誕生日(ミリセント・十歳)―10歳―
リド暦788年 十二の月 二日
ミリーの元へ今向かっているよ。
ミリーの事をお祝いできると思うと嬉しくてたまらないよ。
ミリーが何を話してくれるかも楽しみにしている。
ティモ
リド暦788年 十二の月 四日
私もティモにお祝いしてもらえると思うと嬉しいわよ。
私はティモに話すのが少しドキドキしているわ。でも他でもないティモにだからこそ私の秘密を話せるの。
カメラで写真も撮ろうね。
ミリセント
リド暦788年 十二の月 七日
出迎えありがとう。ミリー。
本当にミリーは可愛いね。日に日に可愛くなっていくミリーに再会する度に僕はいつも嬉しくて仕方がないんだよ。
ユージョンにも久しぶりに会えて、キッドとあわせて仲良くさせたいなって思ったよ。もう少し二人が大きくなってからになるだろうけど。
ティモ
リド暦788年 十二の月 九日
今年も来年のショーのことも踏まえて、衣装が素敵ね。
ティモが私の事を思って選んでくれたと思うと嬉しいわ。
まぁ、私はティモが私の誕生日をお祝いしてくれるだけでも嬉しいのだけど。
ミリセント
リド暦788年 十二の月 九日
ミリーは何だか昔より素直だよね。
というか、やっぱり僕にミリーの秘密を言うのを緊張してる?
だから少し様子がおかしいんでしょ。ミリーが言いたくないなら言わなくてもいいからね。
僕はミリーが笑っていてくれることが嬉しいのだから。
ティモ
リド暦788年 十二の月 九日
ティモには全部バレバレね。
誕生日の準備でバタバタしている私のことを気にかけてくれてありがとう。
大丈夫よ。私はティモにだから話したいの。
ミリセント
リド暦788年 十二の月 十二日
誕生日おめでとう。ミリー。
君の誕生日を祝えるだけで僕は嬉しいよ。
ティモ
リド暦788年 十二の月 十二日
今年も日付が変わってすぐにお祝いしてくれてありがとう。
なんだかティモにこんな風にお祝いしてもらえると嬉しいわ。
ミリセント
リド暦788年 十二の月 十二日
今年もミリーの可愛い寝顔を見れて嬉しいよ。
思わずカメラで撮っちゃった。
ティモ
リド暦788年 十二の月 十二日
去年も見られたから寝顔を見られることに関してはいいわ。
けれどカメラで撮られると恥ずかしいわよ。ティモのも撮らせなさい!!
ミリセント
リド暦788年 十二の月 十二日
今日は一日楽しかったね。ミリーのお祝いのためのパーティーってすごくいい。
ミリーの用意してくれたお菓子も美味しかったし、ミリーが僕のプレゼントに喜んでくれたことも嬉しかった。
それとミリーの秘密を教えてくれてありがとう。
予想外の話だったから驚きはしたけれど、ミリーの秘密を僕に話してくれてありがとう。
ミリーが僕に捨てられるかもって不安がってた理由も分かったよ。でもね、ミリー、言葉にもしたけれど僕はミリーの事が大切なんだよ。ミリー以上に大切な人なんて僕にはいないんだから。
ティモ
リド暦788年 十二の月 十二日
ティモも私の話を聞いてくれてありがとう。
私の話なんて、突拍子もない話で、信じてもらえなくてもおかしくないのに。頭がおかしくなったとそんな風に思われても仕方がないのに。
それなのに私の話を聞いて、「僕はミリーの味方だよ」って言ってくれてありがとう。
ティモは本当にかっこいいわ。私なんかにはもったいないぐらいにかっこいいわ。
私の話を信じてくれてありがとうね。
相談がある時は、ティモに言うからね。
ミリセント
リド暦788年 十二の月 十五日
ミリーの前世の話、これからのためにもなりそうだね。
悪い事は直前で止められたらいいし。どちらにせよ、ミリーがそのこの世界に酷似した世界のミリーとは違うことは確かだし、その通りにはならないとは思うけど。
でもミリーはその記憶があるからこそミリーなんだよね。
ティモ
リド暦788年 十二の月 十五日
ティモは本当に私の事を信じてくれるわね。
そうやってティモが私を甘やかしてくれているから、私は我儘になってしまいそうだわ。
ティモはいつも私の事を受け入れてくれるわね。
ミリセント
リド暦788年 十二の月 十八日
ミリーまたね。
次に会える日を楽しみにしているよ。
ティモ
リド暦788年 十二の月 二十二日
ティモは今頃帰宅途中かしら。
ティモがいないことが、少しだけ寂しいわ。
私はティモにずっと抱えていた秘密を話せて嬉しかったわ。前世の記憶があって、ティモと私がこれからどうなるかとか知っているのを聞いても私を受け入れてくれてありがとう。
私ね、ずっと不安だったの。
前世の記憶を思い出して、そのことで色んな事を考えていた。思い出す前の私と思い出した後の私で別人に変わっているのではないかとか、これからどうなるんだろうとか……。そういう不安があったの。
前世の記憶なんてものを持っていることを話してティモが信じてくれなかったらとか、おかしいって言われたらとか――ずっと思っていたの。
だからありがとう。私を信じてくれて、私自身を受け入れてくれて。
ミリセント
リド暦788年 十二の月 二十五日
もうすぐ王城に帰れそうだよ。
僕もミリーがいなくて寂しいよ。ミリーがずっとそばにいればいいのにって思ってる。
ミリーは、何も心配しなくていいんだよ。不安何て感じなくていい。
僕は誕生日の日にいったように、ミリーの事が大好きで、ミリーのことならいつだってなんだって信じるから。
ミリーこそ、僕の元へ来てくれてありがとう。僕と出会ってくれてありがとう。
僕の方がずっと、ミリーに感謝しているよ。
ティモ




