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悪役令嬢と王子殿下の交換日記  作者: 池中織奈


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隣国へ向かう準備と道中―9歳―

 リド暦788年 七の月 一日


 ミリーが僕に秘密を話してくれる日を楽しみにしているよ。

 そういえばもうすぐ隣国だね。その時にミリーが素敵だと思っていた護衛騎士ってくる? 来るなら隣国へ向かう前に手合わせしたいかな。

 僕の方は隣国へ向かう準備が結構進んでいるよ。ミリーは準備できそう?

 

 ティモ


 リド暦788年 七の月 四日


 護衛騎士も来るわよ。ティモが手合わせしたいと言っていたことを言ったら咽ていたわ。

 私の方もしっかり準備出来ているわよ。エドナたちが張り切って準備してくれたの。

 「ミリセント様の可愛さで隣国の方々も夢中にさせちゃいましょう」と謎の気合を入れていたわよ。

 準備終えたからそろそろ王都に向かうわ。



 ミリセント



 リド暦788年 七の月 七日


 そう。手合わせ楽しみだよ。

 僕は可愛いミリーに周りが夢中だと少し嫌かな。ミリーは僕のミリーなのに、他の人がミリーを好いちゃうと僕のライバルが増えちゃうし。

 ミリー、道中気を付けてね。王城で待ってる。


 ティモ



 リド暦788年 七の月 十日


 本当にやる気満々ね? でもティモの手合わせは見るの楽しみだわ。

 私もかっこいいティモを隣国でお披露目しなきゃならないと思うと不安だわ。ティモ、貴方は自分で自覚がないかもしれないけど、とてもかっこいいのよ? 市井の人々が求める理想の王子様像に当てはまるのよ? 私の方がずっとライバルが増えると不安よ。

 領地を出る時にユージョンに行かないでと掴まれたのよ。うちの弟、可愛い!! って思ったわ。

 道中は今の所、特に問題は起こってないわ。それにしても他国に行くのは初めてだからドキドキするわね。


 ミリセント



 リド暦788年 七の月 十二日


 ミリー、久しぶり。やっぱりミリーは可愛いね。

 直接も言ったけれど、ミリーは何も不安にならなくていいんだよ。僕は確かに異性受けする見た目をしているかもしれないけれど、僕がかっこいいって言ってもらいたいのはミリーだけなんだから。

 

 ティモ



 リド暦788年 七の月 十二日


 ティモ……散々愛を囁かれると私ははずかしいわ。どうしてティモは他に人がいても恥ずかしくないの?

 「ティモ殿下と仲良しですね」と周りに沢山言われたわ。嬉しいけど、恥ずかしいわ。


 ミリセント




 リド暦788年 七の月 十四日


 ミリーの前でかっこいい姿見せたかったのに、手合わせで負けちゃって僕は凹んでいるよ。ミリー、慰めて。


 ティモ



 リド暦788年 七の月 十四日


 護衛騎士相手にまだ九歳のティモがやり敢えていただけで凄いのよ? 魔法も込みならティモは絶対勝っていたもの。

 それにしても落ち込んでいるティモは……言っちゃダメかもだけど、可愛いわね。いっぱい慰めてあげる。



 ミリセント




 リド暦788年 七の月 十五日


 ミリー、昨日は慰めてくれてありがとう。今日はついに隣国に向けて出発する日だね。

 ミリーとなら道中も楽しそうでわくわくするよ。



 ティモ



 リド暦788年 七の月 十八日


 隣国への道中はなんだか見た事のない景色がおおくて楽しいわね。隣国でどんなものを見れるかというのも楽しみだけど、国内で見た事のない場所を見れるだけでも満足してしまうわ。

 国内だけでもこれなら隣国はどんな風なのかしら。この国とは文化が違ったりもきっとするでしょう。楽しみで仕方ないわ。


 ミリセント



 リド暦788年 七の月 十八日


 周りを見て目をキラキラさせているミリーは本当に可愛いね。

 隣国の文化は書物で復習はしているけれど、現地に行かなければ分からないものも沢山あるだろうから、そのあたりも楽しみだよ。ミリーと一緒ならば何処でも楽しいんだけどね。



 ティモ




 リド暦788年 七の月 二十三日


 もうすぐ国境を越えるのよね?

 国境を越えた事はないから、ワクワクしてしまって、どんなものが待っているのだろうかってドキドキして、何だか眠れないわ。

 ティモはもう眠っている? 私は全然落ち着かないわよ。


 ミリセント



 リド暦788年 七の月 二十三日


 国境を越えるのを緊張しているミリー可愛いね。大丈夫だよ、僕が傍にいるから。

 僕はミリーとは違う理由で起きていたけれど、落ち着かないならベランダに出れる? 少し話そうか。


 ティモ


 リド暦788年 七の月 二十三日


 ティモ、今日はありがとう。

 ティモと話したら緊張なんて吹き飛んだわ。私、ティモの婚約者として精一杯頑張るわ。



 ミリセント




 リド暦788年 七の月 二十五日


 国境を越えたね。僕も隣国は初めてだからこんな感じかってなっているよ。今日はミリーがこの前の緊張が嘘みたいに目を輝かせてきょろきょろしていたのが可愛かった。

 隣国の出迎えの人数の多さにはちょっと驚いたけど、それだけこの国が我が国と親しくしたいって証だろうね。


 ティモ


 リド暦788年 七の月 二十五日


 ティモはいつだって冷静よね? 

 見た事のない景色に私はわくわくして仕方がないの。

 仲よくしようとしてくれているのは嬉しいわよね。

 それにしても隣国に入ったから交換日記も自重するべきかしら?


 ミリセント



 リド暦788年 七の月 二十七日


 夜にだけやり取りするぐらいにする?

 それだったら話を通しておけば出来るだろうしね。


 ティモ



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