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悪役令嬢と王子殿下の交換日記  作者: 池中織奈


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新年の始まりと、カメラについての話―10歳―

 リド暦789年 一の月 一日



 年が明けたわね。

 おめでとう。ティモ。今年もよろしくね。

 去年は私の話を聞いてくれてありがとう。学園への入学は十五歳だからまだ時間はあるけれど、学園に向けて対策をしていけたら嬉しいわ。

 不安ばかり感じていてごめんなさいね。ティモ。

 今年もティモと一緒に沢山の思い出を作っていきたいわ。写真も撮りましょうね。



 ミリセント



 リド暦789年 一の月 四日


 おめでとう。今年もよろしくね。ミリー。

 僕がミリーの話を聞くのは当然だから、気にしなくていいよ。

 学園についての対策を進めていくのは当然だよ。僕はミリーの味方であり続けるけど、君が不安だと言うのならば、その不安を取り除くのは婚約者の僕の役目だから。

 そうだね。沢山の思い出を作りたい。ミリーの可愛い写真を沢山撮るよ。

 そうそうカメラだけど、まずは王家直轄の騎士団と、情報部で活用することになったよ。徐々に広めていきたいとは思うけれど、順番に進めていく必要があるからね。



 ティモ



 リド暦789年 一の月 八日



 本当にティモは私を甘やかし過ぎよ。恥ずかしいじゃない。

 学園のことだけど、ヒロインが学園に入学することを止めようとは思ってないの。ヒロインが私をざまぁする可能性はあるかもしれないけれど、それでもまだ何もしてないもの。

 ティモならばヒロインが現れても私の事を断罪しないだろうし、私の事を見捨てないって信頼はしているわ。それでも本当にここが乙女ゲームの世界のように進むのかもわからないし、もしかしたらヒロインが私と同じ可能性があるから……色々考えておかないと。ティモやそのご友人たちは私とティモが乙女ゲームと違うのもあって、色々異なるけれど。

 あとはおそらくないとは思うのだけど、前世の物語だとヒロインが私と同じで魅了の能力を持っていたり、進んで逆ハー……要するに殿方を侍らせようとする可能性もあるかもしれないわ。

 カメラについてはそうすることにしたのね。それがいいと思うわ。何も考えずに広めたら大変なことになりそうだもの。

 そういえば、今年のショーは私達以外もでるのよね。楽しみだわね。



 リド暦789年 一の月 十二日


 僕がミリーを甘やかすのは当然だよ。これからも沢山甘やかすから。寧ろ他の男には甘やかされないでね?

 ミリーは優しいよね。僕はミリーがそういう風に言わないならすぐにそのヒロインっていう子を排除してたかも。でもそういう風に勝手にやったらミリーが悲しむだろうから、やらないけどね。

 そういうパターンもあるということ? 一応僕たち王侯貴族だと魅了魔法対策もしているけれど、もっと対策しておく方がいいかな。

 そういえばエルコッペ殿下もそういう対象なんだっけ?

 ショーは楽しみだね。今回は希望者の貴族たちも参加するからね。父上が去年の成功を見て、今回はもっと補助してくれることになったからね。来年以降には、公共行事として国民達にも広めていこうとしているらしいから。もっときっと来年からは楽しくなりそうだね。

 それで僕たちはその先駆者として色々忙しくなるかもね。僕は可愛いミリーが沢山見れるから幸せだけど。



 ティモ




 リド暦789年 一の月 十五日


 ティモは本当に甘やかし上手ね。ティモもなるべくでいいから私以外と仲よくしないでね。必要最低限は仕方ないけど、それでもティモは私にだけ甘やかしている方が嬉しいもの。

 私は優しくないわよ。自分勝手だわ。

 魅了魔法対策はされているけれど、もっと対策していった方がいいのではないかと思うのよ。何かの拍子にかかってしまったら大変だし、今後のためにも対策を強化するのは良いのではないかなっては思っているのよ。私自身がそう言うのが起こらなければいいという思っている我儘な気持ちで進めようとしているけれど。

 そうね。エルコッペ殿下は隠し人物みたいな役割だわ。フラグ……きっかけを幾つかこなしていくことで、エルコッペ殿下とヒロインが出会うみたいな形だったと思うわ。私もそれなりにやりこんでいたけれど全部知っているわけでもないからそのあたりは不安だわ。

 去年頑張って成功させることが出来てよかったわね。陛下にも評価してもらえたと思うと嬉しいわ。こういう忙しさなら楽しいし幾らでもいいわよね。私もティモのかっこいい姿を沢山見れるなら嬉しいわ。



 ミリセント




 リド暦789年 一の月 十九日


 可愛い事いっているミリーが傍にいないことが悲しいよ。思いっきり抱きしめたいなぁってこの一文みて思ったよ。僕は基本的に周りに関心は持ってないからね。僕が関心を持つのはミリーだけだから安心していいよ。

 自分勝手な理由でもいいんだよ。結果的にこの国のためにもなるし、そういう魅了系の魔法への対策は重要だしね。

 不安なんか感じなくていいよ。ミリーが全部を知らなくたって、僕が状況を見てどうにでもするから。ミリーはミリーがやりたいように、その乙女ゲームの世界に関わればいいんだ。それでどんな結果になったとしても僕が絶対にミリーを守るから。最悪の状況になったとしても、僕はミリーがいれば幸せだし、どうにしでもするから。

 父上はミリーのことを評価しているよ。よく僕とミリーの話をしているぐらいだしね。僕も忙しかったとしてもミリーと一緒に行うことならなんだって楽しいなって思うよ。

 そうだ。父上の許可が出たらだけど、ショーの様子を写真に撮れないかと考えているんだ。すぐには公に出来ないかもだけど、将来的にショーの広報誌みたいなのを作るのも楽しいかなって。



 ティモ



 

 リド暦789年 一の月 二十四日


 ティモは本当にド直球なことばかり書くわね。抱きしめるのは、今度会った時ね。私もティモになら抱きしめられても構わないもの。でもこの前の誕生日の時から私、ティモのことをより一層かっこよく思えているから、抱きしめられたらドキドキしすぎて心臓が爆発してしまうかもしれないわ。

 私も魔法の勉強をしているし、魅了系を対策の道具を調べて改良できないかとか試してみるわね。こういう道具って結構楽しいもの。

 そういえばソロサヘル様がカメラにも興味を持っているならそのあたりの改良も手伝ってもらえそうじゃない? それでティモとソロサヘル様が仲良くなれたらなと思うのよ。長い付き合いになるだろうし。

 陛下と私の話をしているの? 恥ずかしいけれど嬉しいわ。

 ショーの写真を撮るのもいいわね。私とティモがその広報誌に乗ったらきっと素敵だわ。私はそれを永久保存版として大事にとっておくわ。きっと。



 ミリセント



 リド暦789年 一の月 二十七日


 本当にミリーは可愛い。書いてある文字を見るだけで、どんな風な表情をミリーがしているかとか考えて僕は幸せだよ。次に会った時は抱きしめさせてね、約束だよ、ミリー。

 そうだね。ソロサヘルに手伝ってもらうのはアリだね。それでソロサヘルと距離が縮まればそれはそれで今後のためになるしね。

 次にミリーに会う時を楽しみにしているよ。あと、ミリーに着てもらう予定の衣装について別紙つけておくから見といてね。



 ティモ





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