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悪役令嬢と王子殿下の交換日記  作者: 池中織奈


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カメラの完成―9歳―

 リド暦788年 十の月 三日


 そろそろ領地についた頃かな?

 二カ月近くミリーと一緒に過ごせたから、急にミリーが居ない事に寂しさを感じているよ。

 やっぱりミリーが居るのといないのとでは世界が違うね。はやくミリーと結婚したいなって思ったよ。

 今日はキッドと母上と父上と一緒にのんびり過ごしたよ。王族である僕たちはそこまで家族の時間が取れないけれど、だからこそ取れた時には楽しく過ごすようにしているんだ。

 側近たちともそれなりに会っているよ。彼らも僕に勝ちたいと邁進しているけれどミリーにかっこいい所見せたいから僕は負けないようにしているよ。


 ティモ



 リド暦788年 十の月 七日


 領地でのんびりと過ごしているわ。

 私もずっとティモと一緒に居たから、ティモが傍に居ないことはちょっと寂しいわ。でも会えない時間があるからこそ、ティモに会えた時にとても嬉しいの。やっぱり私はティモの事を大切に思っているって実感するもの。

 家族仲が良いことはとてもいいわね。ティモが家族と仲良しで嬉しいわ。

 ティモはいつも一生懸命ね。私にかっこいい所見せたいと頑張ってくれているのは嬉しいけれど、自分のやりたいことがあるならそちらも優先してね。ティモの趣味っていうと、料理かしら? 趣味も大事にしましょうね。

 私たちは将来王と王妃になるけれど、仕事だけより趣味も大切にしたほうが素敵だと思うの。


 ミリセント



 リド暦788年 十の月 十一日


 ミリーが僕を大切だって思っていて嬉しいよ。僕もミリーの事が何よりも大切だよ。

 僕の趣味はそうだね、ミリーかな。料理も好きだけど、ミリーのことが一番興味あるから。

 そうだね。王としての責務にだけ熱中するのはちょっと僕は嫌かな。ミリーが居なかったら、そういうのでも納得していたかもしれないけど、ミリーが居るから僕は王になってもきっとミリーっていう趣味に夢中だよ。

 そうそう、カメラが出来たから送るね。とりあえず僕を撮ってみたけど、どう? ミリーが話していたような色付きは出来なかったけれど、すばらしい発明だと思うんだ。

 ミリーの写真も送ってね。僕、ミリーの写真なら幾らでも欲しいから。



 ティモ



 リド暦788年 十の月 十四日


 趣味が私って、何だか恥ずかしいけど嬉しいわね。でも私も一番興味があるのはティモのことだわ。いつもティモは今何をしているかなとか、ティモはこれを食べたら何を思うかなってそればかり考えているもの。

 私も王妃になっても、ティモと一緒に楽しく過ごしていたいわ。王と王妃になったら、その肩書ばかり見られちゃうかもしれないけれど、ティモの前ではただのミリセントとして過ごせるのが理想よね。

 カメラが出来たのね。とても素晴らしいわ。流石、ティモだわ。それにしても白黒写真でもティモはとても綺麗で、かっこいいわ。今まで絵でしか見られなかったけれど、写真のティモもとっても素敵だわ。

 自分の写真を撮るのはちょっと恥ずかしいけれど、お母様にとってもらうわ。可愛く撮れているといいけれど。


 ミリセント




 リド暦788年 十の月 十七日


 僕もずっとミリーのことを考えているよ。ミリーも僕のことを考えてくれているなんて嬉しいな。

 そうだね。将来、王座に座った僕と、そんな僕を支えるミリーが居る未来がくるのが楽しみだよ。きっとミリーは大人になっても可愛いだろうから。

 ミリーにかっこいいと言ってもらえると嬉しいね。

 ミリー、写真、送ってくれてありがとう。とても可愛い。何だろう、絵とは違ったまたよさがあるね。それに気の抜けた日常のミリーも可愛い。僕によく見られたいとキリッとした表情のミリーもいいね。

 ユージョンと一緒に過ごしているミリーも可愛い。

 それにしてもこのカメラは広めるのはいいけど、広め方は考えないといけないね。近隣諸国の大使にカメラを使われて重要な情報を撮られたりすることもあるかもしれないし。

 王城や貴族の屋敷ではカメラの持ち込み制限をしたり、持ち物検査はしたほうがいいかもしれない。ただこういうカメラがあると何か事件があった時の証拠としてや、観光業には役に立つと思うんだ。

 結局、こういうのは使う存在がどう使うか次第だけど……折角ミリーの発案で作ったカメラに悪評が立つのは嫌だからね。



 ティモ



 リド暦788年 十の月 二十日


 きっとティモも何歳になってもかっこいいわよ。

 何回可愛いって書いているの? 可愛いっていってもらえるのは嬉しいけど、やっぱりティモは私に盲目的だわ。そんなに可愛いって言われると私は自惚れそうになるわよ。

 そうね。カメラは是非とも広めてみたいけれど、そのあたりは考えないといけないわね。カメラが原因で戦争なんか起こったら嫌だもの。

 ティモ、これで観光ガイドも上手く作れそうね。でも絵描きの人たちの仕事を奪わないようにはしたいわ。絵は絵でよさがあるから、ちゃんとそういう芸術家の人たちが路頭に迷わないようにしないと。



 ミリセント




 リド暦788年 十の月 二十五日


 ミリーは自惚れてもいいってぐらい僕にとっては一番可愛いよ。自惚れたとしてもミリーは可愛いに決まってるし。

 そのあたりは父上たちともっと相談をして進めるよ。

 ミリーの言う通り、カメラが出来たからと路頭に迷う人がいないようにはなるべくするべきだね。僕は絵も写真もどちらもよさがあると思うから、すみわけというか、此処ではこっちを使って、この場ではあっちを使うみたいにちゃんと分けた方がいいかもね。

 やっぱり僕のミリーは聡明で、話していて飽きないね。




 ティモ




 

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