あって、流石ティモエスコートの旅行だったわ。
今回の出先では写真も沢山とれたし、記録も沢山とることが出来たわ。今後のことに役立てましょうね。
でもカメラの撮った写真の履歴を見ると、私の写真が多すぎるわ。私もティモを撮ったけれど、ティモは撮りすぎだと思うわ。
ミリセント
リド暦789年 七の月 二十日
アグエッドス領についちゃったね。ミリーをこのまま王宮に連れて帰りたいところだけど、それは結婚するまで我慢するよ。
ミリー、次に会う時まで元気でね。
※ティモの撮ったミリーの写真が何枚か貼られている。
ティモ
リド暦789年 七の月 二十日
皆の前でおでこにキスされて恥ずかしかったわ。嬉しかったけれど。しかもセッタがちゃっかり写真を撮っていたのだけど……。
自分の写真が何枚も張られていると少し恥ずかしいわね。私もおかえしでティモの写真貼るわ。
※ミリセントの撮ったティモの写真が何枚か貼られている。
ミリセント
リド暦789年 七の月 二十五日
王宮に今、向かっているよ。
こうしてミリーからの交換日記が届くと、出先でも嬉しいね。ミリーの使い魔も交換日記の届人デビューだね。モアはまだそっちでのんびりしているのかな?
ミリーが撮ってくれた僕はこんな顔していたんだね。こういう表情も全部ミリーがいてくれたからなんだよ。
ミリー、今回の視察旅行での記録は父上に報告して、改善すべき点も報告しておくね。ミリーがまとめてくれた改善案もちゃんと伝えておくから。
今回の旅行、凄く楽しかったよ。また、こうして一緒に旅行が出来たらいいね。
ティモ




