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悪役令嬢と王子殿下の交換日記  作者: 池中織奈


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お返しのクッキーー10歳―



 リド暦789年 三の月 一日


 ティモ、来月はまたショーがあるわね。

 なんだかティモと一緒に可愛い衣装を着れると思うとそれだけでもワクワクするわ。

 もちろん、一番楽しみなのはティモに会うことよ。ティモとこうして交換日記を出来ることも嬉しいし、交換日記を交わせるだけでも嬉しいけれど、やっぱり生のティモには敵わないもの。

 ショーでかっこいいティモが私の婚約者なんだって自慢したいわ。でもティモのかっこよさが広まると思うと少しだけ嫉妬しちゃうけれど。

 なんでもティモには言うわ。ずっとティモの隣で私はティモと一緒にこの国を盛り上げていきたいもの。


 ミリセント



 リド暦789 三の月 四日


 ミリーは本当に可愛いね。はやく僕もミリーに会いたいよ。写真をもらったり、交換日記を交わしたりするのは楽しいけれど、僕はいつだってミリーに会いたいと思っているよ。

 ねぇ、ミリー、次に会った時にも思いっきり抱きしめさせてね。ショーでも思いっきり僕たちの仲のよさを広めようね。

 ミリーは今も僕にとって世界で一番可愛いお姫様だけど、もっときれいになるだろうから。誰も僕たちの間に割り込むことがないようにしないとね。

 王都ではホワイトデーを広めたのもあって、結構騒がしくなっているよ。こういうバレンタインやホワイトデーってイベントはいいね。アグエッドス領でも同じ状況かな? まだまだ王都やミリーの所以外だと広まっていないみたいだから、もっと広めたいね。

 そういえば、エルコッペ殿下からの手紙にもバレンタインについての記述があったよ。是非広めたいんだって。


 ティモ



 リド暦789年 三の月 八日


 ティモも最高にかっこいいわ。私の世界で一番かっこいい王子様。

 抱きしめるのはこの前もいったけれどいいっていったでしょう。私もティモに抱きしめられたいもの。ティモはどんどんかっこよくなるから、私もティモを誰にも渡さないようにするわ。

 前世の記憶の中のティモもとってもかっこいいの。でも生のティモの方が、私にとってはかっこいいけれど。ティモは私を大切にしてくれているって、それを全面に出してくれているから私は安心して生きられるわ。前世の物語の中のミリセントとティモにはならないって分かるから。でもだからこそどんどんかっこよくなるティモには沢山の異性が近づくことが分かるから、時々嫉妬してしまうの。

 王都が盛り上がっているようで、嬉しいわ。こちらも盛り上がっているわ。こういう楽しい行事はどんどん広めたいわよね。

 エルコッペ殿下の国でも広まったら楽しいわよね。私のお友達たちもホワイトデーで何かもらえるかなってそわそわしているみたいだわ。そういうの見ると何だか幸せな気持ちになるわね。


 ミリセント




 リド暦789年 三の月 十四日


 ミリー、ホワイトデーだからクッキーを送るよ。僕の手作りだからね。あとミリーに似合いそうな装飾品も選んだから、是非身に着けてね。

 僕だってミリーを誰にも渡さないようにするよ。ミリーが誰かの物になるって考えただけで苦しいから。僕はミリーの幸せのためなら、何だってする。ミリーがもし僕の側を離れることを選ぶなら全力で引き留める。だって、僕はミリーに側にいてほしいから。

 ミリーの前世の中の僕に、負けないようにしないとね。ミリーが嫉妬してくれるのはミリーに愛されている証だから、僕は嬉しいよ。

 僕はミリーが周りの幸せに、嬉しそうに笑っている様子が目に浮かんでそれが嬉しいよ。カメラの改良もどんどん良いものになっているよ。改良したカメラを楽しみにしていて。


 ティモ


 

 

 リド暦789年 三の月 十八日


 ありがとう。ティモ。

 ティモの色の装飾品ね。何だかティモの色を身に纏うと、ティモのモノになったような気持ちでとても嬉しくなるわ。

 ティモの言葉は、交換日記に書かれた文字も真っ直ぐで私はそれを見ているだけでも嬉しいわ。

 恋物語などを読むと、素直にならなくてすれ違うなんてこともあるから、昔言ったようにちゃんとほう・れん・そうはしましょうね。

 カメラの改良が上手くいっていると聞いて嬉しくなったわ。何だかこうして少しずつ進めていることが形になっていく達成感はやっぱり大きいわね。

 もう少ししたら王都へ向かうわ。ユージョンとお母様も一緒よ。まだまだユージョンは小さいから、護衛も沢山雇っていくわ。ユージョンにとって初めての遠出ね。何だか楽しみでワクワクしているわ。私の弟、とっても可愛いんだもの。きっと王都でも人気者だわ。


 ミリセント



 リド暦789年 三の月 二十二日


 僕もミリーが僕の色を身に纏ってくれるとミリーが僕のものだって思って嬉しくなるよ。

 父上には独占欲が強すぎるとミリーに呆れられるなんて言われちゃったけど、ミリーが喜んでくれて嬉しいよ。嫌になったら言ってね?

 僕はミリーとすれ違いたくないし、ミリーに隠し事はなるべくしたくないからね。

 そうだね。こうして少しずつ進められることはとても嬉しいね。

 ユージョンがこっちにくるんだね。是非とも僕の弟のキッドとも仲良くなってくれるといいな。ミリーの弟だし、人気者になるだろうね。母上もユージョンに会えるのを楽しみにしていると言っているよ。まだキッドもユージョンも赤ん坊だけど、友人候補を選別していてもいいかもね。



 ティモ



 リド暦789年 三の月 二十六日


 ティモからの独占欲が嫌になるはずがないでしょう。ティモの方こそ、私の行動が重いって思ったら言ってね。乙女ゲームのミリセントは、愛情深くてうっとおしがられていたから。ティモがそんなことを言うはずないと知っているけれどそれでも今から色々考えてしまうわ。

 そうね。二人が仲よくしてくれるととても幸せな気持ちになれそうだわ。どんな風に成長していくかしらね。姉として弟が健やかに育ってくれることを願ってならないわ。

 ティモ、今から王都に向かっているわ。会えるの楽しみにしているわ。もちろん、ショーも。


 ミリセント




 リド暦789年 三の月 二十九日


 本当に心配性で、いじらしくて可愛いね。ミリー。そんな不安感じなくていいんだっていうのを分からせ続けてあげるからね。

 ミリーが僕の元に来てくれるの、楽しみにしているよ。道中気を付けてね。



 ティモ





 

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